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お母さんと赤ちゃんの栄養学

お父さんのための栄養学

あなたの食生活は健全ですか?

文:鈴木たね子(すずき たねこ)農学博士
鈴木たね子 東邦大学 薬学科卒業後、農林水産省(水産庁)東海区水産研究所 生物化学部長を経て、日本大学教授(食品学)、国際学院埼玉短期大学教授(食品学、栄養学)。現在は国際学院埼玉短期大学客員教授。「健康のための食生活」をテーマに、執筆、講演活動をしている。
主な著書:「魚とつきあう健康法(農文協)「猫も知りたい魚の味」(成山堂書店)「栄養学総論」「食品学総論」「食品加工学」(共立出版)など。



20代の後半から40歳頃までは、いわゆる働き盛りの年代で、気力も体力も充実しています。
しかし、職場でも家庭でも一番いそがしい年代で、またいろいろと気使いも多くなります。
多忙のために不規則な生活時間となり、肉体的にも精神的にもストレスが多く、お酒の飲みすぎや喫煙、睡眠不足、運動不足等で健康が蝕まれ易い状態にあります。
かわいい赤ちゃんのためには、両親の健康がなによりです。

仕事に疲れたら休養をし、またストレスも余りうけないように、と思っても現実には無理なことです。
そこで、この様な生活のなかで健康管理をするためには、まず食生活を見直してみることです。
次の質問に答えてみてください。

いくつあてはまりますか。

全部イエスならばあなたの食生活は健全といえます。

1)朝飯は必ず食べている。

2)週に3回は魚を食べている。

3)人参、ほうれんそう、こまつな、ピーマンなどの緑黄色野菜をよく食べる。

4)緑茶、じゃがいもその他キウイーフルーツ、いちご、みかん類など果物を良く食べる。

5)きのこ、海藻類、豆類など繊維の多いものをよく食べる。

6)週2日つづけてお酒を飲まない日が ある。

7)昼食には、ハンバーガーや、スパゲッテイーなどの一品料理よりも定食を食べている。

8)間食に甘いものを大量に食べたり、よくジュースを飲んだりしない。

7)3度の食事時間はだいたい規則正しい。



働き盛りのお父さんは職場でも家庭でもストレスが多く、なんとかしてこれを克服して、快適な生活をしたいと思っています。
では、私たちが簡単にストレスといっているものの正体はいったいなんでしょうか。
ストレスという言葉は本来は工学で「歪」と称しているものです。外から急激な刺激が加わると、体は内部環境を一定に保とうとする、すなわち恒常性を維持しようと努力します。そのために起きる生体の歪をストレスといいます。ストレスを起こす刺激をストレッサーと呼びます。

会社でいやな上司がいるとか、家に帰ると奥さんと母親の仲が悪いとかは心理的なストレッサーですが、騒音や寒冷、暑さなどは物理的なストレッサーです。私たちは多かれ少なかれストレッサーにとりかこまれて生きています。ストレッサーが強すぎればストレスは体の限界を超え、また長い期間ストレスが継続しても体はこれに耐えられず病気になります。
しかし、心の持ち方や、日頃の食生活のあり方でストレスに打ち勝つことができます。サラリーマンのあいだでは、疲労の回復や、ストレスに強くなるため、栄養ドリンクに頼ることが多いようです。これは一過性に良くなるだけで、本来は毎日の食事でストレスに負けない必要な栄養素を摂取すべきです。
外傷を受けたり、重い感染症にかかったりという急性のストレスでは、体の栄養成分のなにが不足して来るかは研究できますが、慢性的な精神的ストレスについてはなかなか測定が出来ません。従ってまだわからないことが沢山あります。
けれども、はっきりしていることは、ストレスでは体のたんぱく質が壊れやすいことです。ということは、ストレスの時はたんぱく質を沢山摂取することが大切です。

質の良いたんぱく質を沢山含んでいる食品は、脂の少ない肉、大豆製品、まぐろ、かつおなど魚肉です。また、ストレス時には副腎皮質ホルモンが多量に分泌されますが、このホルモンは、ビタミンCが必要です。したがってストレス状態の時にはビタミンCを沢山含んだ食べ物が良いわけです。Cが多い食物は、こまつな、からしな、パセリ、ブロッコリー、ほうれんそうなどのほか、いちご、キウイーフルーツ、みかん、かきなどの果物です。
このほか、ストレスがあるとカルシウムやマグネシウムも尿から失なわれますから、カルシウムの多い乳製品やマグネシウムの多いこんぶ、わかめなどの海藻類も食べましょう。


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