私の出産体験記

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海外での出産と育児事情


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スリランカのお産事情

oikawaさん スリランカ在住(2000)

 スリランカ在住のoikawaです。
つい先日まで日本にいましたので、やっとこちらで2度目の検診に出かけました。
こちらには、英語の他に現地の人の使う言語がありますがとりあえず私の通う病院では、英語で大丈夫です。 しかしながら私は英語がとっても苦手です。日本より持参した英語版母子手帳と海外での出産に関する本とをフル活用してどうにか対処しています。ですから、検診の際のくわしい内容を正確にお伝えする事は出来ませんがなるべく当地ならではのエピソードなどを報告します。

 こちらでは、かなりの日本人に方が出産されて、子育てをされています。
医療面は、感覚的にはビックリする事もありますが、一部の大病院には超音波の設備もあります。(3Dでは、ありません)
そう!初診でぎょっとしたのは、超音波を見せてもらう際に日本では、一人ずつ呼ばれてから入室しますよね。こちらでは、妊婦の長蛇の列がベッドの3歩手前までせまっていてその前でお腹を出して超音波検査を受けるのです。カーテンなど誰が閉めてくれようか、特に外国人である私は、注目の的?だった様に思います。
これが他の病院でも同じなのかは、解りませんが、この病院はこちらでは、かなり進んでいる病院の一つで有る事は間違い有りません。

状況、情勢が変化しておりますので、参考情報としてお読みください。

スリランカでのマタニティー生活

スリランカでいよいよ出産
大ピンチ!再入院
マタニティーライフをふりかえって

スリランカでの子育て

私の住むヌワラエリア近くのリンドゥラ
予防接種に行きました
はじめての海
シンガポール航空での帰国


スリランカでいよいよ出産

 大変 ご無沙汰致しておりましたが、1月24日に無事女の子を出産致しました事をご報告します。

 日本の医師による予定日は、20日でしたが、ここスリランカでは、22日が予定日という計算になるらしく、とにかく両方の予定日を過ぎても陣痛の気配すらなく23日に入院しました。(お腹が張る事すらありませんでした。)促進剤による陣痛でしたが、約5時間の安産でした。
 海外では、翌日退院が一般的なのだと思いますがスリランカでも同じです。私立病院などでは、少し長めに入院出来るらしいのですが、 私の出産した病院は、半官半民でしたので、翌日退院が基本です。病室は、一等を指定しましたので、テレビ、エアコン、シャワー、トイレ、補助ベッド、椅子がありました。私はラッキーな事に?夕方の出産でしたので翌々日退院になりました。

 さて出産後、ぐったりと寝ているとベビーを抱いた看護婦さんが初乳を与える為に私の枕元へ・・・おくるみに包まれたベビーの足の番号札と私の手首の番号札を確認してから、女の子ですよってベビーの足元をひらりとまくって見せてくれて、おっぱいをふくませてみる。
 感動のひとときなのに、そこに居た医師が一言。
 ”貴方のベビーだけは、間違い様が無いよ”そうなんです。スリランカ人と日本人は、肌の色が違うので間違え様が無いのです。感動も吹き飛んで、笑ってしまいました。
 出産後、2時間はそのまま安静にしてますが、私は、その2時間だけが、本当に私の唯一の安静の時間であった事を後で思い知りました。
 2時間後、ベビーと一緒に病室へ戻ると、主人が待っていてベビーと初対面。ベッドに移ると、いきなり親子3人のみ。主人も今日は、泊まりこみ。何をすればいいやら、どうしたらいいやら、こんな産まれたてのベビーを一体どうしろというのか・・・とりあえず、泣いたら授乳してみて、あとは、夫婦でじーっと見てるだけ。オムツの交換をするのだって、初めてのこの夫婦は、もたもたとおしりを拭くのも忘れそうになりながら、眠れない夜を過ごす。
 次の日、出産翌日だというのに、洗濯をする。もちろん手洗い。洗わないと、ベビーの肌着の替えがない。自分の寝巻も替えがない。うちには、メイドもいない。誰も日本からの助っ人もいない。足がふらふらしてうまく歩けない。でも気力で乗りきる。日本だったら、1週間も入院できて、もう少し楽なんじゃないのかなーと思いつつ 翌日、退院。

