working father 働く母親はワーキングマザー。しかし働く父親をワーキングファーザーと呼ばないのは、なぜか?
babycom Working Father では、子育てに「協力」するだけでなく、積極的に子育てしたいと考える父親を「ワーキングファーザー」と定義して、男の育児参加について考えていきたい。




   ................はじめに
   ................男性の育児

  初めての育児休暇
   ................子どもができないかも・・・
   ................出産前夜
   ................いざ!育児休暇


はじめに

はじめまして。小崎 恭弘(こざきやすひろ)です。これから何回かここに書かせてもらいます。いったいどんなことになるやら、今から楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。
内容は、父として、男性保育者として、育児休暇を取った者として等々、いろんなレアな経験を生かしてのことを書きたいと思っています。まあおおざっぱに言えば「男性の育児」についてということになります。

「育児=女性」という考えや体制は、社会に広く浸透しています。反対に「仕事=男性」という構図もやはり広く社会に浸透しています。しかしこの一見当たり前のようにとらえられている事が、なかなか「くせもの」です。ここで書くことにより、このくせものを何とかしていくことができればなぁーと思っています。皆さんの期待に添えるかどうかわかりませんが、楽しいものにしたいと考えています。

最近いろいろな機会を通じてお話をすることがありますが、参加者はほとんどの場合が女性です。僕の意見は女性には結構人気があるようです。(何せ従来の女性のしてきたことを横取りしているようなものですので)しかし男性の方からの反応はあまりありません。だからぜひここで書く内容などについて、男性の方からの意見も聞きたいと思っています。また子育てをしているしていないに関わらず、いろいろな世代の方からもご意見を伺いたいとも思っています。最初にかなり欲張って、あれもこれもリクエストを書いてしまいましたが、インターネットの威力がまだどれぼどのものか、わからないのですが楽しみにしています。おつきあいのほどよろしくお願いいたします。


男性の育児と保育について.............男性の育児


僕が保育所に異動が決まったとき、周りの多くの人から「保育所に男性がいるのは絶対にいい!がんばって」「男性らしい保育をして、新しい風を送り込んでください」などと言われました。
その時はまだ自分でもよくわからず「がんばります!」と答えていました。そして実際保育所で仕事をし始めました。そこでふと悩みました。「男性らしい保育ってなんだ?」いろんな人の意見を聞いてみるて、どうやらその正体がおぼろげながら見えて期した。
それは「ダイナミックに遊ぶ」「力一杯遊ぶ」「元気いっぱい遊ぶ」といったたぐいのものです。しかしこれがまた困りました。保育所にはたくさんのいろいろな先生がいます。(男性は僕ひとりだけです)お仕事を一緒にする中で見ていると、とてもダイナミックな方や、元気いっぱい・力いっぱい遊んでいる方も大勢おられます。僕なんかよりとても皆さんたくましい?!方々です。
別に僕が特別「ふにゃー」としているわけではありませんが。反対に、僕も保育の全ての場面においてそして常時、ダイナミックに振る舞ったり元気な対応だけで一日を過ごしているわけではありません。食事やお昼寝、ゆっくりと本を読むときなど、小さな声を心がけたり、優しい動作を心がけています。
そうすると「男性らしい保育」あるいは「男らしさ」という事自体が、なにやら怪しいものになってきました。

このことは保育だけにとどまらず、普通の育児についても同じ事がいえます。つまり「育児は女性がするもの」あるいは「育児は女性じゃないとできない」などといった、現在割と当たり前にとらえられているこの考えも、突き詰めて考えていくと、結構怪しいものになるような気がします。
ちなみにうちの家の場合、育児は父親あるいは母親どちらがしても、そんなに大きな違いはないように思います。育児・保育共に男性ができないことはほとんどありません。母乳を乳首からあげられないぐらいかな?
「男性に育児ができない」という合理的な根拠は全くありません。僕が実証済みです。それより「できない」あるいは「してはいけない」というように思いこんだり、当たり前に考えてしまっていることの方が問題なのです。
これがなぜ問題であるかと言うことを、ぜひこれから考えていきたいと思っています。


育児ってとても楽しい

育児ってとても楽しいものです。
小さな命が、人と関わる中で確実に成長し変化を遂げる。この過程を目の当たりにし、また実感し、そして共感していくこと。この体験は育児を通じてでなければ、理解できないかけがえのないものです。
僕はこの体験を通じて、いろんな事を学びました。

そして感じたことは「こんなにすてきなことを独り占めしていた女性はずるい」そして「こんなすてきな体験の場を放棄してきた男性はもったいない」というものでした。

現在の育児の状況はあまりに女性に偏ったものです。
偏りが大きすぎて負担になり、育児をゆっくり味わったり、楽しんだりする余裕がないのが現状でしょう。またひとりがしている育児では、どんなすてきな出来事があっても、お父さんといっしょに共感したり感動を分かち合うことはできないでしょう。これはお父さんや家族にとっても、大変残念なことです。

育児というのは多くの部分でとても、意義深いものであり、また楽しいものでもあります。また家族が形だけや形式だけの家族ではなく、お互いを理解し慈しみあえる真の家族として、成長していく過程に必ず必要なものであると思います。
育児の意義がもっと見直され、そしてそこに家族の一員として、当然のごとくお父さんが参加するべきだと思います。

(小崎 恭弘)






Contents Copyright(C)2000 babycom