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赤ちゃんを産むということ -社会学からのこころみ-
桜美林大学助教授 舩橋恵子著 日本放送出版協会 830円(税込) 誰でも一度くらいは、「赤ちゃんを産む」ことについて考えたことがあると思う。「どれくらい痛いんだろう」「ラクに産む方法ってないのかな」など素朴な疑問から、「産み場所にはどんなところがあるのか」といったことまで、できれば妊娠前に知っておきたいこともけっこうある。だけど、ちょっと調べてみようかと本屋に行くと、妊娠・出産本コーナーに並ぶのは、表紙も内容もピンク色という感じの本ばかり。 胎児まで「ちゃん」づけで呼ぶ雑誌を見た日などは、「ちょっと勘弁して!」と叫びたくなる…。 そんな人に、ぜひおススメしたいのが、この「赤ちゃんを産むということ」という本。 プレマタニティだからこそ知っておきたかったこと、知っておいたほうがよいことが、実に分かりやすく、おもしろく、なおかつ冷静に書かれている。あとがきに、「本書は、女性はもちろんのことだが、男性に是非読んでいただきたいと願っている。女同士にしかわからない言葉ではなく、男性にもわかる言葉をめざしたつもりである」とあり、それが読みやすさにつながっているように思う。 出産がシステム化されてしまった背景や、現代医療の問題点を指摘し、「昔のお産は、不衛生だったかもしれないが、消毒で塗り固められた現代のお産よりも、赤ちゃんにやさしいものだったのではないかという思いがよぎる」と、施設化・医療化された出産に疑問を投げかける。しかし、個人的な主義主張を押し付けるのではなく、豊富なデータとフィールドワークをもとに淡々と話が進められるあたり、非常に好感がもてる。 94年に出版された本なので、データなどにはやや古いものもあるが、それを差し引いても読みごたえは十分。残念なことに、現在出版社では品切れとのことだが、図書館ならどこでも置いてあるようなので、機会があったらぜひチェックしてみて欲しい。 |
