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自分らしいお産を選ぶ

 .........出産のヒューマニゼーション
 .........主体的なお産を
 .........自分らしいお産を選ぶ
 .........産院を選ぶとき
 .........インフォームド・チョイス

 by 進 純郎(Shin Sumio)

出産のヒューマニゼーション

現在、わが国の出産は99%が、病院やクリニックなどで行なわれています。周産期医療は出産の安全性をより高めることを目指し、出産を管理することによって、周産期死亡率や妊婦死亡率を世界最高の水準にまで低下させてきました。しかし一方で、本来、生理的な自然な営みである出産をまるで病気のように医療の対象として捕らえ、出産は手術室のような分娩室で管理されるようになってしまいました。

こうした出産のあり方に疑問を感じ、見直しを求める声も上がっています。「産む」「生まれる」という行為はとても人間的な営みです。本来人間的である出産を、あたたかいケアに守られた環境の中で喜びをもって迎えてもらいたいという願いから、「出産のヒューマニゼーション」という言葉が生まれました。

現在、産科学の技術は大変進み、安全性は高まりました。これからは、技術的な面だけでなく、あたたかい出産ができる環境を提供し、サポートしていくことが医療の役目だと思います。

産む人が医療に守られたあたたかいケアを受けることによって、出産は喜びを感じられるような人間的なものになっていくでしょう。その出発点が、その後の育児にもつながっていくと思います。



主体的なお産を

産む人たちの中には、管理された出産の中で、だれかが産ませてくれると思いこんでいる人もいます。分娩台に寝て耐えていれば、赤ちゃんが出てくる。あるいは、麻酔分娩をすれば痛くない出産ができると、医療に自分をゆだねて、他人まかせのように考えている女性たちも少なからず見られます。

人間的な喜びをもった出産をするためには、自分の出産を自分のこととして主体的に考えていく必要があります。もちろん妊娠健診から出産まで、医療は医学的なサポートを十分に行ないます。それでも、産むのは自分だという自覚と、無事に出産できるように妊娠中の健康管理などの責任をもつことは大切なことです。


自分らしいお産を選ぶ

産む人が主体性をもつということは、出産というものが本来どういうものなのか、知ることでもあります。出産にはさまざまな医療的な処置があり、出産法や分娩姿勢なども、いくつかの方法があります。出産のプロセスを娩強したり、出産のときに分娩室でどのようなことが行なわれるかなど、知っておく必要があります。
出産場所を選ぶにあたっても、こうした知識と情報が役にたつでしょう。

買い物をするときのことを考えてみましょう。はじめに、いくつかのデパートを歩いてみて、比較検討してみる人が多いのではないでしょうか。出産は商品を買うことと同じではありませんが、自分のための大切な営みですから、その中味を比較してから産院を選んだり、出産の内容に関して自分にあったものを検討してみることはできます。
ひと昔前まで、医療施設は自分のところで行なっている診療内容や出産方法について、情報を提供することをしてきませんでした。医療法によって、広告が規制されていたという理由もありますが、医療を受ける側には情報がなかなか伝わっていきませんでした。しかし今は、インターネットなどでいろいろな情報を得ることができますから、内容を検討した上で、施設を選ぶことは可能です。

最近は、外来にセカンド・オピニオンを聞きにやってくる女性も少しずつ見られるようになってきました。別の産院にかかっていて、こんなことを言われたのだけれど、ほかの病院の医師はどんな意見だろうかと、聞きにくるわけです。そういう人は情報を集め、さらに検討材料を求めてほかの病院へわざわざやってくるわけですから、とても勉強しています。いろいろな施設を見たり、医師の意見を聞いたりして検討することは、いい傾向だと思います。


産院を選ぶとき

出産場所を決めるときには、まずいくつかの施設に、電話で問い合わせてみるといいでしょう。電話での対応も判断基準のひとつになります。直接行って、説明を聞いたり、パンフレットをもらってくることもできます。
医療内容に関しては、外来や出産準備クラスなどで質問したり、その施設で出産した人に聞くことができるでしょう。
何回か受診してみて、「自分には合っていないかもしれない」と感じたら、転院することは可能です。里帰り出産や転居など、途中で転院される方はたくさんいます。

葛飾赤十字産院では、妊娠検査に来られた方には、外来のあと助産婦による相談室でガイドを受けていただいています。病院の健診や出産の内容をいくつか紹介して、まず選択肢があるということを説明します。もちろん、ご希望があれば、それも聞いています。さらに、出産の準備クラスなどで具体的に説明した上で、バース・プラン*を書いていただいています。


インフォームド・チョイス

 葛飾赤十字産院では、産む人のニーズに答えるために、選択肢を用意しています。これまでは分娩台の上で仰向けの姿勢で産むことがあたりまえのように思われてきましたが、産む人が一番楽な姿勢で産めるようにも配慮しています。こうした出産方法はフリースタイル出産と呼ばれているものです。
また、分娩姿勢だけでなく、正常な出産の場合の医療的な処置についても説明しています。従来の出産には、ルーチンと言って、あらかじめ用意された医療処置がたくさんありました。たとえば浣腸や剃毛、会陰切開などは、ほとんどの出産で適応されていたのですが、こうした医療処置は今、医学的にも見直されるようになってきています。

必要のない場合には医療介入をできるだけ避け、前回帝王切開の方も、できるだけふつうに出産できるようにトライするなど、産む人の希望を尊重しています。
このように、産む人が、医療関係者から診療内容や出産方法について説明を受け、その中から自分にあったものを選ぶことをインフォームド・チョイス*といいます。

出産場所や出産の方法は、情報を集め、自分なりにバース・プランをたてることによって、選ぶことができると思います。それには、まず、出産に対して積極的にかかわっていく姿勢が大切でしょう。


<babycom注>
バース・プラン: 自分の出産についての計画書。どのような出産をしたいか、希望や計画を書き込む。

インフォームド・チョイス
「いくつかある可能性のそれぞれについて、利点と欠点の説明を受けたあとに、その選択肢の中から自分にもっとも適していると思われるものを選ぶこと」(『WHOの59ケ条 お産のケア実践ガイド』戸田律子訳 農文協)。WHOでは1996年に出したガイドブックの中で、“出産する場所についてのインフォームド・チョイス”の必要性を上げている。

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