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ぎどんさんへ 謝罪と散文 トマトの気持ち  -- 2005/08/13 ..
いつもながらの暴走特急、呆れられている方が多いのかもしれません。
ぎどんさんのスレが、私の発言でこれ以上ぶれてしまうのは心苦しいので、悩み迷いましたがぎどんさん宛てという形で別スレットを建てさせていただきました。
掲示板がツリー型だとよかったのになぁと思っています。
いきなりのタイトルでビックリさせてしまってごめんなさいね。
もし、嫌気が差さずにいていただけるなら、ぎどんさんをはじめ興味を持たれた皆様、お付き合いくださいませんか?

ぎどんさんが書かれた「皆様、ありがとうございます」の掲載前に書いた文章だったので、ぎどんさんの状況をわたしは知らないで書いた文章でした。ぎどんさんがさぞ、気分よくない文章だったのではと恐縮しています。
ぎどんさんの場合をじかにお聞きしているわけではありませんでした。
>「私をどう育てるべきか」とおっしゃっているのと同じです。
>子育てに正解はないのに「どう育てるべきか」などとは誰にも言えないと思っています。
おっしゃること、そのとおりです。
ただ、私はそういうような意味ではなく、例えば、出産時のNICU病院の確保や、生まれた後の掛かりつけの医師、サポートしてもらえる公共機関等、あらゆるものを活用できるように準備するための…等等、そういう意義をもって受ける羊水検査で有って欲しい、堕胎を前提の羊水検査であって欲しくないとの想いからの発言でした。

 私には自分が妊婦になる事をすっかり諦めていた頃からの、まだ若い友人がいます。友人は脊髄小脳変性症(SCD)のDNA検査(血液検査)を受け、自分がその遺伝子を持っている事がほぼ確定しました。友人は恋人が出来、その当時まだ症状がなく、その遺伝子を受け継いでいない事を確認したかったのです。ところが、結果は違い、友人と恋人はその事実の重さに当惑し、結婚に向けて相手方の両親に話すべきか?本当に結婚していいのか?子供を授かっていいのか?また、ぎどんさんがおっしゃられているような、>保因者である私は幸せだと断言できるけれど、自分の子供には遺伝による苦労をさせたくない。この矛盾した気持ちは、理屈では説明できません。<というような事も含むとても重い告白を受けた事がありました。友人は二人だけの人生を送っている私に、そういう人生で良しと吹っ切れているように見えたようで、聞いてみたくなったらしいのです。
それで、私も必死にいろんな事を調べたのです。
生半可で中途半端な事は、とても無責任には言えないですから…。
命について、遺伝のしくみ、染色体、DNA、SCDという病気、それに伴う、これからの科学のゆくえ、いろんな倫理観、立場、障害、障害者を取り巻く環境、調べれば調べる程、聞けば聞く程、見れば見る程に、増えていく疑問や焦燥感。そういった事を友人と長い時間話し、数年を過ごしました。私の羊水検査や命の問題にやっきになっている原点のひとつなんです。
この友人との出会いが無かったら、おそらく何かしら障害があった場合、私はなんの躊躇いもなく、子供を諦めていたかもしれない人間で、障害児を育てる事を最初から放棄することが当たり前と考えているどうしようもない奴でした。

>血液で遺伝子レベルまで正確に判断できるなら、私の娘にも正確な情報を簡単に伝えられるのに…と思います。
参考程度の話になりますが、
たぶん、お嬢さんが20歳を超えたとき、お嬢さんご自身の意思でDNA検査を受けたいと希望されたときに検査は出来ると思います。検査自体は血液の採取だけだったと思います。ただ、現行では20歳以下の場合は受けることが出来なかったと記憶しています。ただし、どのDNAかが確定されているものに限られていると思いますので、遺伝子外来などに問い合わせるとその辺のことはすぐわかると思います。

その2に続く。


わざわざありがとうございました   ぎどん
続きです   トマトの気持ち




 

   >>> わざわざありがとうございました ぎどん   -- 2005/08/13..
 
