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最近、新聞などで“父もの”が増えている。昔から父は父なのに、なんで今さらまた父なのか?
まあ、父が父としてのアイデンティティーを、母ほどもち得なかったせいかも。ここにきて少年犯罪なんかが増えて、それってやっぱ家族が希薄になっているせいかも、とか言われ、さらに父も会社ばかりで働くのもバカバカしくなってきたからかもしれない。

そこで、いったいいつから父は父となりえるのか、といった疑問がわいてくる。
母は妊娠、出産を通して肉体で母となるのだけれど、父は難しい。

出産は、文化人類学では「女性にとっての通過儀礼」だと言われています。妊娠、出産を通して、母は母となる。そうしたら、父にも通過儀礼があってもいいのではないか。逆に言えば、その通過儀礼がはっきりしないから、父としての自覚がもちにくい現状があると思います。
しかし、肉体を通すという通過儀礼がない父に、人類はなかなか文化としての“父の通過儀礼”をつくってきた例がけっこう少ないんですね、これが。
父親の出産の立ち合いを儀式として捕えてきた文化は少ない。これを考えると、“父としての通過儀礼”を多くの文化が必要としてこなかったということになります。

文献をひもとくと、カリブの民族では、擬娩というものがあったそうな。陣痛が始まった妻の脇で、夫も同じように陣痛を味わうといった儀式がありました。これは、人によっては今でも、妻のつわりのときに夫がつわったり、陣痛のときに同じようにおなかが痛くなったりといった男性が、います。しかし、こうしたことは、現代では儀式というより個人的な生理とされています。文化としては、擬娩というのは成り立っていません。
しかし、昔はそれなりに父親の役割は、狩りに出かけたり、お国のために戦ったりと、そうしたいわゆる男性的と言われた行為に置き換えられて、家長としての役割を果たしていたのでした。現代では、母が働くようになったりして経済も母、父両方でになってきたりすると、父親のステイタスはなかなか維持することができなくなって、何かここで、はっきりとした“父の通過儀礼”を確立する必要に迫られてきたのかもしれません。

もうひとつは、過去、すごく古くは、人類の繁殖はメスに牛耳られていて、父というものは動物のように、べつに家族の中でたいした価値のない社会がありました。母系社会では、父は単なるタネであって、まあ、それが済んでしまえば、あとは女が育てればそれでいいといった社会であったのかもしれません。単に、子育てが繁殖、あるいは子孫繁栄であるなら、べつに家族という絆なしに子が増えればいいのですから、父親という存在はタネの価値さえあればそれでいい。今も、シングル・マザーの中にはそうした考えをもつ人もいます。
しかし、やはりそれでは男性は、さみしいもの。ここで、やはり家族の中での父親という存在を維持していきたいと望むのであれば、父親としての自覚、それを生む通過儀礼が必要になってくると思われます。通過儀礼というのは、本人の自覚とともに、他者へ自分のアイデンティティーを誇示する目的もあるわけですから、「おれが父親だぞ!」と強調するための儀礼がやはり必要になってくる。

で、何をもって“父の通過儀礼”とするのか。通過儀礼というのは、文化の申し子ですから、勝手に創造することができる。現代における“父の通過儀礼”というものを今、つくり出す時期にきているのかもしれません。
でないと、“父”という存在は、女性の地位が上昇すればするほど、あやういものになってくるからです。
その“父の通過儀礼”が出産の立ち合いではないかと、私は思うのですが、ほかに何か“父の通過儀礼”となるものがありましたら、是非教えて下さい。では


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