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お産のための中医学 |
BOOKS&WEB 中医学に関する書籍はたくさん出ていますが、難解なものも多く、「途中で挫折…」という声もよく聞きます。 本当に役立つ本と、参考になるサイトを紹介しましょう。 |
中医学のおすすめ本 ■『なぜ中国医学は難病に効くのか〜脳神経外科医がみた「不思議な効果」』 酒谷薫著 PHP研究所 オススメ度 ★★★★★ タイトルに「難病」とありますが、決して「奇跡が起きた!」系の本ではありません。脳神経外科医で、現在は日本大学医学部教授の酒谷薫先生が、JICA(国際協力事業団)専門家として、北京の中日友好病院に派遣されたときの話を中心に、非常に分かりやすく中医学を解説した書です。 中医学について、当初は「直感と経験が主体の、曖昧で非論理的なもの」だと思い込んでいたという著者が、北京で中医学の専門家の診療に接しているうちに、「彼らは極めて分析的に診察を行い、そして論理的に病態を考えながら治療を進めている」ことが分かった、というくだりは、何度読んでも興奮していまいます。 かねてから私は、中医学は「文系の医学」だと思っていて、理系育ちの人に、どう説明すれば分かってもらえるかがひとつの課題だったのですが、この本からたくさんのヒントを得ることができました。おもしろいだけでなく、読むだけで中医学の全体像がかなりくっきりみえてくる、オトクな一冊。中医学と現代医学の考え方の違いにとまどっている方には、特におすすめの本です。 ※週刊朝日増刊号「漢方」2006で、酒谷先生にインタビューを行い、記事をまとめています。 http://opendoors.asahi.com/data/detail/7302.shtml ■「わかる中医学入門」 邱紅梅著 燎原 オススメ度 ★★★★★ 中医学をきちんと知りたいと思っているなら、やはり、1冊は教科書を持っていたいもの。この「わかる中医学入門」は、195ページというコンパクトさながら、押さえるところはきっちり押さえた、正統派の中医学入門書。数ある教科書の中で、これほど分かりやすく、しかも正確な本はなかなかみつかりません。価格もこの内容にしてはかなりリーズナブル。中医学の全体像を把握するために、とても便利な一冊です。 著者は、babycom講座でも大人気の邱紅梅先生。私が恩師として尊敬する中医師の1人です。拙著「妊婦は太っちゃいけないの?」にも、アドバイザーとして登場していただいています。 ■『イラスト図解 東洋医学のしくみ』 関口善太監修 日本実業出版社 オススメ度 ★★★★☆ 「わかる中医学入門」が、正統派の教科書だとすれば、こちらはいわば参考書。図解も文章もかなり分かりやすく、たとえ話も適確です。 著者は、都内に鍼灸院と漢方薬局をもち、中医系の鍼灸学校の講師も務める関口善太氏。特筆すべきは、中医学基礎や漢方薬だけでなく、鍼灸の手技や気功についてもきちんと取り上げている点。また、複雑な日本の現状や制度、資格問題についても、中医学の教育と臨床の現場で活躍している関口氏ならではの切り口で書かれています。実用書ではありますが、コラムなども充実していて、読み物としても楽しめる本です。 ■『鍼灸の挑戦ー自然治癒力を生かす』 松田博公著 岩波新書 オススメ度 ★★★☆☆ 助産師さんにとって、中医学の対処法の中でももっともなじみ深いのが、ツボを用いたケアかもしれません。実際に、鍼灸学校で本格的に学ぼうという方も増えているようです。 しかし、日本の鍼灸界は案外複雑で、鍼灸学校ならどこでも中医鍼灸が学べるとは限りません。著者の言葉を借りれば、「スタンダードなき百花繚乱」の世界であり、「無数の流派、会派に分かれ、相互に矛盾する理論とわざを展開している鍼灸界」なのです。 中医学や中医鍼灸について、詳しく論じられているわけではありませんが、鍼灸界の全体像を知りたい方にはおすすめの一冊です。 |
by 高島系子(たかしま・けいこ) 中医学ライター。10年以上にわたり、国内 外で中医学に関する取材を続け、女性誌・専門誌等に執筆。99年に「妊娠・出産に関わる人々と中医学をつなげる活動(TCM+Bプロジェクト)」をスタート、マタニティケアを得意とする中医師、鍼灸師、薬剤師のネットワー ク作りを行っている。 お産のための中医学 お産に役立つ中医学基礎 妊娠・出産と漢方薬 中医学の学び方 中医学Books&Web 女性のための中医学 関連情報 女性のための健康術 プレマタニティ 養生学 babycom birth 妊娠・出産情報 産院選び情報
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