マタニティのセルフケア

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マタニティのセルフケア-7 おっぱいの話3

おなかの中の赤ちゃんにもやさしい、自分でできるナチュラルケア法「マタニティのセルフケア」の8回目は、おっぱい(母乳哺育)について。

アレルギーとおっぱい2

赤ちゃんにアレルギーがでた場合の対処、妊娠中から気をつけておきたいことなど、アレルギーと母乳についてお話をお聞きしました。

協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室


妊娠中や授乳中には、牛乳を積極的に飲んだほうがいいというイメージをもっている人は少なくありません。けれど、母親が牛乳をたくさん飲むことによって、アレルギーが出てしまうこともあります。

西洋の文化圏や遊牧民など、伝統的に牛乳や動物のミルクを飲む生活をしてきた人々は、それらの高分子タンパク質をうまく吸収することができるのですが、日本人は高分子タンパク質を取り入れる酵素がもともと少ないために、うまく消化することができません。同じような理由で、ミルクアレルギーになる赤ちゃんもいます。その場合には通常のミルクではなく、タンパク質がすでに分解されているアレルギー用のミルクが用いられます。

牛乳を飲む量は各家庭によってそれぞれです。水変わりに牛乳を飲んでいる家庭もあるかもれませんが、毎日、1リットル以上飲んでいる人は控えめに。牛乳は妊娠中や授乳中に、絶対に取らなければならない食品というわけではありません。タンパク質やカルシウムなどの栄養はほかの食品で十分に補うことができます。



除去食という言葉を聞いたことがありますか?

これは、アレルギー疾患のある赤ちゃんに母乳をあげている母親が、食事療法をするときの食事(アレルゲンにあたる食品を除去する)を指す名前です。また、赤ちゃんが離乳食以降に食べる食事についても、食品を除去しなければならないのでこの言葉が使われます。

母乳を続ける場合には、母親の食事をある程度制限するように指導されることが多いと思います。食事に気をつけることによって、赤ちゃんの症状が軽減することはよくあります。けれど、除去食を積極的にすすめる治療法の中には、卵、牛乳、大豆だけでなく、肉や魚、さらにはお米も制限され、ご飯はアワ、キビ、ヒエなどの雑穀だけにしたほうがいいという厳しいやり方もあります。でも、あまり厳しく食事制限をしていくと、育児そのものがとても苦しく感じられてしまうこともあります。

極端な話に聞こえるかもしれませんが、アレルギーの子どもを目の前にすると、治したい一心で、母親はいっしょうけんめいになり、ときには行き過ぎて自分も赤ちゃんも栄養失調になってしまうこともあります。食事療法は、やらなければならないのではなくて、できる範囲内でほどほどに。



食事を制限しなければならないくらいなら、母乳をミルクに替えたほうが楽、と感じる方もいるかもしれません。

でも食事に気をつけなければならない時期はずっと続くわけではありませんし、それぞれのとり組み方があります。授乳中、半年や1年間という短期間だけ一定の食物を控えるということで、子どものアレルギーがおさまることもあるので、専門家に相談してみてください。必ずサポートは得られるはずです。

何ごともそうですが、こうすればこうなるというはっきりした目安があると楽なものです。子育てにも、マニュアルがあればいいのでしょうが、子育てはひとりひとり違うのでマニュアルはありません。お母さんがその子に合わせた育児方法を考え、問題をクリアしていくしかありません。

母親のストレスが子どもに影響すると言われることがありますが、アレルギー疾患の場合も、母親にストレスが多いと、赤ちゃんの皮膚の状態がよくないというケースがあります。食べ物よりも母親の心のあり様のほうが、子どもに影響しているのではないかと思われるケースもあるほどです。あまり深刻にならずに、ちょっと気持ちをゆるめて、お母さんがまずリラックスしてみてください。

アトピー性皮膚炎がひどい場合には、小児に強い皮膚科の医師や小児科医と相談して、赤ちゃんの反応をみながら、自分のうちのやり方を探っていってください。




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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長


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