基礎体温を楽しんでつけてみよう
基礎体温というと、妊娠を確認するため、あるいは避妊のために測るものだと思っていませんか?
そのせいか、プレマタニティの中でも、基礎体温表をきっちりつけている人は意外に少ないようです。毎朝同じ時間に体温計を口に入れて測るというのは、確かにちょっと面倒かもしれませんが、ホルモンという得体のしれないものの働きが、具体的な数値で表されていく…というのは、考えようによってはとてもおもしろいこと。
また、続けて測っていると、「お酒を飲んだ翌朝は、体温が高くなる」なんてことも分かり、案外楽しいものです。そして何より、異常を早く発見できるというメリットがあります。
正常な基礎体温とは
上のグラフのように、卵胞期である低温期が約2週間、排卵をはさんで黄体期高温期が2週間。このように、低温と高温がはっきりしているのが、正常な基礎体温だと言われています。
でも、現実に測ったときには、必ずしもここまできれいな線が描かれるわけではありません。寝る時間が遅くなったとか、前の日にニンニクをたくさん食べたとか、測る時間がずれたといったことでも、体温は微妙に上下するものなのです。排卵日にしても、教科書通りに陥落するケースは案外少ないと言われるほど。
ただし、全く二層になっていなかったり、高温期が毎月短い場合などは、月経障害の可能性がありますので、一度専門家のチェックを受けたほうがいいでしょう。
体の中で起こっていること
では、低温期〜排卵〜高温期というサイクルの中で、体の中ではどんな変化が起こっているのでしょうか。
まず、低温期。卵巣にある原始卵胞が成長していく時期です。卵胞が成熟するまでの日数は約14日ですが、個人差も大きく、長い人では25日くらいかかる場合もあります。
そして、成熟した卵胞が卵子を放出されるのが、「
排卵」です。卵子は、約24時間の間、精子と出会いを待ち、寿命を終えます。
いっぽう、卵子が放出されて抜け殻となった卵胞は、脂肪の塊のような「黄体」という細胞になります。ここから分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)には、“赤ちゃんのベッド”である子宮内膜を厚くして、着床に備えるという働きがあります。この時期、基礎体温上では体温が上がり、妊娠した場合には高温期がそのまま続くことになります。妊娠しなかったときには、黄体はだんだん委縮し、必要のなくなった子宮内膜がはがれ落ちます。これが月経です。
このように、女性の体は、「子どもを作る、作らない」という意志とはかかわりなく、妊娠に備えた作業を初潮から閉経まで1ヶ月単位で繰り返しているのです。よく考えてみると、すばらしくもあり、恐ろしくもあり…。
排卵日をチェックする方法
さて、プレマタニティにとって、排卵日は特別な意味を持つもの。基礎体温以外にも、排卵日をチェックする方法を知りたいと思う人も多いことでしょう。
そのひとつが、
子宮頚管粘液で知る方法です。気づいている人もいるかもしれませんが、排卵が近づくと、おりものが粘り気を帯びるようになります。よく分からないという人は、子宮口付近まで指を挿入して粘液をとり、指で伸ばしてみてください。いつもはサラサラしている粘液が2本の指にくっつくように伸びたら、排卵が近い証拠です。
また、最近では排卵検査薬なるものも販売されています。かなり高価なのが難点ですが、いざというときのために知っておくと便利かもしれません。もっときちんと排卵日を知りたい向きには、やはり婦人科で卵胞の成長具合を測定してもらうのが確実。でも、やはり「排卵が近づくと、性欲が増す」「ちょっとおなかが張った感じになる」といった野性的な勘も忘れずにいたいものです。