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第5回 赤ちゃんを迎える前にできること。
 家の中の危険度チェック!2【転落・転倒、やけど編-2】

2005年9〜10月掲載
取材協力:植竹篤志 さん 積水化学工業 株式会社
     住宅事業部 住宅技術研究所


赤ちゃんの事故/家の中の危険度チェック

赤ちゃんの浴槽への転落事故と対策


転落・転倒、やけど
浴槽への転落事故
「少し目を離したすきに赤ちゃんが浴室へゆき、浴槽へ転落するという事故は多い。中に湯が残っていたら溺死の危険も。実際、家庭内事故での重症例の多くは浴室で起こる事故です。重症以上(重篤、死亡含む)の発生割合が居室が約60%、ついで多いのが浴室の13.4%ですから(平成13年「家庭内における不慮の救急事故」調べ)。とくに1歳代に多いのが特徴で、事故のきっかけは「転落」が最も多く、ついで「入浴中」、「水遊び中」と続いています」

国民生活センターの調査・実験によれば、2歳未満の幼児の浴槽への転落を防止するためには、浴槽の縁の高さが50cm以上あれば予防できることがわかりました(浴槽へよじ登るなどの複雑な転落しやすい条件を考慮しない場合)。とはいえ、浴室には子どものちょうどよい踏み台になりそうなバスチェアや洗面器もあるし「昨今ではバリアフリー化の流れで浴槽の縁の高さは45cm以下であることが多い(植竹さん)」。ではどうすれば……?

「一番いいのは浴室に入らないように子どもの手が届かない位置へ外鍵を設置し、使用しないときはいつも鍵をかけておくこと。また、入浴後はお湯を抜き、蓋をすることを習慣に」。

実に簡単かつ確実な対策法です。
同調査では、2歳以上になれば浴室の事故は激減するとか。それまで「残り湯を洗濯に再利用するのをがまんすることは事故防止のための必要経費」と考えてみてはいかがでしょうか。
また、溺水は洗面器やバケツ、洋式のトイレなどのちょっとした水でも起こる可能性があるので注意が必要です。10cmの深さでもおぼれるといわれているくらいですから、十分に注意をしてください。



飲食中の「やけど」

水の事故も多いけど、頻繁に耳にする事故として「やけど」も挙げられます。

■グラフ1:乳幼児の熱傷の原因(432人)

 出典:東京消防庁「家庭内における不慮の救急事故
    平成13年中より」
2歳以下の乳幼児に多い熱傷による事故の原因は「お茶・コーヒー類」が24.3%、「味噌汁、スープ」が17.4%(平成13年 東京消防庁調べ)。
「母親が赤ちゃんを抱きながらお茶を飲んでいたら、赤ちゃんが手を伸ばしてカップを落とした」「食事の支度中、テーブルによじ登ってお皿を倒した」など、いずれもテーブルの上に置かれた高温の飲食物によるものです。寒くなってくるこの季節、熱いものを飲食するときは赤ちゃんから離れる、食卓へ並べるときには食卓椅子に赤ちゃんを座らせて動き回らないようにしてから、など十分に気をつけたいものです。

また、「テーブルやキッチンカウンターに置いた電気ポットを倒した」という例も。
テーブルクロスなどもひっぱりやすいので危険です。赤ちゃんの手の届くところにこうしたクロスや電気コードなどはありませんか?
手に触れるものがあればひっぱってみたくなるのが赤ちゃん。また、手にしたものをなめるのも赤ちゃんによくある行動です。引っ張ると外れるコードを使った家電製品も多いですが、外れたコードの部分をなめる、というのも同じく危険。赤ちゃんのそうした気持ちを考えて、もう一度家のなかをチェックしてみましょう。

飲食中ではないですが、やけどといえばこれからの季節に登場する加湿器も同じく注意が必要です。
スチーム式は高温の蒸気が出るのでやけどの原因になります。また、ストーブも依然としてやけどの危険性が高い機器のひとつです。これらには市販のフェンスを設け近づけないようにするとよいでしょう。
また、低温やけども注意が必要。ホットカーペット、床暖房、電気毛布など加温する機器に長時間触れていると低温やけどを起こすことがあります。これらは長時間かけてゆっくりと起こるため、皮膚の深い部分までやけどが達します。
断熱気密性の悪い住宅では、冬の暖房時に上下温度差が発生しるため、下の方が冷えてしまうことがありますが、寒いからといってあまりこれらの器具を高温にすることは避けましょう。一般に皮膚の温度が40℃以上になると低温やけどが起こるといわれています。状況にもよりますが、熱の蓄積なども考慮すると、30℃程度以上の温度には長時間触れないほうが安全といえます。ファンヒーターなどの温風に長時間曝されているのも危険で、死亡事故が報告されています。

やけどは気がついたとき、すぐの手当てが必要です。衣服は着たまま、急いで冷水をかけ、やけどの範囲が広かったり深い場合は、患部を冷やしながら病院へ向かいましょう。水ぶくれはやぶれないように注意し、消毒した布で覆い、冷やすようにします。

また、はさまれも多い事故です。扉を開け閉めして遊んでいて指を挟んだ、お母さんのあとを追ってきてドアに手をはさんだ、お兄ちゃんに扉を閉められてはさんだなども多く起こる事故。重い玄関ドアなどの場合には大きな怪我につながりますから、これらに対する注意も忘れずに。


転落・転倒、やけどを起こさないためのチェックポイント

1 転倒対策の第一歩は家のなかの整理整頓
2 赤ちゃんがよじ登れるところは極力つくらない
3 お風呂に残り湯はためない
4 赤ちゃんがひっぱれるものは室内から排除
5 熱い飲み物、食べ物は手の届かないところへ置く


取材協力・情報提供:
 積水化学工業(株)住宅事業部 住宅技術研究所 主任技術員 植竹篤志さん

【植竹篤志さんプロフィール】
博士(工学)。日本人間工学会認定人間工学専門家。人間生活工学の専門家の視点からバリアフリーの研究開発を行い、現在は住宅内の快適な温熱、空気環境を研究中。
年齢や障害の有無に関わらず、すべての人が快適にすごせる住宅をデザインする専門家。家庭では7歳と2歳の男の子のパパでもある。




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1-1.乳幼児の事故に一番多い家庭内で起こる「転倒」
1-2.階LDK、リビング内階段…人気のプランが転落の原因にも!?
1-3.成長するにつれ危険度が増す転落、転倒事故



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