 ちなみに、入院中の食事は、世界一辛いといわれるスリランカカリーでした。産後の疲れた体には、ツラカッタです。


大ピンチ!再入院

 やっとベビーの居る生活にも慣れて、産後1週間が過ぎ、自分の健康チェックの為にお世話になってる知人に電子血圧計を借りてみる。怖い程の高血圧!普段の血圧より上が70、下が60も高い。
 壊れてるのかと、5、6回測るがやはり高血圧。でも、血圧の数値の基準を知らない私は、この時は何とも思わず、一緒にいた知人に、とにかく尿たん白の検査をと進められ、まあ、産後1週間のベビーの健康チェックもしたかったので、2日後近くの病院へ。

 ベビーは、順調! 小児科でついでに私の血圧を測ってもらう。医師が測りなおしてる。血圧計は、壊れてなかった。尿検査をしたら、そのレポートを持って自分の主治医の所に行きなさいと指示される。翌日出産した病院へ行くが主治医はちょうど不在。血圧を測ってもらったとたんにその医師に他の患者の順番をとばしてもう一人の医師の所へ連れて行かれる。
 その医師は、めまいはしないのか?とか頭痛はないのか?とか色々質問する。私が、”全く無いので、薬を下さい”と言ったら、医師が怒った様に”入院しなければダメ”と一言。気軽に考えていた私は、入院という単語を聞き間違えたかと思い3回位聞き返したら、

 ”ご主人は、来てるのか?”
 ”はい”
 ”じゃあすぐ呼びなさい”

 待合室で待ってた主人を呼ぶ。
 本日入院の指示書を渡される。ガ‐ン!

 生後間も無いベビーは、どうしたらいいのか・・・一瞬本当にめまいが・・・
 しかし、母親になった私は違う。検診で肝心な事をろくに質問出来なかったが、今は違う。”病室は、一等(個室)で、母乳をあげたいのでベビーも一緒でもいいですか?”もしダメなら入院などしてたまるかところが、あっさりOK!とりあえず、ホッとする。
 それにしても、日本の育児書などには、生後1ヶ月位から外気浴をさせましょうとあるのに、我がベビーは生後10日足らずで、私の検査や入院であちこち行ったり来たり。しかも原因がベビーじゃなく自分だと思うと悲しくなる。
 日本で出産した方が良かったかも・・・日本だったら、両親もいるし、こんな時位は、甘えたい。ドンドン気持ちが落ち込んでくる。入院中、シャワー付きとはいえ、湯がでないので、ベビーの沐浴すらできない。毎日、沐浴させるのが、楽しみだったのに、少しの湯を貰ってガーゼで身体を拭くだけ。なんてカワイそうなベビー。

 なんて我慢強いベビー。母親になったら、自分の健康管理も大切なのだと、つくづく実感する。4泊5日の入院中、高血圧なので、食事は、低塩食を期待?していたが、結局スリランカカリーでした。


マタニティーライフをふりかえって

 私の場合、ちょうど妊娠3ヶ月で、日本へ帰国の予定でしたので初診は、日本で受けました。
それまでの間、妊娠検査スティック?(というのでしょうか)で妊娠した事を自分で確認した上で日常生活では、あまり無理をしないようこころがけていました。日本で私の通った病院は、毎回エコーを見せてくれて写真ももらえましたのでもっと通いたかったのですが・・・

 初診の際に先生には、スリランカで出産する事を話していましたので英語版の母子手帳をもらうといいですよと、教えていただきました。Mother and Child Health book という英語版母子手帳を東京都板橋区役所の母子手帳をもっらたのと同じ窓口でもらいました。
 東京23区とアルファベットで印刷されていますので東京都で発行している、おそらく在日外国人用の母子手帳のようです。これに、病院の先生に母子手帳から書き写してもらいました。
 また、その段階では、スリランカでどの病院のなんという先生が、担当になるか決めていなかったのですが、紹介状を書いていただきました。紹介状の中には、それまでの検査結果や最終月経開始日年齢、初産である事が英語で書かれていました。紹介状は、3000円でした。検査結果を自分で英語で説明する労力を考えれば、安いと思いました。

