マタニティのセルフケア

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マタニティのセルフケア-7 おっぱいの話3

おなかの中の赤ちゃんにもやさしい、自分でできるナチュラルケア法「マタニティのセルフケア」の8回目は、おっぱい(母乳哺育)について。

アレルギーとおっぱい1

赤ちゃんにアレルギーがでた場合の対処、妊娠中から気をつけておきたいことなど、アレルギーと母乳についてお話をお聞きしました。

協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室


今回は、アレルギーと母乳に関するお話をしたいと思います。

ご存じのようにアレルギー体質をもつお子さんはとても多いので、アトピー性皮膚炎やアレルギー性の疾患をもっている方は、妊娠中から気をつけておくことはないかと思われているかもしれません。
たとえば、母親か父親に花粉症の症状がある場合には、多少アレルギー体質をもっているということになりますから気になりますね。アレルギーについてはいろいろな意見があり、医師によってもそれぞれの見解があります。

わが家の場合は、私も夫もアレルギー体質なので、4人の子どもたちはそれぞれ、なんらかのアレルギーをもっています。それでも、妊娠中まじめに食事を注意して過ごしていたときの子どもには、アトピーの出方は少なかったように感じます。3〜4番目のときはなかなか思うように食事に気をつけられなくて、その子どもたちは上の子どもたちよりアレルギーが強く出てしまいました。もちろん、たまたまそうなっただけなのかもしれませんが、自分や夫が子どものころに明らかに卵にアレルギーがあったり、牛乳にアレルギーがあった場合には、母親が妊娠中、食事に注意することによって、赤ちゃんへの影響を少なくすることはできると思います。とくに妊娠後期8か月以降は、そうした食品をなるべく控えるようにしたいものです。

ただ、こうしたことは個人差があり、細心の注意を払っていてもアレルギーが出てしまうこともあります。現代は、大気汚染や環境ホルモンといった社会的な問題もあり、そうしたこととも関係があるのではないか、という見方もあります。



入授乳中に、赤ちゃんにアトピー性皮膚炎の症状が出ると、小児科などで母乳をやめてミルクに替えるように言われることがあります。アレルギー体質の赤ちゃんにとって、母乳とミルク、どちらがいいのかということは、いろいろな見解がありますが、母乳学会などでは母乳をやめる必要はなく、子どもが1才を過ぎたころの予後は母乳のほうがいいと言われています。

母乳に含まれているIgAなどの物質は、アレルギーを軽減する働きがあると言われ、とくに初乳にはこのIgAがたくさん含まれているので、出産した日から頻回に母乳をあげることはこの点でも評価されています。

母乳をやめることをすすめられた場合には、ほかの医師や助産師にセカンド・オピニオンを求めてみてはいかがでしょう。赤ちゃんの症状にもよりますが、母乳を続けるためのサポートを受けることができると思います。



赤ちゃんのアレルギー的な症状は、たいてい生後3か月を過ぎたころからあらわれてきます。母乳には母親の食べたものが反映しやすい、ということはこれまでお話してきました。母乳によい食事は、基本的には野菜を中心とした和食ですが、毎日、同じものを食べ続けないことがポイントです。毎朝決まって、卵と牛乳が食卓にあるような場合には、ちょっとメニューを工夫してみましょう。今日は卵を食べたから、明日はとうふにするとか、バリエーションを組んでいきます。

タンパク質によるアレルギーを引き起こす3大原因は卵、牛乳、大豆です。個人差はありますが、もしこうした食品を母親が食べたときにアレルギーが出るような場合は、発酵食品に変えてみるといいかもしれません。牛乳の替わりにヨーグルト、とうふの替わりに納豆というように、時間がたって発酵したもののほうがタンパク質は吸収されやすくなります。けれど、発酵食品であればいくら食べてもいいということではなく、毎日たくさん摂取すれば同じようにアレルギーが出てしまうこともあります。

母乳をあげていると、母親の食べ物によって赤ちゃんに変化が出ることがわかると思います。あるものを食べると、おしりがただれて真っ赤になるとか、顔に湿疹ができるとか、目のまわりがかゆくなるとか。それに気がつき、食べるのをやめると、実際に症状がやわらぐから不思議です。まずは、それをキャッチすることから。

何を食べたときに湿疹やアレルギーが出るかをみつけて、めやすをつけておきましょう。けれど、そのように顕著に変化が出る場合もあれば、出ない場合もあり、症状もそれぞれに違うので、見極めるのがなかなか難しいこともあります。




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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長


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