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ルラルさんのにわ
私の人生、はじめての大切な庭。
春になり、球根の芽がやっと土からのぞいたと思ったら、それを残らず踏みつぶした当時2歳の息子。
私は息子をつまみあげ、離れの部屋に閉じこめた。

数分後、難なく出てきた息子は、なぜ母の機嫌が悪いのかわからず、キョトンとした様子。

  ルラルさんのじまんは、芝生の大きな庭。
  毎日手入れを怠らず、侵入しようとする動物達は、
  得意のパチンコで追い払う。

やわらかい草がいっぱいの、空き地を散歩していた当時4歳の息子。「こんなとこにあったんだね。ルラルさんの庭が。」そういえば空き地のまん中に、一本の大きな丸太。それが絵本のように、ホントに口を開けたワニに見えたものだから、「ちょっと近くまで行ってみる?」と問いかけると、息子は困った顔で、絵本の中のことばを言うのだ。「でも、ワニがおこってかみついたらどうしましょう。」・・・それは大変。なんだか“ぞわっ”と怖くなったらしい息子は、私の手を急いで引いて、さっさとその場を立ち去った。

 「なあ、おっちゃん、ここにねそべってみなよ。
  きもちいいぜ。
  しばふが おなかをちくちくするのが たまらないよ。」
  怖さのあまり、ワニの言うまま芝生に寝そべったルラルさんは、あまりのきもちのよさに、うっとり・・・。

ほったらかしのうちの庭に、突然芝生が広がり始め、いつの間にか、2人でピクニックができる程の広さになった。そこへひらひらと遊びにくるチョウチョ。息子はおにぎりを食べながら、虫や鳥たちに話しかける。
「ゆっくりしていきなよ。」
「キリンとか、ゾウとか、アヒルとかも来たらいいのにね。」
「ああ、ルラルさんの庭の、最後んとこみたいにね。」

この小さな庭に、動物たちがうっとりと寝そべっている情景を想像して、笑いが止まらなくなる私たち。そして、動物たちに囲まれているルラルさんの笑顔は、自分と重なっているようで、私は思わず苦笑してしまうのだ。

(文;森 ひろえ)

ルラルさんのにわ


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