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お産のための中医学_漢方薬






妊娠中や産後、授乳中に役立つ漢方薬は多いもの。産科で出番の多い生薬・漢方薬、日本と中国での使われ方の違い、セルフケアに用いるときの注意点などに ついて紹介します。

その1 当帰(とうき)と黄耆(おうぎ)

 ・当帰は、女性に必要な「血」を補う
 ・エネルギーである「気」を補う黄耆
その2 半夏(はんげ) ※Coming Soon!

 ・半夏には毒がある?
 ・日本と中国の違い
 ・つわりに「半夏瀉心湯」を使っても大丈夫?




「血」を補う生薬の代表格、「当帰」

当帰はセリ科の植物で、生薬としては根が使われます。血(けつ)の不足があるときに用いる「補血(ほけつ)」の薬の代表格です。温性(おんせい)の薬で、妊娠中や産後ばかりではなく、月経のトラブルや更年期障害など、婦人科ではもっとも出番の多い生薬といえます。

当帰が含まれた漢方薬で、日本で有名なのは「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」。当帰のほか、ビャクシャク、ブクリョウ、ビャクジュツ、タクシャなどの生薬が含まれていて、血を補う作用と、水分代謝をよくする作用があります。とても穏やかな薬です。

「帰脾湯(きひとう)」にも当帰が含まれています。帰脾湯は、気(き)と血を補う漢方薬で、黄耆や竜眼肉(りゅうがんにく)、ナツメの一種である酸棗仁(さんそうにん)なども入っています。保険の効く漢方薬ではありませんが、当帰の含有量の多い漢方薬として、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」という製剤もあります。

ちなみに、帰脾湯に入っている「竜眼肉」は、ライチに似た果物で、北京などではドライフルーツとしてスーパーなどにも売られています。これがとっても美味!!「酸棗仁」も、ちょっと酸っぱいナツメという感じで、なかなかおいしいのです。こんな食材が、日本でも簡単に入るようになるといいですね♪



「気」を補う作用にすぐれた黄耆(おうぎ)

黄耆は、マメ科の植物で、こちらも薬としては根の部分を使います。黄耆も温性で、補気薬の代表格です。疲れやすく元気がない、冷えやすい、汗をかきやすい、風邪をひきやすいなど、気の不足からくる症状に幅広く用いられます。「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や帰脾湯など、日本でよく用いられる薬にも含まれています。

中国では、根だけでなく、葉や花も含まれた黄耆茶というものをよく見かけます。黄耆には、補気作用のひとつとして、外敵から体を守る作用があり、風邪や花粉症の予防にも効果があるといわれています。



使用上の注意

当帰や黄耆は、漢方生薬の取り扱いをしている薬局で手に入れることができます。ただし、注意して欲しいことがあります。
当帰も黄耆も、中国では薬膳材料として気軽に使われていますが、日本の薬事法下では「医薬品」なのです。

助産師さんが妊婦さんに薦めるときなどは、その点に十分ご注意ください。

お産のための中医学
Traditional Chinese Medicine&Birth

by 高島系子(たかしま・けいこ)

中医学ライター。10年以上にわたり、国内 外で中医学に関する取材を続け、女性誌・専門誌等に執筆。99年に「妊娠・出産に関わる人々と中医学をつなげる活動(TCM+Bプロジェクト)」をスタート、マタニティケアを得意とする中医師、鍼灸師、薬剤師のネットワー ク作りを行っている。

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