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ロハスな台所 TOP

ロハスな生活・新しい発想の提案」では、「地球」と「わたし」の双方にやさしい本当の快適性を探りながら、次世代につたえたい新しい価値観「ロハス」を実践する様々な工夫やアイデアを紹介します。

[対談]中村幸代 vs 上田昌文
 「地球とわたしの快適性」1

人は、地球というエネルギー回路のなかの
 “通過点

・本当の節約って何だろう
・ずっと循環する、継続してゆけるものは
 土に還るものと再生できるエネルギー
・ロハスなセンスがちりばめられた伝統的な日本の生活
・「ロハスな台所」連載を終えてbabycom


アンケート結果掲載
「オール電化住宅は、地球にやさしい?」







「地球、自然、命ってすごい!という感動。そしてそれを守りたいという思いを音楽にこめて伝えたい」と語る音楽家の中村幸代さん。
「地球規模で起きている環境破壊の問題を、遠目で眺めるのではなく自分に一歩でもひきつけて考える。そのきっかけになるような情報を発信したい」という市民科学研究室・主宰の上田昌文さん。
活動の内容は大きく異なるけれど、見つめる先はどちらも同じであるそんなお二人に、地球環境について思うことを語り合って頂きました。

環境のこと、子育てのこと、自分たちにできること…楽しく続けられるロハスな生活のありかたが、そこから見えてきました。

中村幸代 上田昌文 babycom

photo by yukiyo nakamura




























地球やそこにつながる命のことを考えると、いつも感動する気持ちが持てる。それが私の音楽活動の原動力になっているわけですが、同時に地球が悲鳴をあげている事実も心を大きく占めています。「自然はすごい!」という気持ちと、その自然が失われてゆくことに対する「どうしよう?」という危機感を同時に持っているんです。

そのきっかけは、以前にもお話しましたソロモン諸島を訪れたとき(「人と自然と音楽と…」)でした。そこでは、手つかずの自然の美しさと、それがゴミで損なわれてゆく風景の両方を目の当たりにしました。
それ以来、環境破壊のことが常々気になるようになってはいるけれど、実際に他の地域で起こっている地球に大きく影響する環境問題や、本当にそれを食い止めるための有効な対策などは、きちんと把握していないような気がするんです。

森林の激減や温暖化など、地球規模で起こっている環境破壊のニュースをみていると漠然とした不安を感じるけど、なかなか自分の問題として肌で感じにくいということはありますよね。だから環境破壊は気になるけど自分でどうかしよう、という行動に結びつきにくい。

そうなんです。わたしもロハスという考えに出会う前は、私個人がどうしようとこの状況は変わらないのかもしれない、というあきらめた気持ちを持っていたこともありました。エコロジーというストイックな考えは、私にとってはとても重く感じられるものだったこともあり…。
今日は環境問題について詳しい上田さんにお会いできたので、そういった常々抱えていた疑問や不安なことをたくさん質問しよう!と思ってきました(笑)。

なるほどなるほど、お任せください(笑)。
では最初に、地球規模で行われている対策についてお話して、徐々に家庭レベルに視点を絞ってゆくようにしましょうか。

世界規模で環境問題への取り組みが具体化したのは1980年代からだと思われます。それをさかのぼる1972年に世界初の環境問題の国際会議である「国連人間環境会議」が開かれ、"かけがえのない地球(Only One Earth)"というスローガンが掲げられました。
ローマクラブによるレポート『成長の限界』が発表されたのも同じ年です。1992年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議」(通称「リオ地球環境サミット」)が開かれ、「持続可能な発展 (Sustainable Developmennt)」がキーワードになりました。

最近のことで印象に残っているのは1997年の地球温暖化防止会議(通称「COP3」)でしょう。先進国各国の温室効果ガスの排出量削減のため、具体的な目標数値を立てて取り組むことを義務づけたものでした。

京都の会議では、アメリカが賛同しなかったということがとても印象に残りましたが…

アメリカの産業のシェアを大きく占めるのは石油や自動車など。それらの消費を抑えようという動きは、自分たちにとって非常にマイナスだと考えているからですね。でもね、そうした考えを続けているとおかしなことが起こってくることになると思いますよ。
たとえば、アメリカ式の大規模農業にしても、いつまで続けてゆけるか。大量の農薬、化学肥料を散布して、土地はどんどん疲弊してゆくでしょう。さらにアメリカでは大豆の80%以上、トウモロコシの40%以上が遺伝子組み換え作物になっていいますが、もし仮に人間や環境に対して何かよくないことが起こるとわかれば、それを変えざるを得ない。そういう意味で、非常にあやうい立場にあると言えるわけです。

