私の出産体験記

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私の出産体験記

いいお産、できました!

山本 祥子さん(1998)


 1月12日に女児を無事出産しました。とてもいいお産でした。

 あのとき、病院の待ち時間に本屋で買った『いいお産がしたい』を読まなかったら!いいえ、読んで、そしてその日のうちに転院を決意して、本当によかったです。その日はほとんど興奮状態で、一旦家に帰ってから再び図書館へ行って『いいお産、みつけた』ほか自然分娩に関する本をどっさり借りてきて、むさぼるように読んだんです。
私には、病院の母親学級で「しないと必ず自然裂傷する」と説明された会陰切開が、実際には必要のない場合が多いということが何しろ衝撃でした。それまでは、自分の通っている病院では自然分娩はできないからしかたがないと思っていた私が、突然可能性に目を輝かし、翌日には近辺の助産院に電話をしまくっていました。

 それから一体何冊本を読んだでしょうか。助産婦の豊倉先生とはフィーリングもぴったり、紹介された本を読んで食事も自然食に変え、すっかり落ち着いた気分で出産をむかえることができました。助産院では気の合う友達ができましたし、出張してきたお灸の先生から習って毎晩やっていた三陰交のお灸、36週からお風呂あがりにだんなにやってもらった会陰マッサージ、など続けるうちに、自分は絶対に安産だという確信が持てたのです。

 実際、本当に安産でした。陣痛の間は、『お産のイメジェリー』という本から実際のイメージトレーニングのための文章をだんなに読んでもらってリラックスできましたし(調子にのっただんなは、次第に自分で創作して話していたようです)、お風呂に入ったときは、陣痛の合間にふっと寝てしまうほどでした。子宮口が全開してからは2時間かかりましたが、いきみ続けているうちに自然ないきみがぐわんとやって来たときは、赤ちゃんとの連携プレーを実感して嬉しかったです。最後は、豊倉先生の介助で、出てきた赤ちゃんの頭を自分で持って誕生を導くこともできました。

 真新しい助産院の静かなお風呂で、私とだんなと先生の3人が見守る中、赤ちゃんが水の中から抱き上げられた様子は、まるで洗礼式のように厳かでした。その後もずっと自分の横に寝かせて、しっとりした小さな手に自分の指を一本つかませながら寝ることができました。赤ちゃんが泣く前に、ぎゅっと指がつかまれるのを感じて抱き上げてあげられることが幸せでした。

 自然分娩という考え方に出会えたことによって、進歩ということ、環境のこと、夫婦ともども色々考えさせられました。そうして、食から育児、生き方に至るまで、一貫した指針を持つことができたことは、何より貴重だったと思います。「赤ちゃんはメッセージを持って生まれてくる」、まさにその通りだと思いました。

 仕事についても、在宅勤務を実現するために、学費等ものすごい投資をしてやっと軌道に乗ったところでしたが、今は悔いなく赤ちゃんと向き合って過ごすことができます。娘との生活のスタートを、心豊かに切ることができれば、きっといつか、娘の自立とともに私の新しい生活も自然に始まることを信じています。


妊娠・出産、母乳ワード101妊娠・出産・産後ワード101
安産と楽しいマタニティライフに役立つ101用語を解説。 監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長





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