トマトの気持ちさん、

なかなかPCを開く時間がありませんでした。ごめんなさい。
もうごらんになっていないかもしれませんが、非常に誠実な書き込みをしてくださったので、お答えしなければならないと思いました。

謝罪をしていただかなければならないようなことは全くないと思っています。もしかしたら私の書き方がきつすぎて、怒っているように読めたのでしょうか?そうでしたらごめんなさい。却って申し訳ありませんでした。

DNA検査のこと、もちろん存じております。私が出産した病院にも遺伝外来がありますし。私がかなさんへの返答で書きたかったのは、「(妊娠中の私の)血液で正確に判断できるなら、私の娘にも(今すぐにでも)正確な情報を簡単に伝えられるのに」という意味でした。ただ情報を「伝える」だけなら娘が大きくなるのを待って、DNA検査を受けさせるかどうか選択させればいいのですが、まあ、そうなると、不必要に大仰な感じが漂いますよね。私が始めから情報を知っていれば、毎日の暮らしの中で、タイミングを見計らってさらっと伝えてやることもできるわけです。実際、大したことはない障害ですから、あまりおおごとだと思いかねないような伝え方はできれば避けたいな〜、と思うわけです。私の言い方が舌足らずでした。ごめんなさい。

それから、着床前診断や羊水検査と、私が出したような仮定の薬とでは、受精卵を対象にするのかどうかがあるので「倫理観」という言葉は、私の考える範囲からはちょっとずれています。むしろ、それを使う社会の「成熟度」かな…。例えば、葉酸を妊娠前から妊娠初期にかけて多めに摂取すると、神経系の障害が出にくいという傾向は今でも知られていて、葉酸の摂取に努めていらっしゃる方はたくさんおいでですよね。私もそうでした。でも、その努力は「倫理観」を必要とはしません。じゃあ、「出にくい」ではなく「100%出なくなる」だったら倫理観が必要ですか?葉酸ではなく「きんぴらごぼうを3年間食べつづけると神経系の障害が100%出なくなる」だったら?それらは私の出したような「仮定の薬を飲む」とどう違いますか?

トマトの気持ちさんにはトマトの気持ちさんの基準がおありでしょうから、「葉酸を摂取するのだって、確率が100%に全く届かないから倫理観は必要ないけれど、100%に近いなら倫理観が必要」とお考えになるかもしれませんし、それはそれで一つの基準だと思います。私自身は、100%に近いような障害の予防法を手にするまでは、私たちは成熟度を問われず、ある意味のほほんと過ごしていても許されているのだと思っています。けれど、100%に近い障害の予防法を手にしたら、私たちは、予防法を使う人も、使わないことを選択した人も、できるだけ条件が変わらずに過ごせる社会を作る責任を負うのだと思います。「この障害は○○だから予防法を適用していいけれどあの障害は△△だから適用しない」という、予防法自体にたいする基準ではなく、どんな障害にもその予防法を適用していいけれど、予防法を選択しなかった人も同じように生活できる社会を。そう思っています。

実際、私が自分の遺伝についてのほほんと構えていられるのは、この遺伝が命に関わるものでも通常生活に影響を及ぼすものでもない、ということがまず大きいですが、それに加えて、この遺伝に関する限り、制度的な制限が廃止される方向に動いているから、という流れもあると思います。私は、仮定の薬を「使うかもしれない」と言いましたが、実際には「使わないかもしれない」とも思っています。制度自体が撤廃され、サポートの体制も整っていたら、必要ないんです。区別がなくなるんですから。全体がそういう社会であれば、命を救ったり、生活を豊かにしたりするための予防法に倫理観を持ち込まなくてもすみます。そういう社会を達成していない一員として、私は羊水検査の結果妊娠を中断なさる方の決断に対しても責任があります。他の方に同じ考えを押し付ける気は全くありません。ただ、私はそう思っています。
 





   >>> 続きです トマトの気持ち   -- 2005/08/08..
 
