babycom ARCHIVE

不妊体験・不妊治療レポート
不妊を考える「ウノトリはやってくる?」


不妊治療体験レポート-9
iさん
インターネットの書きこみに励まされました

 結婚してからずっと共働き。夫の単身赴任もあって、子どもは30代後半になってからと思っていました。高齢になると妊娠しにくくなるということも知らなくて、けっこう気楽に考えていましたね。 39歳になって「そろそろ子どもを」というときに、会社の人間ドッグで子宮筋腫が発覚。このままでは妊娠は難しいと言われ、地元の市民病院で手術しました。その後、卵管造影検査で両卵管閉塞がわかり、医師から「年齢のことも考慮して」とIVFをすすめられました。採卵はうまくいったのですが、受精卵が分割せずに、胚移植にはいたりませんでした。 そのとき40歳が目前にせまっていたので、「迷っているひまはない」と通勤に便利な不妊治療病院に転院。4ケ月後に再度IVFに挑戦。このときは受精卵を3個戻し、そのうちのひとつが妊娠に成功。無事、出産しました。

 体外受精をはじめてからは、通院も頻繁になり、排卵にあわせてスケジュールを組まなければならないので、会社の上司には不妊治療をしていることを伝えました。それによって休みや早退などもとりやすくなりました。それでも、独身の人や、結婚してすぐに子どもができた人などは、治療に対する理解がないことが多くて、「そんなにまでして欲しいの?」とか言われてしまう。なので、治療をしていることは、人を選んで伝えるようにしていました。 私が妊娠してから、高齢出産ということで何人かの職場の女性が声をかけてくれました。中には治療を長く続けている人もいますし、流産が重なり悩んでいる人もいます。それぞれに状況が違うし、私の場合は治療をはじめて半年ほどで成功したこともあり、励まし合うというより、病院の情報交換をするくらい。通院していたときも、患者同士のネットワークはありませんでした。 不妊情報は、もっぱらインターネットで集めていましたね。同じような人の体験を聞きたい、そして私の話を聞いてもらいたという思いがありました。ネットは顔が見えないことが、気楽に話せるメリットかも。

 治療中、妊娠中もよくネットを利用していました。今でもときどき同じサイトをのぞいています。そのほとんどは書き込みコーナー。そこで出会った人と、個人的にメールをのやりとりをするようにもなりました。中でも、不妊治療をしている人の個人ページが親しみやすかったですね。自分がIVFに失敗したときは、しばらくサイトを見る元気もなくなりますが、しばらくしてのぞいてみると、懐かしい人の書き込みがあったりして、うれしくなることもあります。

 サイトにもいろいろあって、自分に合わないと思えるものもありました。管理人さんの人柄もあるんじゃないでしょうか。私が気に入っていたのは、個人サイトでしたが、集まっている人たちの雰囲気が、なんとなくほんわかしている感じが好きでした。プレッシャーにならないような励ましあいとでも言うんでしょうか。治療がうまくいくだろうかという不安を書く人もいれば、うまくいかなくて泣き言を書く人もいる。でも書くことによって、自分を奮い立たせて元気になろうという思いが感じられるんです。そんな書き込みに共感して、また何人かがレスを入れる。それを読んでいるだけで、元気をもらえることもあります。暗い話ばかりでなく、「失敗したけど、前向きにいこう」という書き込みのほうが励ましになりますね。


※babycom(ベビーコム)のすべての情報の無断掲載、転載は禁止いたします。 Contents Copyright © babycom 1996-

TOP▲