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出産を前にして、いろいろ悩んでいる人の話を聞いていると、その中に親との関係が見えてくることがよくあります。

Sさんは、夫の仕事の関係で海外に住んでいますが、出産の半年も前に郷里に里帰りしてきました。彼女ははじめ麻酔による無痛分娩を希望していました。麻酔分娩は欧米ではかなりポピュラーな選択になっていますし、痛みに強い不安を覚えている人にとっては、福音かもしれません。それでも、薬物を使うわけですからそれなりの副作用やリスクも伴います。さらにSさんは、ご主人が出産のときに帰国できるように、計画的に日を決めて陣痛を誘発する計画分娩も合わせて考えていました。

計画分娩は、あらかじめ出産する日を決めて陣痛誘発剤で陣痛を起こす方法ですが、これは麻酔よりもさらにリスクがあります。生まれてくる日は、だれでもないおなかの赤ちゃんが決めるので、こちらの都合でうまく陣痛が誘発されるかどうかは、なかなかわかりにくいもの。赤ちゃんがまだ準備が整っていないときに誘発しても、ひじょうに生まれにくいことがあります。その場合でも、日を決めたわけですから、その日に産ませなければならないと、かなり強引に「出す」ということをする場合があります。

陣痛誘発と麻酔というふたつの薬物を使って、出産することは2重のリスクを負うことになります、という話をSさんに伝えました。話をするうちに、彼女がなんでそうした出産を望んでいたかがわかりました。

まず、誘発剤や麻酔を使った出産にリスクがあるということを知らなかったことです。もうひとつは、海外にいる夫と出産の日にいっしょにいたいということ。「それなら住んでいる海外での出産も考えられますね」というと、「私の母親が心配しているので」と早々に里帰りした理由を話してくれました。母親が心配しているから、里帰りしたというのです。

自分の親との関係が、子どもを産む時期にいろいろと表面に出てくることがあります。とくに心配症の母親や、娘をコントロールしようとする母親が多いように思います。
妊娠前のある女性は、自分の父親との関係について話してくれたこともありました。とても支配的な父親だったので、自分が子どもをもつと、その関係がくり返えされてしまうのではないかと恐れ、妊娠することを躊躇している、というのです。

出産しても、そうした親の陰はなかなか消えません。育ててもらった親の態度は、自分が親になるモデルになります。そうした親にはなりたくないと思っても、それが出てしまうのではないかと心配になるし、子どもを産んでもすぐにその親から逃れることは難しい。
親子関係は、根が深く、難しいものです。

でも、自分が子どもを産もうとしている今、思い切って、親に向かって自分のやりたいように、思いを打ち明けてみたらどうでしょうか。もちろんやんわりと、今まで以上に慎重に伝えなければなりません。でも、うまく伝えられれば、関係は少し変わってくるでしょう。それによって自分の子どもへの思いも、変わってくるかもしれません。

マタニティ・クラスでは、情報の提供だけでなく、参加者のからだと心をほぐすプログラムを実践しています。話すこと、からだを動かすことで、心の糸がほぐれ、お産に向けて前向きになり、妊娠期間をさらに楽しく過ごすことができるようなればいいな、という願いをこめて。

残念ながらマタニティ・ヨーガクラスでは、お話をする時間がほとんどありません。ご希望があれば、個別にご相談させていただきます。

マタニティ・クラス 『Tea for You』
第14回 2003.12掲載


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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長





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