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歯育・子どもの歯を育てるTOP【6】

よく噛んで、健康で頭のいい子に育てよう!

 乳歯が生えそろうと、赤ちゃんはたいていのものを自分で噛んで食べることができるようになります。小さいうちからなるべくいろいろな食感のものを与え、口の中でさまざまな刺激を味わうことで、赤ちゃんの感性はどんどん豊かになっていきます。硬いものを噛むために口をしっかり動かすことで脳にリズミカルな刺激を与え、脳内細胞が活性化。そのうえ、口の周りや顎の筋肉も発達し、きれいな発音で言葉をしゃべることができるようになります。

 乳歯の健康は、将来生えてくる永久歯の状態にも影響します。きちんと歯磨きをして虫歯のリスクから歯を守ることが、健康な永久歯をつくることにもつながります。
 第6回目は、歯の咬み合わせが骨格に及ぼす影響、よく噛んで食べることのメリットについて学びます。

乳歯が生えそろったら気をつけたいこと

歯並びがよいと、「食べる」「しゃべる」が上手に

よく噛むことは歯だけでなく体、心の健全な発達につながる

よく「噛む」習慣は、バランスのよい食事から

「歯育」から「食育」を考える


乳歯が生えそろったら気をつけたいこと

 乳歯はだいだい5カ月ごろから生え始め、一番奥の歯(第二乳臼歯)までの20本が生えそろうのが2歳ごろ。この頃には離乳もほぼ完了し、ひと通りのものを自分で噛んで食べることができるようになります。乳歯の健康を守ることが、のちに生えてくる永久歯の健全な発達や、きれいな歯並び、咬み合わせの鍵になります。

 永久歯は、赤ちゃんが産まれてきた時点で歯ぐきの中でその芽が育っています(永久歯の歯胚は胎生14週にはすでにできあがっている)。永久歯は乳歯の生えた位置をガイドラインに何年もかけて萌出の準備をします。乳歯が虫歯になってしまうと上に出ている歯の部分が溶けて歯根だけが残り、生え変わりの時期に永久歯がその部分を避けて歪んだ形で成長することが考えられます。また、虫歯で乳歯を抜いたまま放っておくと、永久歯が正しい位置に生えてこない可能性も。「“どうせ生え変わるから”と乳歯の虫歯を放っておくと、長い人生をともにする永久歯が大変なことになってしまいます。虫歯にならないように毎日の歯磨きを徹底することはもちろんですが、もし虫歯になってしまったら、なるべく早く歯科医を受診することをおすすめします」と北原先生。

 同じような理由で、乳歯の打撲にも気をつけるべきです。打撲の衝撃が永久歯まで及ぶと永久歯の萌出が遅れることがあります。打撲した歯の神経が死んでしまうと乳歯が早く抜けやすくなることも。歯のない期間が長いと歯並びに影響を与えるので、特にハイハイからヨチヨチ歩きまでの時期に顔面から転ぶ、頭を固いものにぶつけることがないよう、細心の注意を払いましょう。


歯並びがよいと、「食べる」「しゃべる」が上手に

 おっぱいやほ乳瓶を吸うことは、子どもが安心感を覚える、食事では足りない栄養を補うといったメリットがあります。しかし、就寝時にほ乳瓶やおっぱいをくわえることが習慣化すると、歯の周りに常に養分があるため、それだけ虫歯の原因にもなりやすいと言えます。ある程度の年齢(1歳〜1歳半)になったら、自然と卒乳させてあげるのが子どもの歯のためです。おしゃぶりを与えるのも一つの手ですが、長時間与えると歯並びが悪くなるという説もあり、使い方には注意が必要です。おしゃぶりは、乳歯が生えそろう2歳を目処に卒業するとよいでしょう。また、赤ちゃんの指しゃぶりが気になる方もいるようですが、1歳くらいまでの間は生理的な反応として当然のこと。ただし、これが長く続くようだと、「食べる」「しゃべる」といった口腔機能の妨げになることもあります。指しゃぶりには不安やストレスなど、心理的な要因も考えられます。親子のスキンシップをとることで、上手にやめさせたいものです。

 乳歯が生えそろうのはだいたい2歳ごろですから、それまでは歯並びや咬み合わせについてあまり神経質になることはありません。しかし、歯並びが悪いと十分に食べ物を咀嚼することができず、虫歯や歯周病の原因となったり、体の成長や脳の発育にも影響を与えます。乳歯で歯列矯正が必要なのは、例えば歯が欠けて永久歯がきちんと生えない、食べ方がおかしいため消化機能が劣る、発音や話し方がおかしい、顔の骨格が歪んでいるなどの場合。いずれも専門家の所見が必要なので、相談してみるとよいでしょう。

 それより、気にすべきなのは「きちんと鼻呼吸できているかどうか」。日本人の半数以上、小学生だと8割以上が口呼吸だと言われています。口呼吸だと喉が乾燥し、十分に加湿されていない空気が病原菌とともに肺の中に入って全身に運ばれるので、病気や感染症にかかりやすい。また、鼻腔や鼻の粘膜に汚れがたまるため、体内で細菌やウィルスが繁殖しやすくなります。
 一方鼻呼吸であれば鼻の粘膜で汚れた空気を除塵。吸い込んだ空気が鼻腔で加湿されて肺胞の粘膜になじみやすい状態になり、酸素がスムーズに血液に行き渡るので脳細胞が活性化、筋肉も生き生きと働き始めます。口呼吸が習慣になると口の周りの筋肉がゆるんで常に口が開いている状態となります。
 さらに、鼻の機能が低下して嗅覚障害を起こす、口の粘膜が乾燥するため味覚障害になることも考えられます。母乳やミルクを飲むことで栄養を補給する赤ちゃんは、本質的には鼻呼吸です。離乳を機に口呼吸に移行することが多いので、口をしっかり閉じさせる習慣をつけるよう、目を配りましょう。口呼吸が直るまでの一定期間、おしゃぶりを使うことも有効です。


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よく噛むことは歯だけでなく体、心の健全な発達につながる

噛むことの効用「ひみこのはがいーぜ」

「歯育」から「食育」を考える

ノブ先生のワンポイント・アドバイス
「子どもの指しゃぶりが止まらない!指しゃぶりの功罪とうまく手放すためのヒント」

歯育・子どもの歯を育てる TOP




取材協力:北原信也先生
ノブデンタルオフィス院長)

顔、唇、歯、歯肉それぞれを科学的かつ審美的に分析し、一般治療から審美修復治療、メインテナンスプログラムにおけるまで、口腔プロデューサーとして治療・予防に全力を尽くす。著書や講演会も多数。
歯のケアを通して子どもの知的発達を促すことを目的とした歯科医と教育カウンセラーによる日本初の「歯育」プロジェクト、ノブキッズ・プロジェクトの代表でもある。


歯育・子どもの歯を育てる


1.マタニティの歯のケア

・妊娠中は歯医者に行けない?!
・歯周病が早産を引き起こす?
・つわりの時の歯のケア


2.歯の健康は、胎内から

・虫歯予防はマイナス1歳から!
・喫煙が歯に及ぼす影響
・妊婦の食事が歯をつくる


3.虫歯の原因は、親の虫歯?

・赤ちゃんの虫歯の原因は?
・乳歯の生える時期と仕組み
・乳歯の健康と赤ちゃんの成長


4.0歳からの歯のケア

・はじめての歯のケア?
・正しくみがいて虫歯を防ぐ
・歯みがきタイムを楽しく


5.離乳食と歯の健康

・離乳食開始のサイン
・6歳までの食生活が将来を?!
・子どもの口の中は、家庭の鏡



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