マタニティのセルフケア

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マタニティのセルフケア-8 おっぱいの話1 母乳哺育、きほんの「き」

おなかの中の赤ちゃんにもやさしい、自分でできるナチュラルケア法「マタニティのセルフケア」の8回目は、おっぱい(母乳哺育)について。

協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室


抱き方によっても、赤ちゃんの飲み方は変わってきます。うまく飲めない赤ちゃんは、立て抱きにすると飲むことがあります。立て抱きは、お母さんの脚の上に赤ちゃんの足を置くようにして立てに抱いて飲ませます。
ただ、手首で赤ちゃんの首を支えなければならないので、手首や腕に負担がかかり、肩がこったり、腱鞘炎になってしまうことがあります。楽な姿勢で授乳できるようにクッションを使ったり、何かを支えにするなどして工夫するといいですね。

また、フットボール抱きにすると飲む子もいます。クッションをお母さんの脇に置いて、その上に赤ちゃんの足を自分の背中側に向けて置き、脇から抱えるような格好で飲ませます。体位を変えることによって、くわえ方の角度が変わるので、乳首が痛い人にも効果的。

自分の子どもを出産するまで、赤ちゃんを一回も抱いたことのない人は、はじめは抱くことにも不馴れで、ぎこちないもの。妊娠中に、どなたかの赤ちゃんを抱いておくと練習になります。



妊娠中、おっぱいのケアはとくに必要はありませんが、ただ陥没乳頭やへん平乳頭に関してはケアが必要です。
へん平乳頭というのは、乳房を横向きに見たときに、乳首が少ししか飛び出ていない状態のことをいいます。乳房全体がお碗のようになだらかな形になっています。この場合、赤ちゃんが吸いにくいので、妊娠中に乳首をひぱり出しておくことが必要になります。
また、乳首が完全に埋まってしまっている状態を、陥没乳頭といいます。この場合、乳首が中に入ってしまっているので、皮膚が弱く、トラブルを起こしやすいので、一度専門家に相談を。きちんとケアすれば大丈夫ですから心配ありません。

乳首は出ているのですが、乳首の先が谷間のように中にひっこんでいる状態になってるものも、陥没乳頭の仲間です。この場合、赤ちゃんは吸いつくことができますが、乳腺の出口がつまった状態になり、母乳がうまく出てこないことがあります。
乳腺というのは、片方のおっぱいに15本くらいあって、乳首の先にその出口があります。妊娠すると、乳首の先には白くポツポツしたものが見えるようになります。それが乳腺の出口なのですが、乳首が陥没しているとその出口がつぶれ、乳汁がうまく外に出てこなくなってしまいます。また、白いものがかすのようにたまってくるので、それを取り除くなどのケアが必要です。

自分の乳首が、もしかしたら陥没やへん平かもしれないと思われる方は、助産婦や専門家に見てもらって、妊娠中からケアを受けておきましょう。



妊娠後期になると、眠りが浅くなって、夜中に何度も目が覚める経験をされる人は多いものです。実はこれは、授乳の準備がはじまっているということなんです。

退院すると、夜中の授乳がはじまります。赤ちゃんは夜中でもおっぱいを欲しがりますし、お母さんは浅い眠りが継続することになるので、その準備をからだがしているんだなあと思って、あせらずゆるやかに受け止めてください。

眠りが足りないときには、お昼寝で補いましましょう。からだがそうやって授乳に備えて準備しているなんて、すてきなことですね。




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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長


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