続きです

>「どの医師が腕がよく(=精度が100%で)、どの医師が腕が悪いのか」を共有したい気持ちも自然でしょう。
羊水検査そのものの技術的な精度は間違いなく99.99%以上の精度なのは、確かなのではないでしょうか。
それがもし、日本に限って違うことが起こっているのならばという大前提のもとで考えると採取する医師か検査する企業の技量の差での誤差しか起こりえないことだと思うのです。
どこにもそういう情報なんて、残念ながら、日本では公表されません。
それなので、ここにそういう情報が集まるとすれば、凄く意義のあることだと私は思っています。元のスレットを建てられた勇気と簡潔で解りやすい質問形式に凄いなぁと思っていました。わたしはつるし上げなんて思いませんでした。
日本で公表が出来ないのは、こういう意識が働くからなんだろうなぁとも思いました。

 フランスや、アメリカなど海外では、クワトロ・トリプル・ダブル・などのマーカー検査にしろ、データの蓄積がしっかりとあり、日本より相当良い精度を持って、判断がされているという事を聞いたことが有ります。更に羊水検査についても、日本より格段に自信を持ってデータを詳しく妊婦さんに説明されていると聞いたことがあります。
くしくもにもさんがそれを教えてくれているように思えて仕方有りませんでした。
日本では、本当に一握りの医療機関でしか、そういう自信と誇りを持って結果を伝えてくれる所はないのでしょうか?違っていてくれることを信じたい1人です。
だからぜひ、実例、事実を知りたいと思っていました。

 その一方で、これからそういう状況になる方、今まさにそうである方に対して、自衛策としてセカンドオピニオン、サードオピニオンというものが有るという事も、声を大にして言っていかなければならないのではないかと思ったのです。
そういう言葉自体、近年ですよね?私たちに浸透しはじめたのって…。

>妊娠の中断を決意なさった方が多くご返答くださる中で「堕胎をする前に」と敢えておっしゃることに、どのような意図をお持ちだったのか、と少し考えてしまいました。

この有意義なスレットのどんな実例も、今向き合っている妊婦さんには不安材料の一つにしかならないとも思うのです。
正確なものだと信じられればこそ、妊娠をどうするか?の選択も可能だと思うのです。
わたしは、前述にも書きましたが、どのような決断をされたか尊重されるべきだし、目の前に置かれた検査結果は間違いないと思いたいです。他意はありません。
ただ、言葉の配慮不足で申し訳ありませんでした。気分を害された皆様に心からお詫びいたします。

>例えば、100%副作用がなく、私の障害がないほうの性染色体を持つ卵だけを受精させてくれるような薬があったら、私は使うかもしれません。
現在、某医師による、着床前検査を行い、妊娠→出産をしたケースがすでに出ており、その技術が該当するのではないかと感じずにはいられませんでした。
命の選別にかかわるこのフライングを日本産婦人科医会による検討が始まっていますね。TVや新聞で、話題になっていたのでご存知だと思います。
技術はすでに出来上がっている、あとは私たちの倫理感によるところが、実施するための条件とのすり合わせなのだろうと思います。
以前、さくさくさんがこの話題を提供してくれています。
考えれば考えるほど、難しすぎて私には、こうだという意見が持てずにおります。

また、NTについても3mmは染色体異常が少ないとの報告も海外ですが、上がったと見聞きしています。エコー検査も日進月歩です。
かなさんのおっしゃっている母体の血液検査から胎児からの抽出も実用段階までもう少しのところまで来たのですね…。この技術の事を知ってから2年ほどは経過していますので、感慨深い思いがあります。
これが主流になった時、私たちはエコー検査の気軽さでこれを受けるようになるのでしょうか…と思わずににはいられませんでした。

まとまりのない文章にお付き合いくださった皆様に感謝いたします。