ハマウリ

3月の沖縄は水温む季節。海辺には夏のような日ざしが戻り、人々の足は自然に海に向かいます。このシーズンの大潮の日に、「浜ウリ」という行事が行なわれています。

「浜ウリ」は、沖縄に古くから伝わる女性のためのお祭り。
女性たちが浜辺に集い、波打ち際に足を浸して、1年の厄を落とす儀式を行ないます。女性たちは、重箱にちらし寿司や3月ぐわーしーという沖縄のお菓子をつめて浜に出でます。この日ばかりは、家の仕事をせずにゆったりと楽しむのだとか。
与論島でははじめてこの日を迎える子どもに海の潮をかけたりかごの持ち初めもさせます。また、徳之島では新生児の額を塩でぬらし、白砂を踏ませそこでその夜は泊まる、こんな習わしがあります。

子どもたちもいっしょに浜に出て、気分はすっかりビーチパーティです。砂遊びをしたり、岩場ではアーサーと呼ばれる岩のり摘みをしたり。アーサーは、味噌汁に入れるとふんわり海の香りがただよう緑色の海草です。

生物を生み育んだ母、海。その海を目の前に、すみきった空の下、白砂とたわむれ、リフレッシュする......母として女性としての旅立ちのための一時、それがハマウリという行事の持つ役割なのかもしれません。

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