私の出産体験記

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私の出産体験記

あたふたの10ヶ月こんにちは赤ちゃん

ゆかりんさん(1999)


 私が出産したのは10月11日。午後7時50分。体重2798グラムの今時の赤ちゃんにしては小柄なおんなのこでした。人生22年と約2ヶ月。生まれて初めて経験した出産。みなさんに聞いてもらいたいと思います。

 思えば妊娠期間。長いようで短い10ヶ月でした。ゴールデンウィークはつわりの嵐に見舞われ、夏は重いおなかで乗り切り。そして予定日よりも4日早い出産でした。
 私は妊娠する前から助産婦である友達に「子供作る前にやせないとつらいよー」といわれていました。そう、私は身長156センチ、87キロもあったのです。もちろん重度の肥満です。太っていてお産に得になることはない。ですが、教えてもらった1週間後に妊娠が発覚しました。さすがに1週間ではやせれません。
 妊娠については、学校での保健体育ぐらいの知識しかなかった私は、家で行った妊娠判定薬の「陽性」反応を見て、泣けてきました。その涙はいったい何だったのか、 初めての経験への不安。恐怖。今でもわかりません。だけど、夫(そのころはまだ婚約者でしたが)は「そんな気がしたんだ」といたって冷静。初めての健診は不安で不安でたまりませんでした。まわりはおなかがドーンとつきでた妊婦さんばかり。とっ ても緊張しました。(もう、自分も妊婦なのに)長い長い時間待ち、自分の健診の順番が回ってきました。初めてエコーで見た自分のお腹の中。かなり育っていたので しっかりとした人間のかたちがエコーに写りました。わずかながら動いています。その姿を見た瞬間、母である喜びや自分の中にある命の尊さに感動しました。不安や恐怖はどこかに飛んでいき、かわりにうれしさがこみ上げてきました。私はそれからというもの妊娠情報雑誌を読みあさり、一生懸命妊娠・お産の知識を深めようと勉強しました。

 母親がいない私には、義理の母と周りにいる先輩ママが頼りです。雑誌に載っていないことや、悩みなどを相談しました。ですが、まだ私の周りには子どもどころか結婚もまだの友達が多くて、少し寂しかったです。
 一番の心配事は、体重の増加でした。医者からは「(体重は)増えなくていいよ」 といわれました。妊娠中毒症は怖いと聞いていたので私も体重は増えないように気をつけました。ジュースをやめ、お茶・牛乳。緑黄色野菜など、不足しがちな栄養素を チェックするために「食事日記」をつけました。
 あと、体はできるだけ動かしました。幸いにも私の妊娠経過は至って順調で、なんのトラブルもないので、安静にする必要はありませんでした。重い荷物や無理な体勢はしないように気をつけ、だけどなるべく運動していました。出産前日になった10月10日には地元の秋祭りがあって、かなり歩きました。だからいつも靴はスニー カーでした。

 その10月10日の夜。なんだかお腹が痛い。「最近そういや痛むなぁ…!?もし かして!」10月5日の健診では子宮口はまだ開いてないし、赤ちゃんも降りていな いからまだだねーといわれていたのに!あわてて夫に話すと、病院に電話した方がいいとのこと。
 家からお産を予定していた病院からは約40分。混雑していれば1時 間はかかる距離。病院へ電話したら「お腹が痛いだけで、破水がないなら、もう少し 家で様子を見てください」との返事。つい最近初めたばっかりで、さぼりまくってた 呼吸法の練習がてら、お腹の痛みを逃す練習をしていたが、痛みはますばかり。いよいよ時間を計るようになって、なんとなく10分間隔になったので、また病院へ電話。このとき確か夜の12時30分頃。だけど帰ってきた返事は同じく「家で待機」 『このやろー。そこ(病院)まで行くの遠いんだぞー!破水とかしたらどうすんだー !!』と少しキレつつも、我慢。やっぱし10分間隔、夫も眠くなってきた真夜中の3時、もう一度電話。でもやっぱり家にいろとのこと。初めてのお産、そして病院への距離のことで不安なのに…と考えていたら夫が「横になってろ。寝てみて寝れないほど痛いんだったら、もう一回電話しな。寝ちゃったら…明日だよ」といってくれたので寝てみました。寝ちゃいました。

 翌日の6時。寝たのは寝たけどやっぱりお腹が痛い。朝から痛い・起きる・でも眠い・寝る・を、午前9時頃までやっていたら、トイレ。「あれ?もしかしてこっちの 痛みだったのかしら?」と思ったら少し安心して、家事を始めました。今日も秋祭り があるので夫と見に行こうかと話していたらやっぱり痛い。

「??」とおもってもう 一度トイレに行ったら、生理が始まるような出血が!「…!!!?」びっくり。『これが噂の「おしるし」ってやつなの??』
早速電話。もちろん相手は病院。でもやっ ぱり家で待機。

