はじめてのお産を前に、いろいろ不安を抱えている方は多いもの。もちろんお産に限らずどんなことでもはじめてのチャレンジには、不安はつきものです。でも、お産は健康な妊婦さんにとっては病気ではありません。あまり不安にならずに、妊娠中の楽しい過し方を考えるほうがずっと前向きです。
マタニティ・クラスに参加している人たちは、それぞれどこで産むかを真剣に考え、その人なりのやり方で産院選びをしています。産む場所選びは、お産が納得のいくものになるかどうかを決める大切なポイント。妊娠初期からじっくり検討して、用意周到に吟味する人もいますし、産休寸前に「なんだか産院を変えたくなった」と、あわてて情報を集めて奔走する人もいます。
「産む場所にはこだわらない」「お産が病気でないのなら、どこで産んでも同じ」という意見の人もいますが、はたして「どこで産んでも同じ」かどうか、これはやっかいな問題です。『自然出産』といっても、病院や産院によってその考え方はまちまちだからです。
妊娠中の検査の内容や、出産のときに施される医療的処置などは、施設によって千差万別。
具体的には、帝王切開、会陰切開の率が施設によって違いますし、医師によっても違いがあります。浣腸、剃毛、血管確保の点滴、分娩台の上での仰向けの姿勢など、どこの施設でも同じようにやっているわけではありませんし、予定日を越えたときや逆子のときの対応なども施設によってさまざまです。
こうしたことはなかなか見えにくいのですが、インターネットやパンフレットなどで、医療内容について情報を開示している施設もあります。情報をオープンに提供している施設は、それだけ産む人たちへ配慮している姿勢を感じさせます。
医療の内容は、産院の外観や規模、サービスとはまったく違うもの。フランス料理を出したり、おみやげをいっぱいつけてくれるということだけでなく、自分にあった医療を提供してくれるかどうか、見極めたいもの。
ポイントは、こちらの話に耳を傾け、質問をしたときにていねいに答えてくれるかどうかということ。そうした医療者の姿勢は、医療を受ける人を尊重してくれているかを知るめやすにもなります。
医療者とのやりとりは、互いの信頼関係を結ぶポイントでもあります。
信頼関係を結ぶということは、簡単なことではないかもしれませんが、もし「あんな対応をされたけれど、だいじょうぶかなあ」とか、「あまり説明をしてくれない、話を聞いてもらえない」という一抹の不安や疑問があったまま出産に臨んだ場合、何もない安産だったらいいですが、万一何か納得のいかない結果になった場合、信頼関係を築いてきたかどうかが、気持ちの中で大きな差として出てくることもあるかもしれません。
「こんなはずじゃなかった」ということにならないように、「この先生や助産師が言うことなら納得できる」「よくやってくれた」という結果になるように、出産場所はきちんと選びたいものです。
babycom産院選び「お産のチェックポイント」
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