マタニティのセルフケア

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マタニティのセルフケア-7 おっぱいの話2

おなかの中の赤ちゃんにもやさしい、自分でできるナチュラルケア法「マタニティのセルフケア」の8回目は、おっぱい(母乳哺育)について。

食事とおっぱい3

おっぱいと母親の食事は、密接な関係。妊娠中、産後の食事について気をつけたいこと。

協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室


母乳は、哺乳瓶のように目盛りがついていないので、赤ちゃんがどれくらい飲んでいるのかわからないから不安、というお母さんがいます。

赤ちゃんがわけもわからずに泣いてばかりいるようなときには、「おっぱいが足らないのかしら?」と思い悩むこともあるでしょう。赤ちゃんは体重が増えていて、うんちやおしっこがちゃんと出て、元気であれば、おっぱいは足りている証拠ですから心配はありません。うんちがなかなか出ないとか、おしっこの回数が減っている場合にはおっぱいが足りていない可能性もあります。

何かトラブルが起きたり、赤ちゃんが泣いていたりすると、おっぱいが足らないせいだと思いがちです。夫や母親に「足らないんじゃない?」と言われてしまうこともあります。でも、おっぱいを規則的な時間に欲しがる子もいれば、不規則な子もいます。いつもおっぱいを欲しがるような子もいます。欲しがるから足りていないというわけではありません。それも赤ちゃんの個性なんですね。

反対に、実際は足りていないのに泣かない子もいます。小エネ型で、いくら起こしても寝ていて、あまり飲まない食の細い子です。なかなか飲まなくて、寝てばかりいるようだったり、泣いてばかりいるような場合には、乳質が悪いのかなあと思って食事を変えてみるのもひとつの方法です。そんなときには自分で判断しないで、専門家に相談してみてください。



赤ちゃんの舌の形によっても、飲み方に癖が出ることがあります。

上くちびるが短い子の場合は、おっぱいを吸うときに上くちびるが口の中へ入りこんでしまうことも。この場合、乳首にうまく吸いつくことができず、ゴックンゴックンおっぱいを飲めません。そのために、乳腺がつまって乳腺炎になってしまうこともあります。おっぱいに吸いついている赤ちゃんをよく見て、上くちびるが中に入ってしまっているようなら、くちびるをめくって外にひっぱり出してあげてください。

赤ちゃんがよく飲めない原因のひとつに「舌小帯(ぜっしょうたい)」について言われることがあります。舌小帯というのは、舌の裏側にある舌を支える筋のことですが、これが短いと乳首をパクッとくわえられずに、じょうずに飲めないと言うのです。日本人は他の民族に比べ、舌小帯はもともと短いほうなのでほとんど問題はないのですが、母乳指導をされる方の中には「飲み方が悪いのは舌小帯が短いせい。舌小帯を切れば飲みはよくなる」とよく言っている方々がいます。たしかに舌小帯を切ると多少、筋(スジ)は伸びるのですが、手術を受けた赤ちゃんのお母さんの中には「舌切りスズメのようでショックだった」とカウンセリングを受けに来られた方も実際にいらっしゃいます。

よく泣く、そりかえっておっぱいを飲まないなどの原因を、舌小帯と関連づけて、次の日とか明後日など、早急に手術をすすめる専門家もいますが、手術を受けたからといって、だれもが100%改善されるかといえば、そうでないこともあり、舌小帯の問題は今でも賛否両論です。
小児科医の多くは、舌小帯については悩むことはないと言っています。とはいえ、母親になったばかりでこの問題に出会ってしまうと、ほとんどの人はとても心を痛めます。自分のことであれば、自分なりの考え方で判断ができるのですが、いざ子どものことを指摘されると、多くの人はいいと言われることならなんでもしてあげたいという気持ちになってしまいます。そんなとき、専門家に言われたことはとっても心に響きます。
でも、舌小帯が短くてほんとうに切開が必要な子というのは、まれなこと。舌小帯のことを言われて心が動いたら、セカンド・オピニオンを求めて小児科や、ほかの専門家など、他のだれかに相談して、よく検討してみてください。




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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長


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