プロに教わるお金のレッスン Lesson2

子育て世代の貯まる家計管理のコツ(2)

子どもが生まれた世帯が陥りやすい赤字家計とは?

わたしたちFP(ファイナンシャル・プランナー)が受ける相談内容は多岐にわたりますが、子どもが生まれた夫婦によくある相談の一つが家計診断です。子どもが生まれたことで出費が増え、家族が増えたことでお金の使い道も変わり、以前のように貯金もできなくなったことなどがきっかけとなり、家計を根本的に見直したいという考えに至るのが一般的のようです。また家計診断に関しては、母親からの相談がより多い傾向にあります。
今回は家計診断に関する相談の中でよくあるケースを見ていきます。

......DINKS時代のお金の使い方を抜本的に見直す Bさん夫妻の場合

毎月の家計を赤字から黒字に転換したい/Aさん


掲載:2018年4月3日

夫が家計に関心がなく、子どもが生まれてからも生活スタイルが変わっていないことに不安を感じる奥さま。子どもが生まれて家計が以前より厳しくなっているため、家計全体について専門家からアドバイスがほしい。

家族のデータ
夫(40歳会社員)妻(40歳会社員)長男(1歳、近々保育園に預ける)
川崎駅から徒歩5分、5200万円のタワーションを10年前に購入 
頭金1000万円、住宅ローンは変動金利で当初1.3%で借入
夫の手取り収入は月43万円
妻は現在、育児休業中で妻の手取りは育休前の20万円から10万円に減少、近々復職予定
長く不妊治療をした結果、貯蓄はほぼない状態
自家用車有り

図3【Bさん夫妻の育休中の家計】
※ボーナスは別途

babycom 子育ての経済学-現在の家計3

図4【Bさん夫妻の育休前の家計】
※ボーナスは別途

babycom 子育ての経済学-現在の家計4

FPのアドバイス
もともと子どものいないDINKSだったBさんご夫妻。
育休前は、二人で800万円程度の手取りがあったため、自由にお金を使ってきました。


しかし子どもが生まれ、奥さまが現在育休中で収入は育児休業手当金のみで以前の半分になりましたが、支出はDINKS時代と比べてあまり変わっていません。子どもへの出費も増えたため家計が赤字に転落しています。
もともとDINKSで生活していた夫婦に子どもができた時によくみられる家計のパターンです。全体の支出に占める住宅関連費用が高く、その他の支出も多いため、抜本的な対策が必要となります。

奥さまが半年後に仕事に復帰予定で、多少収入が増えますが、時短勤務で元の収入には戻らないと考えておくのが賢明です。現在の収入でやりくりできるよう家計を改善しましょう。


図5【Bさんご夫妻の家計改善実践後】

babycom 子育ての経済学-現在の家計5

<改善ポイント>

DINKS時代のお金の使い方から脱却する
奥さまの収入が減り、子どもが生まれて家族が増えたという状況を正しく理解して、お金の使い道を根本的に改善する必要があります。まずは家計の内訳を正確に把握しましょう。

固定費を削減する
家計で住宅関連費の占める割合が高い場合は、住宅ローンの借り換えを積極的に検討しましょう。現在は金利も低く、借り換えにより大きな効果を得られる場合もあります。通信費や保険料といったその他の固定費についても見直し対象です。車についても、レンタカーやカーシェアなどの利用に転換することが必要かも知れません。

将来かかるお金を予め経費として織り込む
今後予想される大きな出費として、子どもの教育費、住宅ローンの返済、老後の生活資金があります。将来必要となるお金を準備するために、予め貯蓄するお金を家計の支出の一部として考えておきましょう。 しかし保育園や幼稚園の費用など、お子さまが生まれた後は意外とお金がかかり、毎月の収支が厳しくなる傾向があります。ボーナスなどの一時収入を上手に活用して資産形成することを心がけましょう。

奥さまの復職後の収入は貯蓄に回す
復職しても時短勤務などで、子どもが生まれる前の収入からは下がることが予想されます。育休中の今しっかりと家計を見直し、それを今後も基準することで、奥さまが復職後に増えた分の手取りは、きちんと貯蓄に回しましょう。

将来の支出に備える
今から15年後には子どもの教育費がピークを迎え、さらに子どもが独立した後は退職して収入がないことも予想されます。住宅ローンの残債も残っている可能性も高く、今から年間の家計に占める貯蓄割合をできる限り引き上げることが求められます。


子育ての経済学2まとめ

今回は、子育て世代が陥りやすい赤字家計について、よくある2つのご家庭の例をご紹介しました。
共通することは、以下の3つです。

1.家計の収支を正確に把握して、計画的にお金を使う

2.見直すことができる固定費は積極的に見直す

3.貯蓄も家計の支出の一部とみなす


上記の1〜3を確実に実行することで、現在の家計改善はもちろんのこと、将来の家庭の経済状態も大きく変わります。 今対策することで、毎月、毎年積み重なっていくことを考えれば、少しでもはやく家計の改善をすることをおすすめします。
次回はお子さまの教育費について、ご紹介していきます。

(文・小関美代子/ ファイナンシャルプランナー)

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プロに教わるお金のレッスン インデックス

1.妊娠出産でかかるお金・もらえるお金

2.子育て世代の貯まる家計管理のコツ

3.わが家流・教育資金の賢い貯め方

4.夢のマイホーム、購入前に確認するポイント

5.子育て世代の賢い保険の選び方

6.家族の未来をつくるライフプランニング



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