_不妊について


不妊アンケート報告実施:1997
 ●一般の方からのご意見
  ........... A.現在、不妊治療をおこなっていらっしゃる方
  ........... B.過去に不妊治療をおこなっていらした方

 ●医療者の方のご意見と参考資料


医療者の方のご意見


助産婦:桑原美由紀さん

アンケート内容
 1.不妊の検査、治療を受けた患者さんたちの、具体的な症例を教えてください。
  そのような方がいらっしゃいますか。
 2.そうした方々は、どのような悩みや問題をかかえていますか。
 3.そうした方々に、どのようなケアをしていますか。
 4.不妊治療を受けた方々と実際に接していて、治療のメリット、デメリットをどうお考えですか。
 5.そのほか、なんでも、ご意見をお聞かせください。


1.具体的な症例について
私が勤務していた国立病院では、不妊外来なるものがあって毎日かなりの患者さん が来られていました。 不妊外来でも一般不妊、特殊不妊に分かれています。 一般不妊では薬物療法(いわゆる排卵誘発剤の使用しながら通水検査等を行う)、AI H(AIDは行っておりません)を行っています。 特殊不妊とはIVF-ET(体外受精-胚移植)、凍結胚移植、顕微受精を行う方が受診さ れます。
また、IVF-ET、凍結胚移植、顕微受精を行うときは入院していただいていました。

2、3.悩みや問題、ケアについて
とても痛いところですが、はっきり言って不妊の患者さんに深く接する機会がほとんどありませんでした。 外来ではとても多くの患者さんが来られていますから業務に 追われて、注射をするときに一言二言交わすのが精一杯で、ひどければ名前の確認だ けで終わることもあります。病棟に入院されても、入院期間は短く特に症状、処置等 がなければケア(看護)と呼べるようなものはありません。当然外来にも病棟にも不 妊患者に対するケアのマニュアルがあります。患者さんのプライバシーを十分に保護 し、検査・処置等の苦痛を軽減するといったものは・・・。しかし大きな病院で個室 でもなく、隣に不妊症ではないの方がいらっしゃる場所で、悩みを打ち明けることが できるでしょうか。また、看護者の中にも不妊症の方にどれほどの悩みがあるかを考 えているかどうかもわかりません。

 私が考える問題として、
(1)経済的な問題(治療によっては保険外のものもあります。):
妊娠しなかった ということは治療の失敗で、次の周期にはまた同じように治療を受けなければなりま せん。また私の勤務していた病院では外来は午前中しか受診できず、一度治療の周期 にはいると毎日のように注射に来なくてはなりません。なかなか治療と仕事の両立は 難しいようです。
(2)精神的な問題:
不妊症の患者さんの精神的なダメージに対してのケアが整って いません!!
月並みですが以上の問題点をあげます。


4.治療のメリット、デメリットについて
やはり治療を受ければ妊娠できるかも知れないということはメリットと考えるべき でしょうか。 デメリットというかやはり女性の身体を薬によってコントロールしたり、メスを入 れるのは極力避けたいものです。
それと医師はもっと治療に対してのインフォームドコンセントをとるべきだ思います


5.その他
不妊治療を受け続けると言うことは目標はあっても何時ゴールが見えるかがわかり ません。1回目の治療で妊娠できる場合もあるし、いつまでも走り続け、息切れして しまうこともあるでしょう。
たしかに不妊症の方は他の病気にくらべて自分自身の生命に直接影響を与えるもの ではありません。しかしだからといって軽視されるものではないです。衰えたり、死 にゆくものを止めるのではなく、次の生命をはぐくむための努力はとても重要だと考 えます。
しかしその次の生命のために自分自身の身体をいためたり、精神的なダメー ジを受けるのでは悲しいです。何よりも「産まない」ではなく「産めないかもしれな い」自分を自分自身で傷つけてはいけないと考えます。
 私は、治療を受けた人が妊娠・出産し育児をしていく上で治療を受けた期間を肥や しにできるように、もし妊娠できなくてもその期間が辛く厳しいものであってもその 後の人生においてのステップとなるような、不妊治療に立ち向かった自分を肯定的に 受けとめられるようケアをもっと考えていくべきだと思います。

お役に立てれば幸 いです。

桑原美由紀


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