高齢出産

平均初婚年齢があがったこと、結婚しても仕事を続ける女性が増えたことなどで、高齢出産のパーセンテージは年々高くなっています。ともするとリスクばかりが強調されがちですが、高齢出産でなければ得られない喜びやメリットもたくさんあるはず。
babycomでは、みなさまの声をもとに、今までとはちょっと角度を変えて、喜びや満足度にスポットをあて高齢出産をとらえてみたいと考えています。

高齢出産VOICEバックナンバー


37歳で8歳年上の主人と結婚し、一年後に待望の男の子を出産しました。
長男の時は、子どもが早く欲しかったので、授かった時は大きな喜びと感動があったのに、今回の妊娠は予期していなかったこともあり、ちょっと戸惑っています。

長男に兄弟を作るか、一人っ子でもいいのかなあという両方の思いがいつもあり、ふんぎりがつかないままこの4年間を過ごしてきました。一番大きな要因は経済的なこと。長男が13歳、産まれてくる子が10歳になれば主人は定年を迎えます。一番お金のかかる時に退職してしまうので、その先の経済的な基盤が弱くなってしまうのは、大変だと思います。(今、私の給料のほとんどを定年後の生活費に当てるためにも自分の分は貯蓄にまわしているのですが)

それに今の職場環境では遠距離通勤となり、長男の保育園の開園時間より、 両親の出勤時間の方が早いので、保育園の朝の送迎を近所の70代のおばあちゃんにお願いしているような現状であり、この先下の子までもお願いするようなことになれば、預かる方の負担も大きくなるし、学校のことを考えても、子供より親の方が早く家を出てしまうのは子どもにとっても可愛そうな面もあって、やはり今の職場で仕事を続けていくことは難しいし、転職するにしてもはたして条件のよい仕事が見つかるかという不安もあります。

また、職場の20代の同僚が第2子を出産したばかりで、産休、育休分の仕事量が私にかかってきており、その上私までもが妊娠したとなれば、仕事の割り振りのことも考えなければならないでしょう。職場の同僚の中には、高齢出産に対する偏見も根強く、独身の他の同僚に向かって、「40過ぎて子どもを産むと子宮が腐れてダウン症のような子どもが産まれると悪いから、早く結婚して子どもを産みなさい。」と、差別的な言葉を平気で口にしたり、「40過ぎてからできた子はかわいそうだ。みんなから親が年を取っていると馬鹿にされる。」などという人もいます。
20代や30代の人には、「次の子はまだ?早く作った方がいいよ。」なんて冗談交じりにアドバイスしてくださる子育て経験者も、私にはそんなことを言うこともなく(40過ぎたら出産なんかしないもんだと思われているようだ)、どうしても高齢出産に対してもの珍しさや偏見が先にたち、自分自身日ごろそういう会話を耳にしているだけに、なかなか妊娠したことを言い出せずに現在にいたっているのです。(まだ妊娠8週目でお腹がめだたないということもありますが...)

でもせっかく授かった命を大切にしなければ。長い目でみれば、長男にとっても兄弟がいるということは、彼の人生の中においても心強いものになることでしょう。周りの偏見なんかに負けないで理解しあえる人たちとのつながりを大切にしていきたいと思います。
そのうち産んでよかったと思えるようになれればよいのですが、今はまだ複雑な心境です。

(2001.9/E.Mさん より)



妊娠・出産、母乳ワード101妊娠・出産・産後ワード101
安産と楽しいマタニティライフに役立つ101用語を解説しました。
監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長


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