自然を収奪してなされる大量生産、生態系をかく乱する人工物の氾濫、そして廃棄物などのツケを自然にまわすような大量消費といったやり方は、めぐりめぐって自分の首を絞めることにつながるわけですから。


















規模が大きいだけに、その影響は世界に巡ってくるのでしょうね。アメリカの問題は、世界の問題につながるのではないですか?

そのとおりです。たとえば、遺伝子組み換え食品のことでもそう。日本で売られているサラダ油の大半はアメリカ産の大豆を原料にしています。そしてまた、油を絞ったあとの大豆の搾りカスは、日本国内の飼料として畜産にも使われている。

私たちは知らず知らずのうちに、遺伝仕組み組み換え食品を摂取しているわけです。

それは見えない問題ですね!


そこが環境問題のコワイところ。経済のグローバル化がすすめばすすむほど、私たちの手にしているモノの由来がつかみにくくなる。そのモノが出来上がり自分のところに届くまでに、どれだけのエネルギーや水などが使われているかは、もう直感ではとらえられなくなっている。自分の問題が世界につながっているのに、それが見えないのです。





先ほど、個人レベルの対策は環境問題の解決に結びつかない、という話がありましたよね。でもそれは大きな誤解。私は「個人の選択が社会へ跳ね返る」と考えていま す。

たとえば遺伝子組み換え大豆を使ったサラダ油を選ばない。国内産の無農薬の大豆を使っている油を選べばいい。モノによっては表示が必ずしも正確に現実を反映していないこともありますが、少なくとも環境にも負荷が小さくて人体にもより安全な品を意識的に選ぶことはできるでしょう。それもひとつのエコロジー運動でしょう。

今、環境をよくしようという技術もどんどん生まれています。環境配慮型の企業もたくさんある。そうした企業に賛同する。そこへお金を落とす。するとその企業はどんどん元気になりますよね。すると社会全体が環境配慮型へ動きます。

少しでも環境にやさしいほうを選ぶ、というのは中村さんも実践しているロハス的な発想ですね。

環境にも自分にもやさしく、というものですよね。ストイックな印象があって犬猿されがちな「エコロジー」も、もともとはギリシャ語で「オイコスoikos=家、生活の場」という意味なんですよ。
19世紀半ばくらいから、生物と環境の相互作用や生物集団どうしの相互作用を研究する学問(「エコロジー=生態学」)が出来上がってきたのですが、その学問ジャンルを指す「エコロジー」という言葉が、次第に、人間が環境を守り自然との共存をはかる文化や思想や運動など全般的な営みに対して用いられるようになったのです。

もともとは家計や家庭のエネルギーを考えるものでもあったんですね!
今まではエネルギーの問題を考えて世界に目を転じると、水の汚染、空気の汚染…問題が大きすぎて暗い気持ちになってしまいがちだったのですが…

いきなり大きな問題を自分の生きている間に解決しなくちゃいけない、と考えると辛くなると思うんです。かえってもういいや、とあきらめた気持ちにもなってしまうかもしれない。だから、生活のなかでどうやったら面白く賢く環境に配慮してゆけるかを考えるといいと思うんです。
それをうまく表した言葉が「ロハス」なのかもしれません。


>>次のページへ続く「地球とわたしの快適性」2

 「"思い込みエネルギー消費"のらせんから抜け出してみよう!」



中村 幸代さんプロフィール: 作曲家/音楽プロデューサー

1967年生まれ。17歳から作曲をはじめ、1989年「YUKIYO」でアルバムデビュー。以後、数々のドラマやスペシャル番組の音楽プロデュースを手掛ける。 代表作は「長野オリンピック表彰テーマ」「金曜日の恋人たちへ」「はみだし刑事」など。

上田昌文さんプロフィール:NPO「市民科学研究室」代表

科学技術に関連するさまざまな社会問題に注目して、多くの専門家やグループと連携しながら市民が必要としている研究、調査をすすめている。大阪出身。大学では生物学を専攻(分子遺伝学、発生生物学)。英語を使った仕事(教育や翻訳)も多い。




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