産まれて10分の赤ちゃんPhoto by sakae kikuchi
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お産の民族学

お産の民族学(日本)

文/きくちさかえ
掲載:1996年 更新:1998年 1999年 2006年


最近では、「妊娠したかなあ?」と思うと、みな産婦人科の門をたたく。妊娠判定は尿検査と超音波診断による。しかも、近年は内診型の超音波だから、かなり早期に妊娠がわかる。
しかし、その昔は、医学的な診断にたよることがなかったから、女たちが妊娠を自覚するのは、あくまで自己判断によるものだった。しかし、半数の女性が、妊娠5週目くらいまでには自覚していたと言われている。

その兆候としては、まず“つわり”。
いつもと違うからだの症状を察知して、妊娠を自覚した。
次に“無月経”。
生理が遅れて気がつくというものだ。そのほか、疲労感、基礎体温の変化、乳房の変化、微熱など。
“胎動”は、今でこそ「5ケ月になると胎動を感じる」という知識があるので、おなかの中で実際に赤ちゃんが動く前に“胎動”への準備ができている。
しかし、昔は何の予備知識もない中で、突然おなかの中で何かが動き出したのだろうから、その感覚も今では想像できないほど、官能的で感動的かつ神秘的なものであったかもしれない。
妊娠を自覚してもなお、昔の人はおなかが大きくなって人目につくまでそれを隠していた人が多い。これは、5ケ月の帯祝い(着帯)を公的な妊娠の認識とみなしていたからと、それ以前は身体を庇護しようとする女性の本能的な心理が働いたからだろうと言われている。


関連情報:プレマタニティのための産院選び
「妊娠かな?」と思ったら
.........婦人科と産科はどう違う?
.........母子手帳をもらう時期と、無料検診票について



つわりは今でこそ共通語だが、クセ、クセヤミ、チズワリ、ミヤミ、サーマキなどの方言があり、昔から病気とは違うものとして認識されていた。

“つわる”という言葉は、初潮の頃のこと、すなわち成熟する寸前の状態のことを意味する。また、木の芽が出て花のつぼみがふくらむことを“つわぶく”というところもあり、いずれも完熟一歩手前の状態を意味するところから“つわり”の語源はきているといわれている。

つわりには、夫がなるつわりもある。これはほぼ、全国的に伝承されていると言われている。宮城県や福井県では妻がつわりのとき、夫も同じ状態になることを、アイクセといっている。
福島県では、夫の食欲不振、嘔吐のことをトモクセという。これら、各地の夫のつわり伝承に共通していることは、夫がやさしい人であるという表現だ。
つわりが激しい夫を持つ妊婦はつわりを経験しないという話もある。これは、現代でもみられる現象で、気の弱い男性に多いといわれている。


つわりのケア

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「つわりのケア」
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文/きくちさかえ 掲載:1996年 更新:2006年


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