お産のための中医学
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「中医学」は、日常生活に活かせる知恵の宝庫。妊娠・出産、育児の 強い味方でもあります。
10年以上にわたる取材で得た知恵の数々、ひとりじめは もったいない!ということで、 みなさまにも中医学の知恵をおすそ分け!です。

楽しい中医学 その6

妊婦は本当に太っちゃいけないの?

どうして本の題名が「妊婦は太っちゃいけないの?」になったかというと・・・
「自分の体に当てはめて考える」ということ力


by 中医学ライター 高島系子 掲載:2004年8月

どうして本の題名が「妊婦は太っちゃいけないの?」になったかというと・・・

妊婦は太っちゃいけないの?
妊娠・出産に関わるすべての人々と、中医学をつなげていきたい…。そんな私の思いが、1冊の本になりました。
タイトルは「妊婦は太っちゃいけないの?」。 どこが中医学なの?と聞かれてしまいそうですが、これには理由があります。

このタイトルの名付け親は、新潮社の編集担当者である笠井麻衣さんです。企画の段階で提案してくれたものなのですが、正直言って、最初はちょっと違和感がありました。

太る・太らないの話だけだと思われたらどうしよう、とか、中医学、あるいは東洋医学という言葉が入っていたほうがいいのでは??など、あれこれ悩みました。でも、あまりにインパクトのあるタイトルで、これに対抗できるような、いいアイデアが思い浮かびません。
ところが、悩みつつ原稿を書き進めるうち、いつの間にか、自分の気持ちが、だんだんとこのタイトルに近づいていることに気づいたのです。

「妊婦は太っちゃいけないの?」なんて、本当に素朴な疑問です。「妊娠中毒症を防ぐためにも、安産のためにも、妊娠中は太り過ぎないように気をつけて」と言われれば、「そうか、太っちゃいけないんだ」と素直にそう思ってしまいそうです。
けれど、本当にそうなのでしょうか?体重計とにらめっこの生活を始める前に、なぜ太ってはいけないのか、本当に太ってはいけないのかを、もう一度「自分の体」に当てはめて考えてみると、きっといろんなことが分かってくるはず。そのときに大いに役立つのが、中医学の理論だと思うのです。

もちろん、体重のことだけではありません。つわり、こむら返り、不眠、おなかの張り、便秘、逆子、おっぱいのトラブル、尿漏れ、産後ブルー…。こんな妊娠中〜産後の出来事に突き当たると、つい「どうすれば治るんだろう?」と考えてしまいがちですが、本当に大切なのは「なぜ」の部分です。

素朴な疑問も、あえて声にみることで、きっと何かが変わるはず。そう考えたら、「妊婦は太っちゃいけないの?」というタイトルを、とても愛おしく感じるようになりました。
単に解決策を並べるのではなく、妊娠中・産後の「なぜ」に焦点を当てたこの本には、まさにぴったり!と思っています。
そして、その意図をみごとに汲んで、表現してくれたのが、イラストレーターの100%ORANGEさん。見て見て!と、思わずジマンしたくなるカバーとなりました。


「自分の体に当てはめて考える」ということ力

自分の体に当てはめて考える、というのは、簡単なようで、じつは意外に難しいことなのかもしれません。でも、この視点さえ持っていれば、巷にあふれる健康情報を読み解くのにも役に立つはずです。
「試したけど、ダメだった」ではなく、自分に合うか合わないかが、あらかじめ分かるようになると思うのです。例えば、妊娠中や産後も、

「安定期に入ったら1日2時間以上歩いたほうがいいって、本当?」
「カルシウムをとるために、乳製品は積極的に食べたほうがいい?それとも、赤 ちゃんのアレルギー予防のために控えたほうがいい?」
「授乳中は、甘いものや脂っこいものは本当にNG?」

といった疑問をもつ人は多いと思います。でも、いずれもそう簡単に答えが出るものではないでしょう。体は人それぞれなので、ある人が実践してよかったことも、別の人には害になるということだってありえます。
「体にいいこと」ではなく、「自分の体にいいこと」を探すためには、遠回りなようでも、まずは自分の体と徹底的に向き合ってみることが大切です。

ふだんの顔色は? ツメや髪の状態は? のどは渇きやすい? シミ・ソバカスは多い? シワは気になる? 乗物酔はする?こんなふうに、いろいろな観点から見直してみると、意外な自分の「体の癖」がみえてくるものです。
もちろん、「体の癖」は、チャートやチェックシートで判断しきれるものではありませんし、ちゃんと分かるようになるには、それなりに時間もかかると思います。でも、自分の体を見つめ直すきっかけ作りならできるのではないか、という気持ちで書いたのが、この本です。

「体の癖」が、妊娠〜出産〜産後にどう影響するのかを中心に書いていますが、「いつかは産みたい」という人にも、すでに出産を経験した人にも、読み物として、あるいは中医学の入門書として、興味を持っていただけるのではないかと思っています。

関連記事:プレマタニティの生活「東洋医学の知恵袋」

Kuriの読んで使った!ひとこと書評

まず、結論から言ってしまうと、今回の高島さんの本は、まさしく私たちが待ちわびていた本であることは間違いない。知りたいのに誰も教えてくれなかった妊娠・出産をめぐる知恵が厳選されている。私たち、子育てワハハが志向している方向と極めて近いところにある。
ちょうど一年前、高島さんとドイツに一週間ちょっと滞在したが、彼女の興味は敏感なセンサーのように24時間稼動していた。私が地ビールで飲んだくれている間も、漢方との関連を探っていて、彼女の観察力と取材は粘り強さが違う。
ドイツからの帰国後、私は計ったように妊娠、出産したのだが、いつも高島さんに食養生などのアドバイスをいただいていた。そして臨月の逆子に鍼灸を、産後ヒドかった貧血には婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)をタイミングよく教えていただいた。逆子は3回の施術で、婦宝当帰膠は、授乳ブレンドに溶かして飲んだら、貧血によるフラつきが一日で改善した。

どのアドバイスも適確で手軽に出来る。高齢で不精な私もラクに過ごせているのは、高島さんによるところが大きい。その知恵がこの一冊で手に入るのだから、世の中、本当に便利になったものだ。妊娠前〜産後の人にはとりわけおすすめ!

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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長




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