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いままでのインタビュー
No.9 中村 幸代(なかむら ゆきよ)さん
作曲家/音楽プロデューサー
1967年生まれ 東京
子ども:長男 2003年生まれ
パートナーの職業:音楽制作ディレクター
産休・育休:とくになし
仕事時間:決まっていない
休 暇 :決まっていない
パートナーとの育児分担:夫が在宅ワークのときは遊びや散歩の相手をする
パートナーとの家事分担:
家事の中心は自分。洗濯物干しやゴミ出しを夫がサポート
託児状況:特になし
困ったときの育児のサポート:夫
08:00
10:00
11:30
14:00
16:00
20:00
22:30
03:00
起床 ピアノの練習や曲作り
子ども起床
家族3人で朝食→夫出社(夫が在宅の時は子どもと遊ぶ)
家事(掃除、洗濯など)子どもと外遊びへ。
昼食 子どもが昼寝をしたら作曲の作業
子ども起床 いっしょに遊んだりおやつを食べたり。
お風呂に入れる。
夕食
子どもと遊ぶ(夫が在宅の時は夫が子どもと遊び、作曲)
子ども就寝 作曲の作業
就寝
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締め切りに追われながらの出産&産後
地球、自然、環境をテーマに、数々のテレビ番組の音楽プロデュースやライブ活動を行っている中村さん。感性を常に際立たせて創作をするということは、一年、ひと月、一日のなかでオン・オフに切り替える、という心の線引きもさぞかし難しいことだと想像できます。
実際、制作時期に入ると一日中作曲のことで頭がいっぱいになり、食事がのどを通らなくなることもあるとか。そんななかで、中村さんが「自然とそうなった」という育児のかたちは、仕事と子育ての同居スタイル。子どもと育児の時間をきっちりと線引きをせず、子どもの時間の流れや成長に合わせて仕事を組み入れてゆくかたちでした。現在は子どもが昼寝をしているときと、夜に眠った後の数時間を創作活動にあてているそうです。余裕のないときは夫や仕事のマネージャーに子守を頼むことも。
仕事の締め切り前や状況によっては、気持ちが追い詰められたり、ストレスを感じることもあるそうですが、この同居スタイルを選んだのには、彼女なりの大きな理由がありました。
「長男は出産予定日よりも2ヶ月も早く生まれてきた子。だから、出産したときはまだまだ仕事のスケジュールがびっしり埋まっているときでした。それまではとても順調でつわりもなく、夫も協力的でしたから、妊娠中も変わりなく音楽を制作していました。それが32週のとき、突然の破水!赤ちゃんの肺も十分に機能していない時期でしたから、なるべくおなかの中で成長を続けられるようにと、即入院して安静にすることに。それなのに、私はお医者さんに『まだ仕事が途中で…』と言っちゃって(笑)。そんなことよりもこの命のほうが大事でしょう!と怒られましたね。でもそのときはまだ母親になる実感がなく、仕事のほうが気になってしまって…。病院のベッドで点滴をしている間も、頭のなかは仕事のことばかりでした。その後、34週で無事に出産。小さな子でしたが保育器のお世話にもならずにすんだのはよかったです。でもギリギリまで伸ばしてもらっていた仕事の締め切りがあったので、退院して5日目には曲制作をしていました」。
締め切りに追われているなかでの出産、そして産後という厳しい状況になったのは、身代わりが立てられないアーティスト特有の苦労…。中村さんの育児と仕事の同居は、出産前後から始まりました。
●
希望にあふれた音楽を伝えたい!新しい強さくれたのはわが子でした
「すぐに仕事を始めたのはいいけれど、出産後は気持ちが不安定だったこともあり、辛く感じることもありました。産後の疲れと寝不足のなかでようやく曲が仕上がり、クライアントに出したら『イメージと違う』とメールで知らせがきたことがありました。そのメールのプリントアウトを眺めながら、搾乳をしていたんですけど、さすがに涙がこぼれてきて…。そのときは夫が助けてくれて、何とか気持ちも仕事も持ちこたえることができました。