「初産だからって、なんかあってからじゃ遅いのに」と夫は心配顔。 その心配をよそに私のお産は「おしるし」からハイスピード展開。つい30分前まで1階と2階を行き来していたのに、横になりっぱなし。見ているのは「安産のための 呼吸法」の特集のページと時計・メモ帳。メモには痛くなった時間を記入し、間隔を確かめました。徐々に間隔が短くなっていく。8分、7分、お昼の2時にもう一度病院に電話。私のしつこさ…いえ、熱心さが通じたのか、5分間隔(本当はまだ6、7分ぐらいだった気もするけど)になったことで病院にきてくれとの返事。待ってました!昨日から車に積んでいた入院セットといっしょに出発!病院到着は3時、そのころにはかなり歩くのがしんどくなっていました。

 夫に手を貸してもらいながら病院の産婦人科病棟へ。さっそく内診してもらったら 「もう5センチ(子宮口が)開いてるわ。」と助産婦さん。『あんたらがそこまで我 慢しろっていったからじゃないかー』と思いつつも文句を言う気力もありません。陣痛室へ案内されると先に一人苦しんでました。だいぶお産が近いらしく「ふーふー」 と大きな息づかいがきこえてきます。旦那さんも付き添っていて一緒にがんばっています。
私はNSTを受けるために分娩室へ。30分ぐらい分娩室で横にならなくてはいけません。あまりにも暇なので、夫に話し相手になってもらいました。夫は最初から立ち会い出産はしないと言っていました。だからその分他のことで協力すると言ってくれました。腰痛のマッサージや、洗濯など。いろいろ気を使ってくれました。立ち会い出産は、向き不向きがあるからと、助産婦さんにも言われたので、私も「べつ にいいや」ぐらいの気持ちでした。

 すこしはなしてたら陣痛室からの妊婦さんの息づかいが、悲鳴のようになってきました。夫と「ピークにはあんなのになるんかなぁ…」と顔を見合わせていたら、旦那さんが分娩室にドタドタとやって来て「助産婦さん!(奥さん)我慢できない。産みたいって」とのこと。私がNSTをしている横で(カーテン越しですが)お産が始まりました。私の夫は陣痛室に帰り、私は一人。隣は大忙し。お産の現状を見るのは(聞くのは)初めて。だって母親教室などで見たビデオは音楽とか流れてるじゃないですか。実際はすごかった。いや、たまたま隣の人がすごかった。叫びまくりでした。「痛い」の連発。苦しそうな息づかい。助産婦さんの叱咤。『ひぇ〜。なんか急激に不安になってきたぁ〜』叫びまくること30分弱。私のNSTはもう終わったのに隣が忙しいのでそのまんま。『仕方ないよな』と思いつつ。横で『がんばれー。産まれろー。』と心で応援していたころ「おぎゃーおぎゃー」と、出産。あれだけ叫んでいた苦しさが嘘のように落ち着いた妊婦さん。旦那さんも入ってきて写真を撮って いました。

 忘れられたのではないかと不安だった私のNSTも終わり、浣腸をしてもらい、排便を済ませて陣痛室に戻りました。助産婦さんから妊娠セットをもらい、問診に答えていました。だけど陣痛がかなりつらくなってきて、問診にもしどろもどろで答えてました。そんな姿を見ていた夫。何度目かの子宮口の開きを見てもらいに内診してもらったあと、急に「俺、立ち会うよ」と言いました。びっくりしたのは私。全くその気がなかったのに、なんで急に?と訪ねると「おまえが苦しそうなのに、何にもできないから、せめて立ち会おうと思ってさぁ」と言ってくれました。すごく感動しました。「よーしがんばるぞー!」と気合いを入れ直し、一生懸命呼吸法でいきみを逃していました。

 破水もなく、ただたんたんと「ヒッ、ヒッ、フー」と繰り返してた私。助産婦さんは何度も「つらくなったらいつでも呼んでね」と声をかけてくれたり、心音を聞きにやって来てくれます。だけど私の中では先にお産を済ませた妊婦さんの苦しみの声が 頭の中に焼き付いていました。『あれだけ叫びたくなるくらい痛いんだから、私の今 の痛みではまだまだだなぁ』と、痛みの加減を想像と比べながら逃していました。私の子宮口の開き加減は、初産とは思えないほど進行はスムーズでした。助産婦さんは 「この分だと(子宮口が)閉じることはなさそうだから、もう8センチだし、進行も 早いので、分娩台にのってください」と言われ、陣痛室から分娩室に移動しました。 さすがに痛くて汗が出たり、呼吸法も乱れました。「(大便が)したくなるような気 がしたり、力を入れたくなったら呼んでください」といわれ、夫と分娩室に二人きり、夫も一緒になって呼吸法をしてくれます。ですが、痛みのためうまく呼吸法がで きなくなってきました。すると夫が「お前、なめてんの?ちゃんと呼吸法しないと後 でつらいんだぞ、ふざけんな」とキレました。『こ、怖い。なんで妊婦の私にキレる のよー』と思ったのですが、何にも反論できないので、がんばって呼吸法をし始めました。すると夫は「そうだよ、それでいいんだよ」と納得。それからまた痛みも激しくなってきました。
『マジで痛い。だけど前の妊婦さんほどではないぞ…まだナース コールは早いのでは…でも痛い。ええーい、決めたー!!』 「なぁ…(ナースコー ル)押していいかなぁ?」と夫に尋ねました。「ん?(ちょっといらついて)なに? 痛いの?我慢できないの?そうか、いきみたいんだな。じゃあ押せ押せ。」なんだか変ですが、助産婦さんを呼びました。内診してもらうと、「9センチだわ、じゃあ、 いきみの練習をしてみましょう」といわれ、一度いきみました。「あれ、開いちゃっ たわ。(子宮口全開)だからお産ね」えっ!?そうなの?って感じでした。

