マタニティの歯のケア

歯育・子どもの歯を育てる

1. 赤ちゃんのために知っておきたい
マタニティの歯のケア【Part.3】

取材協力・監修:北原信也 先生(2006年9月掲載・2017年11月再編集)

妊婦検診の現場では、妊娠中の歯のケアや、胎児の歯胚(乳歯の芽)と母胎の栄養など、妊婦の歯と赤ちゃんの関係についての説明は、残念ながらほとんどなされていないのが現状です。
そのため、マタニティやその周囲では「妊婦は歯医者に行けない」「カルシウムを赤ちゃんに奪われてしまうから、産後は虫歯になりやすい」といった誤解が多いのです。
シリーズ1回目は、、マタニティの歯がどのような状態になっているのか、また、妊娠中の効果的な歯のケアについて、ノブデンタルオフィスの北原信也先生とともに学んでいきましょう。

【Part.1】妊娠中は歯医者に行けない、は間違い?!

【Part.2】歯周病が早産を引き起こす原因に?

【Part.3】つわりの時の歯のケア、どうしたらいいの?



つわりの時は、起きて身体を動かすのはもちろん、ものを食べるのも歯ブラシを口に入れるのもつらいものです。どうしても歯のケアがおろそかになりがちなこの時期、少しでも気を楽にしてケアができるよう、北原先生にアドバイスをいただきました。

ちょこちょこ食いには、キシリトールで予防

「虫歯が起こる仕組みとして、食べ物を口に含むと、唾液の分泌の影響で、食後5分で口腔内の状態は中性から酸性に傾きます。酸がある一定のラインを超えると脱灰(だっかい)といって歯が溶けやすい状態になります。口の中が中性に戻るまでは30〜40分を要するのですが、つわりの時はどうしても間食、いわゆるちょこちょこ食いが多くなり、口の中が中性に戻る前にまた酸の数値が上がってしまうということを繰り返します。これによって、口の中は常に虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすい状況になります。
つわり時の虫歯対策としては、食後すぐにキシリトールを食べること。キシリトールは酸を抑制し、脱灰を防ぐ働きがあります。しかし、食べ過ぎるとお腹がゆるくなることもありますので、適度な量の摂取を心がけてください。その後、ていねいに歯をブラッシングするのを忘れずに。
つわりで歯を磨くのがつらい時は、歯磨き粉は匂いや刺激の少ないものに変える、歯ブラシも子ども用など小さなヘッドにする、前屈みになって掻き出すように磨くなど、少しでも楽な気持ちでブラッシングできるようにしましょう」

妊娠中はどうしても歯科検診に不安を感じる人もいますが、出産後はそれこそ育児や家事に追われ、なかなか歯の治療に取り組む時間がとれません。お腹の赤ちゃんが健康な歯を持つためにも、マタニティの歯のケアは大切です。
プレマタニティの人でも、妊娠を考えたら歯科医に相談し、適切な口腔ケアの仕方をアドバイスしてもらうとよいでしょう。


マタニティの歯のケア

One Point Advice
北原先生のワンポイント・アドバイス
マタニティの歯科医の選び方

北原 信也(きたはら・のぶや)先生(ノブデンタルオフィス院長)
顔、唇、歯、歯肉それぞれを科学的かつ審美的に分析し、一般治療から審美修復治療、メインテナンスプログラムにおけるまで、口腔プロデューサーとして治療・予防に全力を尽くす。著書や講演会も多数。歯のケアを通して子どもの知的発達を促すことを目的とした歯科医と教育カウンセラーによる日本初の「歯育」プロジェクト、ノブキッズ・プロジェクトの代表でもある。


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歯育・子どもの歯を育てるデンタルケア

歯育・子どもの歯を育てる インデックス

1.赤ちゃんのために知っておきたい
 マタニティの歯のケア

2.赤ちゃんの歯の健康は胎内からスタート

3.乳歯の生える時期と赤ちゃんの虫歯

4.0歳からの歯のケア

5.はじめての離乳食と歯の健康

6.よく噛んで、健康で頭のいい子に育てよう!

北原先生のワンポイント・アドバイス


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