私の出産体験記

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海外での出産と育児事情


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ワシントンでの出産

Kazuyoさん ワシントン在住(2000)

状況、情勢が変化しておりますので、参考情報としてお読みください。

He is late...
Very scary situation
Is it over?
Welcome to the outside world!



He is late...

予定日は8月29日。
その日に母も2週間の予定で来てくれて、あとは陣痛を待つばかり。なのに、どんどん日が過ぎて行ってしまい、お母さんも暇を持て余すし、少し焦ってきた。超音波で羊水が減ってきていないか、などを調べるが異常なし。うーんどうしよう。予定日を過ぎると2日おきくらいに検診に行くのでそれも疲れる。子宮口を柔らかくするには精液が効くそうで、勧められるがそれどころじゃないよー。助産婦さんにも、ナチュラルバースしたい旨は伝えてあるので、誘導はできるだけ避けたい。
結局、10日過ぎた時点で、「ジェル」と呼ばれる子宮口を柔らかくするもの(精液に含まれるものと同じホルモンで作られているのでケミカルではない)を使用して様子を見ることに。
あまり効果のない場合もあるので、4時間おきに3回試して、兆候がなければ家に帰り、その翌日に促進剤の使用を検討することで同意しました。


Very scary situation

9月9日。実はその朝出血がありました。「おしるし」と呼ばれるもので、お産が近い証拠ですが、だからといってすぐ陣痛が来るとも限りません。ダンナは午前中どうしても抜けられないミーティングがあるため、義父母が私と母を病院まで連れて行ってくれました。入院の用意もして。朝7時半のアポイントでした。お産も、入院も同じ部屋で行なわれます。助産婦のローラがきて、少し話したあと、さっそくその薬を入れました。ところで、私は「お産は病気ではない」という事で、助産婦さんを選びました。でも、赤ちゃんのためには、しっかり設備が整っていて欲しかったので、病院出産のできる助産婦産を選んだのです。

5分ほど経過したころ。お母さんは横で本を読んでいて、私はモニターにつながれた状態で、看護婦さんと少し話をしていた。一瞬、「え?息苦しい」と思ったその瞬間。看護婦さんが「大変!」とあわててインターコムで応援を呼ぶ。他の看護婦さんがすぐにきたけど、「ローラをすぐよんで!」と叫ぶ。その傍ら、初めて見る酸素吸入器を出して私に被せ、よつんばいになるように指示されました。私は途端に気分が悪くなって、言われたとおりよつんばいになる(赤ちゃんにかかるプレッシャーを最低限に押さえるため)だけで必死。普通は130ほどのはずの赤ちゃんの心拍が、50以下にまで落ちていたのでした。今思うと、私が息苦しくなったのは、赤ちゃんが必死で酸素を取ろうとしてたんだなあ、と。。。

ローラがきて、筋弛緩剤を注射。子宮が急速に伸縮し始めてしまったようです。そして入れたジェルを取れるだけ出しました。もちろん、手で。どれだけ痛かったか、想像できますか?でも数分後には納まり、心拍も元に戻りました。かわいそうなうちの母、わけもわからずびっくりして。。。私がとても口が聞ける状態じゃないときに、突然ローラが「オカアサンダイジョウブ、シンパイナイ」。へ?検診中一度も日本語ができるなんてゆわなかったのに。あとで聞くと、高校の時1年日本に留学してたんだって。

どうやら、おしるしは記るしてたようで、おそらくジェルを使わなくても、その日のうちに陣痛がきていたんだろうとの事。やっぱり、やっぱり自然に任せるのが良かったんだ、とすごく後悔。かわいそうに赤ちゃん、苦しかったのかなあ。大丈夫やったから良かったけど、もし。。。なんて考えると本当に怖い。


Is it over?