 分娩台に のって30分。いよいよお産が始まりました。だけど私の中では『叫ぶほどでもないなぁー』と、いたって冷静でした。花びらが開くイメージ(子宮が)なんてする事もなく、テンポよくここまでやって来ました。が、陣痛の波がどうも短い。いきみきれなくてけっこうつらい。汗がたびたび出て、夫がタオルで拭いてくれました。のどが渇くので、お茶を飲ませてもらいながら、いきんでみますが陣痛がやっぱり短い。促進剤を点滴から注入してもらうと陣痛が長くなり、いきみが3回連続でいきめるようになったそのとき!頭が半分出てきました。私の中では、なにかがつっかかってて、 変な感じ。早く抜けて欲しい…そんな感じでした。頭がでたら「はっ、はっ、はっ」 と細かい呼吸をするらしいのです。いよいよ赤ちゃんが出てきます。助産婦さんも 「下を見て、赤ちゃんが出てくるところをみててね。旦那さんも!」と声をかけられ 『よしよし』と下を見つつ最後のいきみをしました。「うーーーーーーん!!」すると、「ズルン!」なんと全部出てきてしまいました。
夫は「あっははは、一気に出ちゃったね」と笑っています。私も「はーすっきりしたよー」と満面の笑顔。だけど一気に出てきちゃったので、会陰切開が間に合わなく、さけてしまいました。お産は楽でしたが、はっきり言って後がめちゃめちゃ痛かったです。『あぁ、あん時いきみ すぎなければ…』と、入院中は後悔しまくりました。
 夫はいつの間に買ってきたの? 写るんですを片手にカメラマン。分娩台で休んでいる私に「邪魔」と、隣で眠っている子どもを写していました。そして産まれたことを報告するため、電話をしに分娩室から出ていきました。ずいぶん帰ってくるのが遅いなぁと思ったのですが、あとあと聞いたら泣いていたそうです。うれしくてうれしくて涙がぼろぼろ出てきたそうです。父親になる喜びなのでしょうか、出産の感動なのでしょうか、夫に聞くと、「よく覚えてないけど、とにかく涙がでてきた」らしいです。

 あっという間の10ヶ月。初めてエコーでみた小さな命は、すくすくと育って、私の横で眠っています。妊娠・出産を通じて、生命の神秘を感じます。『何でこんな育 つんだろう。私のお腹の中でここまで大きくなったんだなぁ』と、いましみじみ思い ます。いまは、出産から3ヶ月たちます。妊娠中は『おおきなお腹はつらいなぁ、しんどいなぁ』と思っていましたが、もうお腹の中にいないと思うと、胎動が懐かしく思うこのごろです。これからの成長が楽しみです。二人めも楽しいお産をめざしてがんばります。

 追記ですが、私の体重はどうなったと思いますか?87キロだった私。妊娠中毒症にはならず、体重もつわりで2キロ減少したまま、お産をしました。おかげで現在5キロ減の82キロ。母乳のみなので、増加も少なく、これからダイエットにも励みがつきます。太っていて妊娠中毒症を心配するプレママのみなさん。がんばって妊娠を機にダイエットに励んでください。大事な栄養素を取ることさえしていれば、他のダイエット法よりも楽かもしれません。
(1999.1.27)

NST(ノンストレステスト)
出産を間近に控えたころ、おなかの中の赤ちゃんが元気かどうかをチェック するために行うテストのこと。陣痛が始まる前、子宮の収縮のない状態で、お なかにチャンピオンベルトのような外測用のベルトを巻いて、約20分ほど計る。
とくに出産予定日を越えたような場合や、高血圧、妊娠中毒症、胎児発育遅延など、リスクの可能性が高い妊婦に行われることが多い。この検査は、胎児 の心拍数の変化をみるもので、これを行うことによって胎児の元気度をチェックする。(きくち)


妊娠・出産、母乳ワード101妊娠・出産・産後ワード101
安産と楽しいマタニティライフに役立つ101用語を解説。 監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長





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