逆子について
妊娠8ケ月のころ、逆子になる赤ちゃんはたくさんいます。
妊娠30週くらいまで は、赤ちゃんは羊水の中で、あっちに行ったり、こっちに行ったり、フワフワとして いますが、30週くらいになると、だんだんおなかの中がきゅうくつになってきて、 その姿勢は固定してきます。
その時期に逆子ということがわかると、医療者もハタと 考えてしまうのです。
逆子は、生まれるときに、頭ではなく、お尻から生まれてきますから、一番最後に 大切な頭を出さなくてはなりません。この場合、頭より先にへその緒が出てしまうの で、産道にへその緒が挟まって、脳への血液循環が悪くなり、赤ちゃんは危険な状態 になりやすくなります。自然なお産がしたいと望んでいても、逆子の場合だと帝王切 開になることもありますし、助産院や自宅での出産を希望していても、そこで産めな いということもあります。
30週を過ぎてなお逆子の場合には、逆子治しの体操などして治す努力をしてみま しょう。水泳に通っている人は、水の中で逆立ちをすると効果のある場合があります 。さらに、おなかに手を当てて、赤ちゃんに「このままでは、自然に産めないかもし れないから、できるだけ頭を下にしてみようね」と言いきかせるものいいでしょう。 これは、けっこう効きます。
34週になっても治らない場合には、おなかの外側から赤ちゃんを回す『外回転術 』という方法や、お灸によって治す方法があります。これはいずれも専門家に行って、行います。
逆子体操は、仰向けに寝て、ひざを両たてて、腰を上げます。腰の下にクッション か低い椅子などをおいて、10分ほどこの姿勢を保ちます。かならずしもこの姿勢で なくても、要は、子宮口(赤ちゃんの出口)を子宮底より高くする姿勢をとるという ことです。少し苦しいですが、よつんばいの姿勢から、手を組んで腕を曲げて床につ け、その上に顎をのせる姿勢(顔、肩の部分を床につけてお尻を上げる)でもかまい ません。
30週くらいから毎日1〜2回この姿勢をとってみて、次の健診のときに逆子が直っているかどうか、聞いてみましょう。しかし、こそ姿勢をとったことによって、必ず治るということでもないようです。
あとは、夜寝るときに、赤ちゃんの背中側を上にした状態で横になって寝ます。赤ちゃんの背中は、おかあさんのおなかの右にあることもありますし、左側にあること もあります。右の場合には右を上にした姿勢で寝ます。これは、赤ちゃんの背中を上 にすることによって、重力をつかって赤ちゃんの背中を下にしようというもので、その動きとともに、赤ちゃんが姿勢を変える可能性があるということです。
最終的に逆子が治らない場合には、出産施設によってその対応はまちまちです。健 診のときに、逆子で出産する場合には、どのような医療措置がとられるのかを、聞いておき、納得のよく解決方法をみつけましょう。
きくちさかえ 掲載1996 更新:2000
お産コラム byきくちさかえ
妊娠、出産は、はっきり言って“修行”です
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逆子