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![]() 「母乳育ちの赤ちゃんは、そうでない子と比べて病気にかかりにくい」という話を、耳にしたことがある人は多いでしょう。実際、母乳で育てられた赤ちゃんは、突然死(SIDS)の発生率や、小児糖尿病、小児がん、中耳炎などのリスクが低いというデータがあります。 さらに、母乳の中には、赤ちゃんの体を外敵から守る免疫物質や抗菌物質がたくさん含まれています。そのひとつが、人工乳には含まれない「分泌型免疫グロブリンA(IgA)という物質です。 分泌型IgAは、ウイルスや細菌の侵入を防ぐという役割で知られていますが、メリットはそれだけではありません。この分泌型IgAは、赤ちゃんの胃や腸の粘膜に広がり、粘膜を覆うため、アレルギーの原因となる異種たんぱく分子などの侵入を防ぐ役割もあることが分かってきたのです。 |
おなかの中で母親の胎盤を通して栄養をとっていた赤ちゃんも、この世に生を受けてからは、口から栄養をとり、消化器官で消化・吸収することになります。その栄養源となる母乳は、いったいどんな成分からできているのでしょうか。 実は、母乳の成分は、赤ちゃんが産まれたばかりのころと、3〜4日経ってからのものとでは、かなり異なります。また、赤ちゃんがいつ、どんな状態で産まれたか(早産児や低出生体重児であるか否かなど)によっても違ってくるのです。つまり、その赤ちゃんにいちばん適した状態の母乳が、その子の母親の乳房から分泌されるというわけです。自然の摂理とは、つくづくよくできたものだと感心させられます。 まずは、「初乳」と「成乳」の違いからみていきましょう。 初乳とは、赤ちゃんが産まれたあと3〜4日くらいまでの母乳のことで、その後分泌される成乳と比べ、濃くてねばねばしており、透明〜黄色がかった色をしています。この初乳は、妊娠7カ月までの間に母親の乳房で作られています。初乳は、たんぱく質やビタミンAを多く含み、赤ちゃんを病気から守る「分泌型IgA」が大量に含まれていることなどが大きな特徴です。そして、初乳には胎児の排便を助ける緩下作用(下剤のように急激に便通を促すのではなく、ゆるやかに便通を促す作用)もあります。 初乳が分泌されるのは、およそ産後3〜4日ほどと言われています。つまり、ほとんどの女性が、産院にいる間ということになります。この時期、人工乳や糖水、水などを与えられる赤ちゃんもいますが、生まれたばかりの赤ちゃんの腎臓は、大量の水分を処理するようにはできていないため、母乳以外の水分を飲ませることは、赤ちゃんの体に負荷をかける結果となってしまいます。 そのため、WHOでは、「産後30分以内に母乳育児が開始できるように母親を援助する」「医学的に必要でない限り、新生児に母乳以外の栄養や水分を与えない」といったことを、UNICEFとの共同声明の中でも強調しています。
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