 さて、妊娠8ヶ月になり、いよいよスリランカ入りです。

 シンガポール航空(SQ)にて、シンガポール経由コロンボ行きの便です。SQでは妊娠している乗客は、医師の診断書が必要でした。SQの指定の用紙がありそれを送ってもらい医師に記入してもらいました。書類は、提出してしまいましたので、詳しい内容は忘れましたが、たしか妊娠週数と旅行に差し支えがないと言う事と、医師のサインなどでした。SQの書類によると、妊娠35週を超える場合は、原則として旅行できないとありました。ちなみにこの書類は、出発の1ヶ月以内に用意し、3日前までにコピーを郵送かFAXで送り、出発当日に持参しなければなりませんでした。
 私は妊娠30週目でした。
 日本に滞在中は、とにかく赤ちゃん用品の買出しで飛びまわっていましたので体調は絶好調でした。飛行機に搭乗する際に一番心配したのは、乱気流などで上下に機体が揺れると、妊娠しているので、さぞ気分が悪いだろうなーという事くらいでした。つわりもおさまっていましたし、まだそれ程お腹も大きくなかったし、安定期ですし時期的にちょうど良かったのでは、ないかと思います。

 シンガポールの空港と違いコロンボでは、飛行機を降りる際に、タラップを降りなければならず、機内持込の荷物は必ずしもキャスターで運べる訳では無いのでした。ベビー用品の割れ物を持込していましたので、かなり重くてこの荷物を持って、妊婦である私がタラップを降りるのは、危険です。どうしよう・・・と悩む私に気付きもせず主人は、降りて行ってしまいました。薄情者め!
 でも、SQの乗員がすかさず荷物を持ってくれました。コロンボに到着したのは、夜の12時頃ですので、まっすぐホテルへ直行です。

 翌日、心当たりの日本人の方に電話してコロンボ郊外の病院を予約して頂き到着3日後にスリランカで初めての産婦人科診察です。
 初診料は100ルピー(約150円)、診察料50ルピー、尿検査料25ルピー、超音波検査料50ルピーでした。 最初に会計で初診料を支払い、受け付け窓口にてカルテのファイルを作ってもらい産科で診察を受け、メモをもらい再度、会計に行き診察料、尿検査料、超音波検査料を支払い初診は、終了。
 診察内容は、最終月経などを聞かれ、超音波をみてもらい血圧測定、体重測定、尿検査をしました。日本の様に子宮底長や腹囲を測ったりは、最初から最後までしませんでした。超音波も初診のみで、出産直前にもう一度見ただけでした。しかも日本の様に妊婦に映像を見せて説明してくれる事もありませんでした。

 私は、スリランカでもコロンボから車で5時間の山に住んでいます。(ヌワラエリアの近くです)この辺りに住む日本人は、主人と私の2人きりでしたが3ヶ月前よりベビーが産まれてやっと3人になりました。
 住んでいる場所と病院との距離を考えてくれたのか、2回目の診察は4週間後との事でした。スリランカでも妊娠8ヶ月では、2週間おきの診察が普通らしいです。3回目の診察からは2週間おきになりました。

 さてこの様な環境で、陣痛が来てから山を下りる訳にもいかず予定日の約20日前よりコロンボの知人宅に居候させて頂く事になりました。
 当初、簡単にホテルに滞在すれば良いと思っていましたが洗濯、食事、産後は、ベビーの沐浴やお世話をする事を考えるとホテルではとても無理だとこの方にアドバイスを頂き、ご好意に甘えてしまいました。
 実際に出産をし、ベビーのお世話が始まると本当にホテルに滞在していたら大変だっただろうと思う事ばかりでした。洗濯物を干す場所も無いし、食事は、外食かルームサービス、最初は、母乳が充分に出ないのでミルクをつくるお湯や哺乳ビンの消毒など・・・。ホテルのバスタブで新生児の沐浴をするなんて想像するだけで腰痛になりそうです。
 また、この方は、日本で助産婦をされていたので出産に関するきめ細やかな予習をして下さり、何でも質問出来ましたので不安などみじんもありませんでした。

 海外で出産をすると言うと、英語は大丈夫?とか何かあったらどうするの?とかいろいろ言われました。でも無責任かもしれませんが出産は、病気ではないしごく自然に進むものだし、また、なる様にしかならないし、と思いました。何か問題が発生するとしてもそれがスリランカだから、日本だから、という理由で発生する問題は、あまり無さそうですし・・・もちろん、日本での診察で何か問題点が有ったとすれば無理にスリランカで出産をするつもりは、ありませんでした。

 私自身の性格は楽天的なので出産に対しての考え方は個人差が大きいかも(^^ゞそんなこんなで出産をし、翌々日に退院し、産後約2週間居候生活をし、その間入院もし、自分の住むヌワラエリア近くのリンドゥラに戻りました。

掲載:2000年


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安産と楽しいマタニティライフに役立つ101用語を解説。 監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長





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