おかげで、陣痛は始まってしまいました。それが9時頃でした。ディナーのころには生まれるんじゃないかとの事なので、さっそくダンナを呼びました。大事なミーティングもなんのその、普通40分はかかるのになんと20分後には病室についていました。そこでお母さんは待合室に出て行きました。 バースプランをたてたとき、陣痛の初期(10分間隔くらい)には、病室で音楽をかけて、散歩に行って、シャワーをあびて、ってことになっていたのに。。。ジェルが拍車をかけ過ぎたようで、いきなり3分間隔ほどの陣痛で始まってしまいました。こんなはずじゃなかったのにー。一度心拍が落ちてしまったこともあって、モニターもはずせず身動きも取れない。そして徐々に10分から縮まって行くはずの痛みがいきなりやから、もうそれは痛い。2時間後には5センチまで開いてしまいました。経験者ならお分かりでしょうが、こんなにはやく子宮口が開くなんて、もうものすごい痛さ。もう頭の中は真っ白で、音楽どころじゃない。いつごろだったか、トイレに立た されたときに戻したので、点滴もつながれてしまった。それで、あまりの、あまりのつらさで、こんな痛いのがあと5時間も6時間も続くなんて耐えられない!と泣き言を行ってしまい、ナチュラルバースの意気込みはどこへやら、痛み止めを打ってもらうことにしました。点滴に入れてもらったのですが、「きかへんと思うよ」といわれたその通り、効くどころか、痛みはどんどん激しくなる一方でした。

おもしろいな、と思ったのは、痛みは1分ほど続いて、次の痛みまでインターバルがあるのですが、陣痛の間は、頭が真っ白で、もう気を失うんじゃないかと思うくらい痛い。でも、そのインターバルになると、ダンナに「このあたり押して」とか、話せる余裕ができるのです。ダンナにはもっぱら腰を押してもらっていました。助産婦さんがずっといてくれたので、(これが、お医者さんとの違い!助産婦さん、本当にお勧めよ!)ローラの手を握り締め、ローラに助けを求めていました。ダンナが後に、ちょっとショックだった、といってました。あまりにもローラに頼って、ダンナに見向きもしなかったので。でも、これをわかってくれるのは彼ではなくローラやもんね。。。

ディナーごろとの予想とは裏腹に、私の子宮口はどんどんと開いて行き、赤ちゃんはどんどん下がってきていました。12時半頃、陣痛が始まってなんと3時間ちょいでなんと全開になってしまいました。いよいよ「push」です。ここまでが、いちばんつらかった。ものすごい痛みに、どうしようもなく耐えるしかなかったけど、これからは、痛みが来る度にいきめるから、「楽」になった。ここからは、あまり「痛かった」という記憶はないのです。

鮮明には覚えていません。なんせ必死やったから。。。「頭がみえたよー」とか聞こえて、それから3回ほどのプッシュで、あっけなく、元気な男の子が出てきてしまいました。出てきた瞬間、すごーく気持ち良かった。生あたたかい羊水と一緒に、つっかえてたものがぼろって出てきた感じ。ほんとに、やったー!!!!という感想でした。ダンナは、赤ちゃんと一緒に声をあげて泣いてたけど。。。1時20分、なんと4時間で終わってしまったお産でした。

横の写真は生後数分のグラントです。母子同室なので、すぐ横で体拭いたりしてくれるので安心です。自分の赤ちゃんが新生児室に連れて行かれるなんて、想像もできへん。。。


Welcome to the outside world!

終わってみたら、あの痛さは嘘のようで、結構私はけろっとしていました。まだヘソの緒がつながったままの状態でローラが赤ちゃんを持ってきてくれたときも、「あ、かわいー」と笑って言えたから。エリックが緒をぶちっと切って、すぐ横で赤ちゃんを拭いてくれました。胎盤が出て、あっという間に出てきた分かなり裂けてしまっていたので縫ってもらってから赤ちゃんをもらって、さっそくおっぱいをあげてみました。もちろん要領もわからず大変でしたが。。。

こちらはご存知の通り24から48時間で退院です。こちらの日本人の間で賛否両論あって、私は早く家に帰りたいほう。私はヘルプがたくさんあるからいいけど、こちらに親戚などいない人はできるだけ病院で助けてもらいたいと思うのは当然。歩くのもやっと、椅子にも座られへんのに。。。

母と、義理の両親は病室のすぐ外で待機していたので、すぐに赤ちゃんとご対面。こんな菌だらけの外界の人とすぐに接触させるなんて、ほんまいいんやろうか。夕方には他の家族や友達も続々お見舞いにきてくれました。

日本ではまだ一般的に行なわれている、浣腸や会陰切開、剃毛なども全く行ないませんでした。要は不必要、という事ですね。本当にあっけなく終わってしまったのですが、希望どうりほとんどNaturalにできたので、まあまあ満足のいったお産だったのではないでしょうか。次も、絶対に助産婦さんにします。最後に、ずーっとサポートしてくれたダンナをはじめ、ローラ、心配しながら楽しみに待っていてくれたみんな、どうもありがとう。

掲載:2000年


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安産と楽しいマタニティライフに役立つ101用語を解説。 監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長





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