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不妊体験・不妊治療レポート
不妊を考える「ウノトリはやってくる?」


不妊だと自覚、あるいは認識するボーダーは
不妊治療体験レポート-2
bさん
結婚10年目はじめて子どもを欲しいと思うようになった

 26才で結婚。それから10年間、子どものいない生活を楽しんできました。ふたりとも仕事に明け暮れる生活。でも、それがとても充実していたし、私自身はとくに子どもを欲しいと思っていませんでした。

 夫は内心、自分のDNAを継承する子どもの存在を望んでいたようです。夫の実家からは赤ちゃんコールが、たびたびありました。それでも私たちはつくる予定はありませんでしたから、夫が「プライベートな問題だから干渉しないで欲しい」と親に伝えたこともあります。
 子どもがいてもいいな、と思うようになったのは35才のとき。夫が40才を越えたころです。ふたりの関係に新しい展開が欲しいと感じたころで、それには子どもという存在の登場が私たちにとって一番自然な形に思えたのです。夫の子どもはどんな子だろう、という興味もありました。

 自然な成りゆきに任せて、妊娠を待ちましたが半年たっても徴候はありませんでした。25才のとき、結婚前に私は、卵巣脳腫の手術を受けています。右の卵巣に問題があり、卵巣は残したのですが、そのとき医師から「妊娠しにくいかもしれません」と言われていました。そのとき結婚は決まっていましたが、子どものことはまったく考えていなかったので、そう言われたことにとくにショックは感じませんでした。医師のその一言を思い出し、これ以上自然な妊娠を待つより、早めに受診したほうがいいと考えて、産婦人科を訪れることに。夫も同意見でした。
 検査した結果、右の卵巣が以前の手術の影響で無排卵ということがわかりました。さらに、左の卵管がつまっていました。検査結果を聞いた翌月、年齢的なことを考えて有名な不妊専門クリニックに転院。積極的な治療に入りました。体外受精を年に4回受け、4回目で授かりました。

 不妊治療は私にとって、受験勉強のようなものだったかもしれません。目的を設定して、それに向かってまい進した。はじめのうちは、体外受精をすればすぐに授かると思っていました。でも、受験のように自分の努力次第で結果が出ることではありませんから、途中で気持ちが揺らぐこともありましたし、実際ひじょうに辛かった。続けるうちに、結果に結びつかなくても、やるだけやってみきりをつけることで納得しようという思いになっていきました。1年間という短期間だったので、今はいい経験だったと思えます。


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