スキンケア：治療の実際

スキンケアは清潔と保湿（乾燥肌が目立つ時）がまず大切です。

爪を切って手をきれいにする、皮膚を硬い布などでごしごし拭かない（物理的刺激を避ける）、刺激のある衣類に注意（化繊は控えて、できたらお母さんの衣類も含めて注意しましょう。顔を押し付けていやいやしてかきますからね）、カーペットやおもちゃなども掃除や洗濯をまめに、お風呂は熱すぎないように、といったところでしょうか。でも、できる範囲内で気楽に考えればいいと思います。

治療の中心は塗り薬です。塗り薬というと、「ステロイド」という言葉にアレルギーを持っているお母さんがいらっしゃいますが、使い方に注意し上手に使えばとても有用です。治療はステロイドだけではないし、上手にステロイドのメリットだけをもらうために、いくつかポイントはあります。

乳児湿疹もアトピー性皮膚炎も、湿疹の状態で薬を変えるというのが大切だと思います。ジクジクしている、赤くただれている、という湿疹にはやはりステロイドが効きます。
ステロイドは抗炎症作用といって異常な反応を抑える効果が強く、速やかにこういう状態を抑えます。数日使って乾いてきて赤みも取れてきたら、非ステロイド系の薬に変えて様子を見ます。赤ちゃんには弱いステロイドを出します。
状態が変わっても同じ薬をつけ続けるということはせずに、状態を見てこまめに薬を変えます。悪化したら、またステロイドを塗るようにします。

長くつけつづける時は、保湿剤で割って、もっと弱いステロイドの入ったミックスの薬を工夫することもあります。また湿疹病変ではない乾燥肌のケアとして、保湿剤だけを塗ることもあります。

塗り薬はお風呂あがりのきれいになった肌に。また、ステロイドの薬はべたべたとたくさん塗ったから効果があがるというものではありません。清潔な手で刷り込むように塗ってあげてください。
お尻の湿疹にステロイドは原則やめておいた方が無難（医師の指導があれば別）です。漫然とお尻の湿疹に使われていてなかなか治らないという時､その湿疹は真菌（かび）が原因の皮膚炎であることがあります。これは、ステロイドの免疫抑制のためにおこった副作用です。
ちなみに、内服薬ではないので免疫抑制が皮膚にあらわれ、風邪をひきやすいなどということはありません。

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