マタニティのセルフケア

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マタニティのセルフケア-7 おっぱいの話2

おなかの中の赤ちゃんにもやさしい、自分でできるナチュラルケア法「マタニティのセルフケア」の8回目は、おっぱい(母乳哺育)について。

食事とおっぱい2

おっぱいと母親の食事は、密接な関係。妊娠中、産後の食事について気をつけたいこと。

協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室


おっぱいがおいしい、まずいということを、赤ちゃんは敏感に感じとります。あまり神経質になることはありませんが、赤ちゃんの飲みが悪いなとか(飲みながら暴れたり、噛んだりします)、調子が悪いなあとか思ったら、食事を検討し見直してみるといいでしょう。

食事をしたあと20分くらいで、口にしたものがおっぱいに出てきます。私自身、ビールを飲んで20分くらいしてからおっぱいを上げたとき、子どもの目の回りがぽわっと赤くなってきたことがありました。とうがらしが入った料理など、辛いものも反応が出ます。

アルコールや刺激物などは、母乳に移行して、それが出てしまうまで乳房に蓄積されていますので、自分で絞るか、赤ちゃんに強引に飲んでもらうかしかありません。私も子どもたちに、ごめんねと言いながら飲ませたことがありましたが、飲んでくれる子と絶対に飲まずに拒否する子がいて、個性がありました。



乳線の太さは人によっていろいろで、ひとつの乳首でも太い乳腺と細い乳腺がまじっています。左右差もあります。乳腺は妊娠中に発達しているので、ワイヤー入りのきついブラジャーはその妨げになってしまうことがあります。妊娠中もできるだけやわらかな乳帯のようなものをつけたほうがいいでしょう。ノーブラでもいいくらいです。

産後は、おっぱいマッサージを受けることをおすすめします。出産した産院に母乳外来などの相談窓口がない場合は、地域の助産師さん*に相談してみましょう。トラブルが起こった場合はもちろんですが、ふだんから母乳についての相談窓口をもっておくと、何かあった場合にマッサージが受けやすくなります。マッサージをする助産師にとっても、はじめての方より何度か診てきた方のほうが、乳腺炎の対応もしやすいものです。

とはいえ、母乳哺育の指導にはいろいろな考え方があり、マッサージの方法もさまざまです。食事療法をすすめるところが多いのですが、あまり指導方法が厳しいと、実践できないこともあります。無理して食事を制限してよけい辛くなってしまうこともあるので、コミュニケーションがとりやすい、相性のいい専門家を選ぶといいですね。

*地域の開業助産師の情報を知るにはbabycomの助産師情報、または日本助産師会(www.midwife.or.jp/index.html)が参考になります。



授乳をしていると、ある日突然、高熱が出ることがあります。熱が出ないケースもありますが、乳房全体がはれ、乳房のどこかにしこりができて、とても痛くて辛い症状が出たら乳腺炎です。病院に行くと、炎症止めと抗生物質が処方されることが多いようですが、薬によって熱は下がりますが、しこりそのものは解消されません。しこりは自分で絞ってもうまくとることは難しいので、専門家のマッサージを受け、全部絞ってもらうようにしましょう。しこりの部分をとってもらえば、それだけで熱は下がってきます。

乳腺炎になったら、アイスノンなどで急激に冷やすことはおすすめできません。冷やしても、しこった部分をほぐすことはできないからです。熱があってどうしても冷やしたい場合には、じゃがいもシップやさといもシップなどの自然な治療法で。

じゃがいもシップは皮をむいてすりおろし、小麦粉を混ぜ、耳たぶくらいのやわらかさにして、ハンカチか日本手ぬぐいに包みます。じゃがいもペーストが直接肌に当たらないように、布のあいだにサンドイッチ状態にして痛いところに貼ります。直接肌につけてしまうとかぶれるので要注意。ペーストが乾いたらとり替え、何度かこれをくり返します。アイスノンとは違って冷やし過ぎず、余分な熱を吸収してくれるので、炎症がそれ以上悪化するのを防ぎます。夜中に急に熱が出たときなどはシップで応急処置をして、翌日、専門家に診てもらいましょう。

自然食品屋では、さといもパスタの粉末を売っています。それを水で溶いて同じように使いますが、さといもパスタはちょっとお肌にきついので、アレルギーのある方、かぶれやすい方は、自分でじゃがいもパスタを作ったほうが安心です。




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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長


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