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橋本議員の産後復帰について思うこと(WMフォーラムより)

私は橋本聖子さんの妊娠・出産・産休など以前からとても興味深く見ておりました。先日産後1週間で国会に復帰されたニュースを耳にし、驚いたと同時に残念な気分でした。助産婦という職業柄、特に無念です。
橋本さんが、産休を取られ、ゆっくりと自分の体を養生し、赤ちゃんとのふれあいを満喫され元気に復帰されることを、多くの日本の女性は望んでいました。また、国会議員の多くの男性も賛否を取りながら、産休を認めてエールを送られたこと・・・なぜ生かさなかったのでしょうか?

確かに橋本さんは元オリンピックで活躍され、体力的にも精神的にも強いお方でありますが、産後の女性の体の意味することはどうも理解されていなかったのでしょうか。それとも、お産よりも国会の仕事の方が大切だったのでしょうか。それとも橋本さんご自身が推奨する男女共同参画のためでしょうか?
私は、橋本さんのお体を心配するだけでなく、今後世の男性が「なんだ、女性はお産後早く働けるじゃないか。」と勘違いされる事が心配です。産休は、お産した女性がその後また元気に働き続けることができるための女性の権利だと思います。そして将来更年期障害に悩むことなく、はつらつと過ごせる為にも、疲労の自覚がなくても休むべき期間です。そして、それは産まれてきた赤ちゃんをはじめとする家族のためなのです。なかには「そんな現実は甘くない」とか思われる人もいるでしょう。だけど、私はおかしいと思います。国会議員が、国の代表が産休制度を利用しないで、どうするのか? 国会議員だからこそ日本で認められた権利を活用すべきではないでしょうか。(それを言ったら小渕元首相もかなりハードだった。国会議員は非人間的なスケジュールをこなさないと国の為にならんのか・・・)。

助産婦として胸が痛む気持ちと2児の母親として我が子に思うようにおっぱいをあげられない切なさを思うとなんか腑に落ちない気分です。

最後に助産婦として産後なぜ休まねばならないのか・・・言わせてください。

「女性は次代を担う新しい命を身ごもりこの世に生み出す能力を自然に備えている。妊娠出産は本来病気ではない。しかし、ひとつ間違えれば母子ともに命を落としかねない。そして出産を終えた母親は(褥婦)はきちんと本来の非妊時の体に戻す必要がある。医学的にも根拠があり、そのために産後休暇は8週間になっている。出産を終えれば、もうすぐにふつうの生活が出来るわけではないのだ。(橋本さんはTVの画面からかなり青い顔をされていた。無理していたのではないかしら・・・)。10ヶ月も小さな命を宿した子宮は元に簡単に戻らない(見た目は子宮はもとに戻ったように見えるけれど)。子宮は筋肉ではあるが、10ヶ月も伸びきってしまった子宮はすぐに元の子宮には戻りにくいのである。自然に休めば(とくに母乳育児をすれば)、産後6〜8週間で子宮は元の大きさに戻るとされている。

 子宮の中は、母親と赤ちゃんをつなげていた胎盤がついていてそれがはがれたために出血する。実はこの出血が産後の子宮の戻りが悪いために、いつまでも続いてしまうと母親は仕事どころか育児や自分のことも疲れて出来なくなってくる傾向にある。(昔のひとよりも体力がない現代の女性という点は否定できないが。)さらには更年期障害につながる。

 そして産後の母親の体は子宮ばかりでなく、骨盤や靱帯も伸びたり広がったりしている。お産によって伸びた靱帯なども、これもある程度時間をかけて元に戻す必要がある。お産により骨盤が歪み、産後に無理をすると腰痛などに悩まされるのである。出産直後というのは一つの命を産み出したためにとても母親は感動かつ興奮していて眠れない。疲れを感じない気がするのはそのためである。しかし、産んだら我が子に授乳という大きな仕事が始まってくる。慣れない授乳・頻回な授乳で母親の思うようには休めないことも多い。  昔からお産をした女性が水に触るな・・・とか、床上げは21日過ぎてから・・・と言っているのは実に理にかなっていることなのだ。

 私も上の子の退院時は体中が痛くて痛くてたまらなかった。そして産後里帰りしたもののやれそうだと自分で出生届を出しに行ったりしたことがあったが、かなりしんどい思いだった。一人目の時はちょっと動きすぎてしまったのを未だに後悔している。出産後も仕事を続けるので有れば、なおさら休まなければいけないと私は思っている。

 世の男の人は大抵女性はお産がおわれば普通の生活が可能だと思っている。また初めて妊娠した女性でさえ、妊娠や出産ばかり目が行き、産後の事は耳にしないことが多い。お産して初めてお産後の大切さや大変さを痛感しているようである。ということで、なぜ産休が必要なのか・・・女性だけでなく、世の男性にも理解して頂きたい。」

 長くなり済みませんでした。

(2000.4.24/おぞねひでみさんより)


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