家の中の危険度チェック!【転落・転倒、やけど】

自分でつくる!赤ちゃんすくすく環境

第4回

転落・転倒・やけどを起こさない
家の中の危険度チェック【3】

取材協力/植竹篤志さん(積水化学工業株式会社 住宅技術研究所) 2005年9月掲載・2017年11月再編集(専門家のプロフィールは取材当時)

赤ちゃんの事故件数トップ、転落・転倒を防ごう

命にかかわる浴槽への転落事故の対策

赤ちゃんに多い、飲食中のやけどに注意!



テーブルまわりで起きやすいやけど

水の事故も多いけど、頻繁に耳にする事故として「やけど」も挙げられます。

2歳以下の乳幼児に多い熱傷による事故の原因は「お茶・コーヒー類」が24.3%、「味噌汁、スープ」が17.4%(平成13年 東京消防庁調べ)。
「母親が赤ちゃんを抱きながらお茶を飲んでいたら、赤ちゃんが手を伸ばしてカップを落とした」「食事の支度中、テーブルによじ登ってお皿を倒した」など、いずれもテーブルの上に置かれた高温の飲食物によるものです。熱いものを飲食するときは赤ちゃんから離れる、食卓へ並べるときには食卓椅子に赤ちゃんを座らせて動き回らないようにしてから、など十分に気をつけたいものです。

■グラフ1
乳幼児の熱傷の原因(432人)
乳幼児の熱傷の原因

出典:東京消防庁「家庭内における不慮の救急事故平成13年中より」


また、「テーブルやキッチンカウンターに置いた電気ポットを倒した」という例も。
テーブルクロスなどもひっぱりやすいので危険です。赤ちゃんの手の届くところにこうしたクロスや電気コードなどはありませんか?
手に触れるものがあればひっぱってみたくなるのが赤ちゃん。また、手にしたものをなめるのも赤ちゃんによくある行動です。引っ張ると外れるコードを使った家電製品も多いですが、外れたコードの部分をなめる、というのも同じく危険。赤ちゃんのそうした気持ちを考えて、もう一度家のなかをチェックしてみましょう。

冬は低温やけどにも注意して

飲食中ではないですが、やけどといえば寒い季節に登場する加湿器も同じく注意が必要です。
スチーム式加湿器は高温の蒸気が出るのでやけどの原因になります。また、ストーブも依然としてやけどの危険性が高い機器のひとつです。これらには市販のフェンスを設け近づけないようにするとよいでしょう。
また、低温やけども注意が必要。ホットカーペット、床暖房、電気毛布など加温する機器に長時間触れていると低温やけどを起こすことがあります。これらは長時間かけてゆっくりと起こるため、皮膚の深い部分までやけどが達します。
断熱気密性の悪い住宅では、冬の暖房時に上下温度差が発生するため、下の方が冷えてしまうことがありますが、寒いからといってあまりこれらの器具を高温にすることは避けましょう。一般に皮膚の温度が40℃以上になると低温やけどが起こるといわれています。状況にもよりますが、熱の蓄積なども考慮すると、30℃程度以上の温度には長時間触れないほうが安全といえます。ファンヒーターなどの温風に長時間曝されているのも危険で、死亡事故が報告されています。

やけどは気がついたとき、すぐの手当てが必要です。衣服は着たまま、急いで冷水をかけ、やけどの範囲が広かったり深い場合は、患部を冷やしながら病院へ向かいましょう。水ぶくれはやぶれないように注意し、消毒した布で覆い、冷やすようにします。

また、はさまれも多い事故です。扉を開け閉めして遊んでいて指を挟んだ、お母さんのあとを追ってきてドアに手をはさんだ、お兄ちゃんに扉を閉められてはさんだなども多く起こる事故。重い玄関ドアなどの場合には大きな怪我につながりますから、これらに対する注意も忘れずに。

転落・転倒、やけどを起こさないためのチェックポイント 転落・転倒、やけどを起こさないためのチェックポイント

1 転倒対策の第一歩は家のなかの整理整頓
2 赤ちゃんがよじ登れるところは極力つくらない
3 お風呂に残り湯はためない
4 赤ちゃんがひっぱれるものは室内から排除
5 熱い飲み物、食べ物は手の届かないところへ置く




自分でつくる!赤ちゃんすくすく環境

自分でつくる!赤ちゃんすくすく環境インデックス

赤ちゃんをアレルギーから守る
 ハウスキーピング術

ダニ対策の要は寝室!
 最も効果的なふとんのお手入れ法

0歳児の死因トップ、
 家庭内での誤飲を防ぐテクニック

転落・転倒・やけどを起こさない、
 家の中の危険度チェック

週末で完了!カンタン&安全DIYのすすめ

暑がり寒がり赤ちゃんとの、夏のおつきあい法
 赤ちゃんと冷房について

暑がり寒がり赤ちゃんとの、冬のおつきあい法
 赤ちゃんと暖房について


babycom おすすめ記事
babycom Site
子育てと環境問題子どもの発達と脳の不思議

子どもの発達の基礎知識とともに、最新の脳科学や発達科学の研究成果なども紹介し、環境や発達の視点から、健やかな脳に育てるために親が知っておきたいこと、親ができることを考える。


babycom 関連情報

子育てハウス

子育てハウス

赤ちゃんにとって安心で安全な家..... 子育てにやさしい家とは?子育てにかかわる家の中の問題点を探り、その解決法を紹介。


子どものための快適な室内の空気環境

子どものための快適な室内の空気環境

赤ちゃんや子どもが一日の多くを過ごす家の中、だから考えたい子どものための快適な室内の空気のこと。




TOP▲