タイニィ・トゥインクルのふしぎなともだち
なぎ・ともこ/作 伊藤正道/絵 BL出版 ¥1,404-
毎年12月になると、何となくいつもより良い子になる息子に威力を与えているのは、毎年窓辺につるされる「サンタ・ボックス」。
クリスマスのチラシについてたリースやサンタ、雪だるまの写真を青い空き箱に貼っただけのものだけど・・・。
それは息子の2歳のクリスマスの頃に始まった。クリスマスケーキのついたチラシを手でびりびりにちぎり、サンタボックスの中に入れておいたら、次の朝、ケーキの絵を描いたカードが入ってるのを見つけ、「・・・・!」声にならない感動。遊びのつもりがいつのまにか親子で真剣になり、あの手この手を考えるのが、12月の日課になった。
折り紙を1枚入れておけば、それは次の日飛行機になっており、手作りジュースのびんは、朝空っぽになっている。まだ字の書けないの頃の、サンタとの心の文通は、息子にとって、お話の中・夢の中であるはずのものが、目の前で現実になるひとときだ。
タイニィ・トゥインクルに出てくる愉快なプレゼントの数々は、「食べてもなくならないお菓子〜? こんなのありえな〜い!」なんて笑いながらも、“これ、プレゼントでもらったら嬉しいだろうな”“今年のケーキはこんなのにしようかな”“こんなツリー、作ってみようかな”と、つい考えてしまい、いつもいつしか親子でのめり込む・・。
今年は字がたくさん書けるようになったから、サンタさんに、そのままの思いが伝わると良いね。「大人はもらえなくてかわいそうに」と言う息子。大人になれば、子どもや周りの人の楽しい笑顔があれば、他のことは、たいしたことではないと気付くのさ。
私が今年もらった一番のプレゼントは、息子が二色のモールで真剣に作ってくれた、小指サイズの小さな指輪だ。(はめると痛い)
(文;森 ひろえ)