赤ちゃん夏のおつきあい法

自分でつくる!赤ちゃんすくすく環境

第6回

暑がり寒がり赤ちゃんとの
夏のおつきあい法【2】

「赤ちゃんと冷房について」

取材協力/植竹篤志さん(積水化学工業株式会社 住宅技術研究所) 2005年7月掲載・2017年11月再編集(専門家のプロフィールは取材当時)

エアコンの設定温度より、赤ちゃんの様子で

夏の室内環境は温度よりも湿度を下げるのがポイント



赤ちゃんにとって健康的で快適な夏の室内環境とは?

具体的にどんな環境が、赤ちゃんにとって快適で健康的といえるのでしょうか。セキスイハイムの住宅技術研究の植竹篤志さんにお聞きしました。
「快適に感じられる室内の要素は、実は温度だけではなく、湿度も大きく関わってきます。室温が多少高くても、湿度を下げるだけで過ごしやすくなったりするんですよ。

赤ちゃんの快適温度の目安

たとえば、くつろいだ軽装であれば、温度が28℃と高くても、湿度が60%以下なら汗が蒸発しやすく、体温が下がるので比較的過ごしやすくなります。逆に温度が26℃でも湿度が80%を超えていると、汗の蒸発が抑えられてまとわりつくような不快な暑さを感じることも。

夏に赤ちゃんが快適に過ごせるのは、温度が26〜28℃、湿度が60%程度以下といわれています。これなら適度に汗もかき、汗が蒸発して体温を下げるので暑すぎることもない。寝ているときは代謝量が低下するので、これよりも少し高めの設定でも大丈夫です。そのほうが冷えすぎにならないのでいいでしょう。風が直接当たらないかどうかにも気をつけてください。

最近は温度と湿度を別にコントロールできるエアコンも出てきたので、湿度コントロールも便利になってきました。ただし、一般的なエアコンの除湿機能では、空気の温度を低下させて空気の中の水分を結露させ、湿度を下げる方式となります。この場合、空気の温度を下げてしまうので思ったよりも室温が低くなることがあるので注意が必要。『再熱除湿方式』のエアコンであれば、下げた空気温度を排熱利用で元の温度にリセットするので、その心配は少なくなります。

もうひとつ知っておいてほしいのはエアコンの設定温度と赤ちゃんがいる場所の温度は違うということ。室内は天井付近と床、中央部と壁側で温度に違いが発生します。
夏の場合は冷気が赤ちゃんのいる床付近にたまってしまうことも。重要なのは温度設定ではなく、赤ちゃんのいる場所の温度。温湿度計を持っているなら、一度室内の各場所を計ってみるといいですね」


エアコンの設定温度はやや高め、が正解のよう。
今年は「クールビズ」が話題で公共の施設や乗り物のエアコン設定温度も高めになりました。でもやはり、屋外から冷房のよく効いた室内に入ると思わず身震いをしてしまうことがあります。この外気との温度差が、赤ちゃんに対して十分配慮が必要なものだと植竹さんは指摘します。

「先にお話したとおり、赤ちゃんは環境温度の影響を非常に受けやすい。暑い場所から急に冷房の効いた部屋にはいったとき、私たち大人には心地よくても赤ちゃんは体温が下がりすぎてしまうことがあります。
外から帰ってきてエアコンをつけるときには、しばらくは温度28℃、湿度60%程度くらいに設定し、徐々に室温を下げ、外気との温度差を5〜7℃くらいに抑えておくといいでしょう」


暑いところから冷房のきいたところに入ると、ホッと息をつけるものですが、それは大人だけの話。赤ちゃんの身体にとってはかなりの負担となるようです。お出かけの場合は冷房のきいたところへ入るまえに汗を拭いてあげ、おくるみやタオルなどでくるんだり、もう一枚服を着せてから入ると安心できますね。


ダニ対策に効果的な掃除のポイント
暑がり寒がり赤ちゃんとの
夏のおつきあいポイント


1 適度に汗をかかせ、水分補給と着替えをこまめに
2 エアコンは温度28℃、湿度60%以下を目安に
3 冷房のきいたところに入る前には汗拭きと衣服を一枚プラス


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