ろけっとこざる
H.A.レイ/文・絵 光吉夏弥/訳 岩波書店 ¥713-
静かだなあと思ったら、
壁にバンソウコウ一箱分貼り続けていた息子。
何て言いわけするんだろうと思ったら、
「壁から血が出てたんだって。」
・・・ホラー映画じゃあるまいし。
おさるのジョージが紙に何か書こうと思ったら、
ペンのインクが切れていて、
じょうごを使って入れようとしたら
床にインクが池のよう。
きれいにしようと、石けんをざあっとかけて、
庭からホースを引っ張ってきて・・・
部屋の中は、ぶくぶくざあざあ。
これは大変、どこからかポンプを借りなくちゃ。
(このいきさつはまだまだ続く)
子どものまわりには、こんなことがよくおこる。
そして、ジョージの真剣な顔を見て、
小さな子どものどんないたずらも、
悪気はないんだなあ・・・ってことに気付くのだ。
マンションに落書きしたり、
パズルを食べちゃったり、
配達中の新聞を船にして川に流したり。
ジョージシリーズのお話には決まって、
悪気のないジョージのいたずらが。
いたずらした日の夜、
なぜかジョージの絵本を「読んで」と持ってくる息子。
彼の心がジョージとシンクロしているようで、
私は内心、どうしようもなく笑ってしまうのだ。
(文;森 ひろえ)