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くだもの
久しぶりに、息子を産んだ助産所に遊びに行ったら、 テーブルの上に、たくさんのリンゴがごろごろごろ・・・。

「ちょうど休憩だったんよ。
食べていきなー」という声に、 ありがたくおいしいリンゴをごちそうになった。

なじみの助産師さんの中のひとりが、 「なあ、このリンゴ、おいしいやろ? 何でやと思う?」 「何でって・・・・?」 「先生が皮むいてくれる果物ってなあ、何でかしらんけど、おいしいのー。  なんでかなあって、ずーっと思ってたんよ。不思議やわあ・・・」 先生というのは、そこの91歳、現役助産師さんのこと。
・・・何で?
私はりんごをかじりながら、考えた。

赤いりんごを手のひらにのせる。
おひさまの光と、命の水をいただいて、大きくつやつやに育ったりんご。
それをまな板の上に置き、果物ナイフを入れると、 じゅくっ・・・っと、みずみずしい音がする。 次に、このりんごを食べる人の顔を思い浮かべる。 休憩中の助産師さんたち、産後のホヤホヤおかあさん、 お見舞いに来た家族たち、小さなお兄ちゃんにお姉ちゃん・・・。 その人が食べよいように、心をこめて切り、皮をむく

そんなくだものたちが、丸々としたままで、 その次は「食べよいように」切られた姿で、絵本の中に表れる。 むいた人の手が、「さあ、どうぞ」とあたたかく添えられて。

子どもたちは思わず手を差しのべ、あんぐりと口を開けるのだ。
絵本のぶどうをつまみ、桃やりんごを刺したフォークを受け取り、 「むしゃむしゃ! ごっくん!」と呑みこんで、満足そうにため息をつく。

夏、義母の畑から採れた大きなスイカを持って行くと、 「おおーおおー!」と、先生が嬉しそうに大きな手でさすりながら、 「あれあれえ、こーんに大きくなってえ。おいしそうになってえ」 ・・・これじゃあスイカも冷や汗もの。
こんなにやさしく撫でられ、期待を込められたら、おいしくならずにはいられない。 スイカを撫でるその手を見て、 私は自分のおなかを撫でてくれた先生の手の感触を思い出した。
「おお! 元気に動いとるわ。ちゃーんと元気に大きくなって、ええ子やなあ」

まほうの手になでられたくだものは、さらにおいしくなろうとし、 やさしく撫でられたおなかの赤ちゃんは、 「ええ子で」生まれようとするのかな。

(文;森 ひろえ)

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