それに何よりも、生まれた赤ちゃんに、新しい強さと気持ちの変化をもらったことが大きいです。今まで、環境破壊とか子どもたちのいじめとか…そうした事柄を嘆く気持ちが強くて、創る音楽も重くなったりして、影響を与えていたと思う。でも、出産後は明るく希望を感じる曲を書きたいと言う気持ちが強くなりました。赤ちゃんが、教えていないのにいっしょうけんめいハイハイをして、歩こうとしている。言葉にできない感動ですよね。そんな姿をそばで見ていたら、嘆く自分が小さく感じられたんです。小さな悩みに頭打ちにされているのじゃなくて、もっと飛び出していって自分が思うことを、曲を聴いた人に伝えられる強さを持ちたい。そう思えるようになりました」とひたむきに語る中村さん。傍らには、それを教えてくれたという息子さんが元気に遊んでいました。
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子どもが出会う"初めて"の瞬間をいっしょに過ごしたいから
息子さんの成長を見つめることで、新しい創作の力を得ることができたという中村さん。彼女が育児と仕事を同居させたライフスタイルを選んだ理由は、ここにあります。
「この子にとって、毎日の全部が初めてのこと。初めて歩いたとか、初めて石を拾ったとか…そうした一こま一こまを見逃したくなかった。こんなに世の中はきれいで楽しいんだと、自分がそばにいて伝えたい、と強く思いました。仕事はやめるつもりはなかったから、夫や仕事先の人に無理をしてもらうこともあるし、わがままとは思いましたけど。でも長い人生のなかで母親とずっと一緒に過ごすのは最初の3年くらいでしょう。たったの3年。その間、精一杯できる限り一緒にすごす時間を私の人生のなかではずしたくなかった。仕事との共存は厳しいこともあるけど、うれしいこともくれるからそれで帳消しです!」。
とはいえ、そうした生活に特有の悩みはあるようで「おっぱいをあげながら曲のことを考えたりすることもあるし…それがこの子にとっていいのかなと思うことはありますね。創った曲をスタジオで録音する時期になると息子を同伴するんですが、どうしても夜が遅くなってしまい、寝かせる時間が11時、12時になったり。子育ての雑誌を見ていると、そんなライフスタイルだと母親失格、というようなことが書いてあって落ち込んだ時期もありました。でもいまはそんなプレッシャーを感じることも少なくなりましたね。息子と私、お互いに生き生きと前向きにやっていければいいと思っています」。
一つ屋根の下で、子どもも音楽もいっしょに育てることで、ポジティブな自分に新しく生まれ変わることができたという中村さん。忙しい日常のなかで「明日の元気につながるビタミン剤のような音楽を届けたい」と生き生きと語ってくれました。
中村幸代(なかむら・ゆきよ)さん プロフィール
1967年生まれ。17歳から作曲をはじめ、1989年「YUKIYO」でアルバムデビュー。以後、数々のドラマやスペシャル番組の音楽プロデュースを手掛ける。
代表作は「長野オリンピック表彰テーマ」「金曜日の恋人たちへ」「はみだし刑事」など。最近では「子連れ狼」「サラリーマン金太郎」などの音楽を担当。今年10月からはテレビ朝日系「世直し順庵!人情剣」(毎週月曜日/19:00〜)がオンエア中。
また、音楽を通した周りの人に対する愛情や思いやりという視点から、自然・環境問題、児童問題にも取り組んでいる。私生活では1歳10ヶ月になる男の子の母親でもある。
中村幸代さんのHP:
http://www.yukiyonakamura.com
関連コンテンツ:
babycom ecology 「ロハスな台所」
2005年 11月掲載
Soleil
聴くと元気になれるヒーリング・アルバム。
NHK教育テレビ『知るを楽しむ』ほかのテーマ曲を収録
harvest
中村さんの11枚目のアルバム。
TVドラマやドキュメンタリー番組でお馴染みの全13曲を収録
MOTHEREARTH
自然をテーマにしたTV番組のテーマ曲やドラマの音楽ばかりを収録したCD。中村幸代さんのベスト盤
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