「高齢出産のひそかな喜び-1」平均初婚年齢があがったこと、結婚しても仕事を続ける女性が増えたことなどで、高齢出産のパーセンテージは年々高くなっています。ともするとリスクばかりが強調されがちですが、高齢出産でなければ得られない喜びやメリットもたくさんあるはず。
このコーナーは、1998年babycomの特集としてスタートしました。
30代後半というと、どんな人でもそれなりの人生経験を積んできている。逆に言えば、自分の可能性や限界もそろそろ見えてくる時期なので、「新しいことを始めたい年ごろ」でもある。人生の折り返し地点を目の前にして、もう一花咲かせたい、と思うのだ。
そんな時期にタイミングよく妊娠した場合、かなり幸せに感じるのじゃないだろうか。なにせ、ひと一人育てるという壮大な目標ができたわけなのだから。どんな仕事や遊びよりやりがいを感じて当たり前、ともいえる。
そのせいか、高齢出産者は、産院選びからすでに積極的だ。せっかくだから納得のいくお産がしたいし、最初で最後のことかもしれない、という気持ちもある。そして、情報を仕入れるノウハウもきちんと持っている場合が多い。
40歳で出産したある女性は言う。「高齢というリスクがあったからこそ、10ヶ月間を大切にできたし、思う存分楽しめたんだと思う。若いときだったら、突き出たおなかがカッコ悪くていやだとか、重いから早く出しちゃいたいとか、そんなことしか考えなかったのでは」。
妊娠・出産を積極的に受け止めるのは、高齢出産者の特権というわけではないけれど、リスクを抱える分、喜びが大きいのは確かなんじゃないだろうか。
そして、出産に続く子育てにもその気持ちは反映される。旅行や夜遊びにも以前ほどの魅力は感じず、仕事にしても「私のやっていることに、どれだけの価値があるというのだろう」といった疑問を感じている矢先、天から与えられた育児時間は、まさに宝だ。
まだ遊び足りない時期の子育ては、とかく「自由になりたい」と思うものだが、高齢出産の場合、束縛されることに喜びさえ感じたりする。
もちろん、仕事にやりがいを感じ、だからこそ産む時期が遅くなってしまった人もいるので、皆が皆育児にすべてを捧げたがっているわけではない。だが、そういう人たちにしてみても、「好きな仕事もし、これからは育児も体験できる。
高齢出産ってなんて贅沢な生き方なんだろう」といった受け止め方をする人が多い。ワーキングマザーの場合、仕事と育児の両立は体力的にかなり厳しいようだが、若いころにはなかった経済力という武器があるので、ベビーシッターや託児施設を上手に利用するなどして、そのあたりをカバーしていたりする。
不妊や流産のリスクが増える、ダウン症など染色体異常の率が高くなる…など、デメリットばかりが強調されがちな高齢出産。
確かに、医学的にみれば、高齢出産に多くのリスクがあることは否めない。でも、それを承知のうえで、あえて高齢出産を選ぶ人が増えてきているのも事実。
いったいなぜなのだろう。
高齢出産組に共通しているのは、みんなとても満足げだということ。妊娠中は体や心の変化を楽しんでいるように見えるし、子育てにしても、若いお母さんより少しだけゆとりがあるように思える。
体力的には、さすがにキツいと感じる人も多いようだが、逆に「子どもからエネルギーをもらって元気になった」「ホルモン分泌が変わったせいか、前よりむしろ体調がよくなった」などという人もいる。
高齢出産という選択 INDEX
ハイリスク・ハイリターン高齢出産のひそかな喜び
..........高齢出産で、人生を二倍楽しむ
..........高齢で産むメリット
..........妊娠・出産で若返る?
..........出産と育児に必要な体力は?
..........いつ産むか、いつまで産めるか
Data & Guide データで見る高齢出産
.........35歳以上で出産する人は全体の1割
..........重症の妊娠中毒症になる率
..........帝王切開になる率
..........流産率
..........母乳育児の達成率
..........ダウン症の割合は35才から急上昇
高齢出産VOICEバックナンバー
妊娠・出産・産後ワード101 |
babycom おすすめ記事 babycom PC Site |