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シックハウス症候群
“新築への入居”をきっかけに始まる
シックハウス症候群
新築の家に足を踏み入れたとき、強い薬品の臭いを感じたことのある人は多いかと思います。あの鼻につんとくるような刺激臭。人によっては、その臭いを嗅ぐことで目がちかちかしたり喉を傷めたり、頭痛の原因になることも。
これは一般に「シックハウス症候群」と呼ばれる健康障害で、5、6年前からテレビや新聞でクローズアップされるようになりました。
発症のきっかけは「新築の家への入居」が約9割(国民生活センター調べ)だとか。つまり、住宅に使われている建材や接着剤が直接の原因であることがほとんどなのです。そのため、「新築病」「リフォーム病」とも呼ばれています。
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住宅に使われる様々な薬品が身体に悪影響を及ぼす
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子ども達の心と身体の成長を狂わすことも
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シックハウスの対策はどうなっているの?
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学校にも広がる化学物質「シックスクール」にも要注意!
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取材協力:
積水化学工業(株)住宅カンパニー
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住宅に使われる様々な薬品が身体に悪影響を及ぼす
住宅に使われている化学物質は、多くは建材や接着剤、塗料の溶剤などに含まれるホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、木材保存剤、可塑剤、防蟻剤など。とくに「ホルムアルデヒド」はよく耳にする有害物質の代表格。目や喉の痛みのほか、呼吸困難や慢性的なアレルギーの原因になるという報告もあります。しかも建材内部の接着剤に使用されていることが多く、揮発しにくいために影響が数年に渡って長く続くやっかいものでもあります。
また建材だけではなく、住宅で使われる殺虫剤や防虫剤、洗剤などの化学物質も、高気密住宅では残留し続けて身体に害を及ぼす原因となっています。
これらの化学物質は身体に様々な症状を引き起こします。個人差もありますが、ホルムアルデヒドが空気中に0.08ppm含まれていると臭気を感じ、0.4ppmだと目や喉、鼻に刺激を感じ、0.5ppmを超えれば喉の痛みを感じるという報告があります。トルエン、キシレンは濃度が200ppm程度で倦怠感や知覚異常、吐き気を起こすと言われています。
子ども達の心と身体の成長を狂わすことも
シックハウス症候群は、原因である住居から離れれば症状は消えます。しかし、シックハウス症候群をきっかけに「化学物質過敏症」へ移行してしまうことがあります。そうすると、住居から離れても様々な化学物質に反応してしまうように。また、化学物質は「
子育て環境とアレルギー
」で詳しく説明したとおり、慢性的なアレルギーの原因となることもあります。化学物質そのものが直接神経や筋肉を刺激してアレルギー症状を起こすのです。ひどいときには“トータルアレルギーシンドローム”といって、皮膚、目、喉、鼻、肺のすべてに重症なアレルギーをひき起こすことも。
そして今、新たな問題となっているのが子どもたちへの精神面への悪影響です。最近の研究では、微量の化学物質が脳の神経系へ影響を与え、微妙な脳のコントロールを乱す可能性があることがわかってきました。化学物質の影響は多動症や自閉症、また、「キレる」傾向の強い性格となって現れることもあるといいます。
シックハウスの対策はどうなっているの?
こうした問題を受けて、国もシックハウス症候群に対する対策をとり始めました。
そのひとつとして、2003年7月に新しく建築基準法に加えられたのが「24時間換気システム」の義務化。これは住宅内の人が出入りするすべての部屋において24時間運転できる換気ダクトを設け、2時間につき1回の割合で部屋の空気を全部入れ替える、というものです。年中エアコンを利用することが一般的になり、省エネの性能を高めるために住宅の高気密化と高断熱化がすすんでいることが背景にあります。
また、ホルムアルデヒドの指針値は1997年から設定され始め、2000年にはトルエン、キシレンをはじめとした7種、2001年には6種の化学物質の指針値が設定されています。しかし、これはあくまで「指針」に留まるもので、たとえ従わなくても罰則はありません。2003年7月の建築基準法では、ホルムアルデヒドと防蟻剤のクロルピリフォスの法的規制が発動されましたが、この2種だけではまだとても十分とは言えないのが現状です。
では、建築業界の対策はどうかというと、シックハウスが問題になり始めた90年代中ごろから、いくつかの自主規制基準が対策としてとられています。壁装材料協会ではホルムアルデヒドや重金属の基準値を示したり、接着剤、可塑剤に化学薬品を含まないものに「ISM」(インテリアセーフティマテリアル)マークを貼っています。また、日本農林規格(JAS)は合板の、日本工業規格(JIS)はパーチクルボードのホルムアルデヒド放出量の基準を定めています。
国も建築業界も何らかの動きは見せているものの、国のシックハウスに対する対策はまだ始まったばかり。また、建築業界も自主規制はあっても建築業者のすべてがそれを採用しているわけでもなく、シックハウス対策を万全に備えているわけではありません。
つまり、シックハウス症候群から子どもたちを、また、自分自身を守るためには、国と建築業者まかせでは安心できないということです。シックハウス症候群という健康障害があるということを知り、信頼できる建築業者を選ぶ目をもつことが大切になってきます。
「
私たちができるシックハウス対策
」へ続く。
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学校にも広がる化学物質「
シックスクール
」にも要注意!
化学物質による体調不良や精神障害が学校施設内で起こることがあります。それが「シックスクール症候群」。シックハウスの学校版です。学校施設の増改築で使われた建材や塗料、学校で使われているワックスや洗剤、農薬散布、プールの塩素などが原因で起こると言われています。
学校に通う誰もが発症するのではなく、化学物質に過敏に反応する児童だけが反応を起こしたり、他の病気と間違われたりするため、複雑な問題となっています。シックスクールが原因で転校をする子ども達も現れています。
こうした子ども達への対策をと、文部科学省は学校・教育施設、幼稚園、保育園の新築・増改築等に際して、ホルムアルデヒドやその他の化学物質の室内濃度測定を2003年4月に義務付けました。検査の項目にはダニの数も新たに加わり、化学物質以外のアレルギーに対する配慮も加わっています。
また、東京都では都立学校内の化学物質濃度を国の基準値の半分以下とするのを目標に設定。工事が原因で化学物質濃度が基準値を超えた場合、業者の責任で改善させるなどのマニュアルも作成しています。
しかし、シックハウス症候群と同じように、国の対策はまだ始まったばかり。文科省は専門家による調査研究会を設置しましたが、まだシックスクールの実態の調査方法を検討している段階です。
そんななか、症例を集めて、シックスクール問題の解決を行政に訴えている保護者や専門家の市民団体も数多くなってきました。その結果、無公害の接着剤やワックス、洗剤を採用したり、改築の際に無公害の床材、塗装を選択する動きも見え始めています。
それらは被害を受けた子どもの保護者たちの積極的な働きかけから始まり、学校、自治体側の理解があって始めて生まれた動きです。学校は子どもたちが一日の長い時間を、何年も過ごす場所。住宅と同じくらい、その環境について注目しておきたいものです。
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