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掲載:2007年9月1日〜2007年11月3日
きくちさかえ

きくちさかえ
マタニティ・コーディネーター
日本マタニティ・ヨーガ協会会員


 「出産は自然なもの」と頭で理解していても、ほとんどの人が病院で診察を受け、病院で出産します。「自然出産」という言葉で表現される分娩方法でも、妊娠中に20回以上健診を受け、施設によっては出産のとき陣痛促進剤や浣腸、剃毛、点滴、分娩監視装置の装着、分娩台での仰向け姿勢の固定、会陰切開など、さまざまな医療的処置が一般的に行なわれています。

 「出産はこりごり」「ぜんぜんいいイメージがない」という体験者の言葉を聞いたことがある人もいると思います。痛みだけでなく、陣痛室で孤独だったり、医療者のサポートをうまく受けられなかったりすることが、こうした体験者の声となり、出産のイメージにつながっています。
 一方で、「とてもいい体験だった」「出産で自信がついた」という人たちの声もあります。その違いはどこにあるのでしょうか。

 出産をよりよい体験にするために、妊娠中に準備することがポイントになってきます。まず、病院によって出産方法や、医療的対応が違うということを知っておく必要があります。病院は外観やサービス、入院中の食事などそれぞれに特徴がありますが、医療的な考え方や医療的ケアサポートの質にも大きな違いがあります。帝王切開率や医療の処置の割合も違います。こうした医療的違いはなかなかわかりにくいのですが、積極的に医療者に聞いていくことで知ることができます。

マタニティクラス
 よい医療を行なっている施設を見極めること、コミュニケーションできる医療者をみつけることは、産院選びの決め手になります。
 病院を選ぶことと同時に、出産のしくみを理解し、不安をとっておくことも大切です。不安は、助産師やコーディネーターなどの専門家に相談することができますし、仲間をみつけて楽しく情報交換をすることで解消していくことは多いものです。

 もうひとつぜひ準備しておきたいのは、妊娠中のからだづくりです。「出産は自然なことだから、とくに準備しなくても産める」と考えている方も多いのですが、実はかなり体力を要するからだの仕事です。昔の女性たちは妊娠中よくからだを動かしていましたし、今のようにグルメでもありませんでした。そうした時代には、出産は今より容易かったと言われています。さらに昔は若くして何人も出産していました。現代の妊婦は運動不足ぎみで、グルメです。冷えている方がたくさんいます。高齢出産はあたりまえの時代です。何も準備しないで、するっと自然に簡単に産むことができる人はむしろ少数派と言えるかもしれません。
 出産は、だれでもない「自分のからだ」が産むことです。以前にも増して、からだを出産に向けて整えていくことが必要です。

 マタニティ・クラスは、そうした出産に向けて準備するノウハウをお伝えしています。自分に合った施設と出産方法を選んで、納得できる出産に向けてからだを準備していくこと。それが安産に向けてのポイントです。

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マタニティ・クラスについて
マタニティ・クラスは、出産を準備する妊婦とその家族のためのセミナーです。出産する施設やお産の方法のいくつかの選択肢を紹介し、自分らしい出産を選ぶ手助けをしてくれます。もちろんお産のしくみや、妊娠中のからだのことなど、適格な情報を提供してくれ、講師たちは具体的な質問や不安にも気軽に答えてくれます。

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