babycom 親と子どもの本棚

親子でいっしょに楽しめる絵本、想像力を高める絵本、読み聞かせ本など、いつまでもこころに残る本をセレクト。

babycom ehon collection

】【】【】【】【】【
】【】【

てん(THE DOT)
「てん」・・・絵をほめる、ということ

幼稚園児の「母の日の絵コンテスト」などで、 なぜなのか・・・同じ幼稚園は同じような絵が並ぶことがある。 同じ顔の大きさだったり、同じ口の開け方だったり。 “のびのびとして絵を描く子どもたち”が売りらしい幼稚園では、 みんなのびのびと、同じような絵を描く。


小学校の校庭で絵の授業をみたことがある。
先生が「もうっ ちょっと筆貸して!!」と、生徒の筆を奪って描いていた。 “うまい”絵は、習えばあるレベルまでは描けるようになるだろけど、 ・・・あの先生は一体何を大切にしているんだろう。

私が小学生の時、山の絵を描いていたら、先生がこう言った。 「先に黄色を塗って、上に緑を重ねて塗ったら上手に描けるよ。」 私はそう描きたくなかったので一度無視。 でも、また同じことを繰り返すので、その通りに描いてみた。 すると先生は私の絵をクラスのみんなに見せて、 「この絵はなかなかうまい。特に山の木の色がいい。」 とほめたのだ。
私は後でその絵を破り捨てた。
何故、あの絵を二度と見たくないと思ったのか、今なら言える。

絵は・・・特に子ども時代の絵は、評価できるものではないと思う。 決められた時間の中でできるものでもない。 せめて小学生位までは、ただ創ることを楽しむ体験を重ねられたらと思う。 もし学校でできないのなら、その他のどこかで。

息子の幼稚園時代に描いた絵の下に、えんぴつで文字が書いてある。 「たこくらげさんは きれいなうみが すきなんだよ」 その急いで書いた小さな丸い文字を見ると、 先生が子どもたちの描く世界を大切に思い、 親である私たちに伝えようとした心遣いを感じ、今でも心があったかくなる。
大袈裟な言葉はいらない。
“お、この絵はすごい”とか“この絵好き”なんて気持ちは、 表情だけで充分伝わる。
ただ心がそばにいて、時々視線を送ったり、さりげなく新しい紙を用意したり、 “ほめる”のは、言葉だけじゃない。

この絵本「てん」に出てくる先生も、一言もほめことばを言ったわけじゃない。 それなのに、どうして子どもの力を引き出せたのでしょう。

(文;森 ひろえ)

てん(THE DOT)


親と子どもの本棚 INDEX

ファーストブック選び 5つのポイント

おはようからおやすみまでの本

食いしんぼうのための本

地球を感じる絵本

babycomセレクト絵本一覧


babycom おすすめ記事
babycom Site
保育園情報-babycombabycom 保育園情報

保育園に入るために。babycomの保育園情報では、頑張っているワーキングマザーのための保育園への入園にかかわる情報を提供しています。


babycom おすすめコンテンツ

※babycom(ベビーコム)のすべての情報の無断掲載、転載は禁止いたします。Contents Copyright © babycom 1996-

TOP▲