子どものからだと病気 子どものからだと病気について
子どものアレルギーについて

食物アレルギーと重なる部分もありますが(食物アレルギーが原因でアトピー性皮膚炎になっている)、決してイコールではありません。また年齢と共に、食物アレルギーが原因という人は確実に減っていきます。
仕事をしていてよく気になるのは、全く関係ない皮膚状態のことを、「アトピー性皮膚炎ですか」と心配なさっているお母さんがとても多いことです。それくらいこの病気は知られている、恐れられているんだなあと思います。一ヶ月健診で多く見られる単純な乳児湿疹に対してもそういう質問が多いのです。

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は違います。そして、乳児湿疹は食物アレルギーとは関係ありません。
それはきちんと言っておきたいと思います。乳児湿疹はケアを続けていれば、多くの場合、半年以内にきれいになってきます。早い人は1ヶ月以内という人もいます。長めに続く人はよくなったり悪くなったりを繰り返しますが、それでもだんだんきれいになっていく人がほとんどです。

アトピー性皮膚炎は「慢性的(乳児の場合2ヶ月以上)な強い痒みを伴う湿疹」です。乳児湿疹でも痒みを伴いますから、この定義なら「痒みの強い弱い」という主観で、「これはアトピー?」と思ってしまう人がいるかもしれません。けれど、全体的な特徴でかなりきちんと分けられると思います。

乳児湿疹は顔や頭部にでる傾向が強く、他の皮膚はしっとりとしている(かさかさ感が少ない)ことが多いようです。痒みの程度も、客観的に見て違いがあります。重症度にもよりますが、アトピー性皮膚炎はかなり痒い様子がうかがえます。アトピー性皮膚炎は全身的なことが多く、人によって出やすい場所もあります。耳切れ(耳たぶの付け根の病変)が起こることも多く、家族歴というものも参考になります。

ただ、症状によっては、紛らわしくてよくわからない、という赤ちゃんもいることはいます。乳児湿疹の人に「現在アトピー性皮膚炎ではない」と言うことはできますが、その言葉は「アトピー性皮膚炎にはならない」という言葉とは違います。現段階では違うというだけで、絶対一生ならないということではないのです。
乳児湿疹とアトピー性皮膚炎が関係ない別物であっても、両方を経験する子や、だんだんアトピー性皮膚炎の症状を現す子もたまにいるわけです。

赤ちゃんに母乳をあげるとアレルギー疾患を起しにくいと言われていますが、反対に、母乳で育っている子どもに皮膚症状があると、その原因を母乳(つまり母親の食べ物)に直接結びつける意見も聞かれます。
けれど、皮膚症状はいろんな因子で悪化していくものです。母乳が順調にいっているのに、症状があるから母乳をやめてアレルギー治療用のミルクに代えなさい、という指導を受けたと悩んでいるお母さんにも出会いましたが、これも極端だと思います。
お母さんが母乳をあげたいなら続けつつできることをしていくのがいいと思います。できることというのは、たとえば環境の整備とか、清潔や保湿を中心とした予防的なスキンケア、軟膏処置や場合によっては内服薬、全体的に家族の食生活を無理のない範囲でよりよいものにと考えていく、などでしょうか。

子どもの誕生や、子どもの皮膚症状をきっかけに、食生活をみ直す人は多いと思います。今までは意識しなかった食品添加物のこと、ゴミの問題、食品の流通などに目がいく人もいらっしゃるでしょう。
子どものためにいいものを、と考えるのはごく普通ですし、最近は育児雑誌などにも、防衛策の特集があります。私は以前、きちんとしなきゃ、ととても苦しい時期がありました。自分の感覚というものより、周りがいっているよさそうなものに反応して自分ができる範囲以上のことを自分に課していたんです。
すべてのことにいえますが、自分のできる範囲、無理しすぎて辛くならない範囲内で頑張る、というのはとても大切なことだと思います。
この少子化の時代、一人目の子育てには肩に力が入ってしまう人が多いので、敢えてこんなことも書いてみました。

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