わが子のペースで考える離乳食レッスン

離乳食レッスン
赤ちゃんの自分で食べる意欲を育てる

「手づかみ食べ」のススメ【1】

「ちょうだい」と手を出したら始めよう!

「手づかみ食べ」は最初の食育

手づかみでは、行儀が悪い?


(文:小野田レイ・掲載:2014年4月)

●●● 「ちょうだい」と手を出したら始めよう!


生後6か月過ぎて、家族の食事中に赤ちゃんが「ちょうだい」と手を出しはじめたら、「食」に興味が出たということですので、離乳食を開始する時期です。

汁物は2人羽織で食べさせる

汁物は2人羽織で食べさせる (生後6か月)

まずは、表面がツルツルとした舌触りや喉ごしのよい野菜、カブやニンジンを薄くくし切りにして昆布だしで煮て、煮くずれする手前くらいの軟らかさにします。手でつぶすとつぶれるくらいにした物を、赤ちゃんが「ちょうだい」と出している手に渡すと、手から口に自分でもっていき、生後6か月にもなると、舌と上顎で押しつぶすようにして食べてくれます。

離乳食の失敗から学ぶ

赤ちゃんが初めておっぱい以外のものを美味しそうに食したとき、お母さんはとても感動します。赤ちゃんが成長したあかしです。しかし手で握って自分で食べてくれるのはうれしいのですが、赤ちゃんの手や顔が汚れるだけではなく、お洋服が汚れたり、スープ類をこぼして床までふかなければならなくなったりするので、たいていのお母さんは、1〜2回で手づかみ食べをやめてしまいます。

そして、赤ちゃんが「ちょうだい」と手を出しても、「あーダメダメ」と手を払って食器を赤ちゃんから遠ざけて、お母さんがスプーンで与えてしまいます。スプーンで与えると、とてもきれいに汚さずに食べてくれるので、お母さんは一安心します。しかし、赤ちゃんにとってはどうでしょうか?

せっかく食事に興味を示したのに、毎回、手を出してもそれを払いのけられ、スプーンで食べさせられます。するとそれが当たり前になり、そのうち赤ちゃんは手を出さなくなります。なにより、お母さんが食べさせてくれて、とても楽なので、ますます自分から手を出さなくなります。その結果、赤ちゃんから「食べる」という行為を奪うことになります。

私たち大人も、人に「あ〜ん」と食べさせてもらうより、自分で食べた方が味わいがあり、おいしいと思いませんか? もし、そのようなことになったら、最初の2〜3口以降、じれったくなって自分で食べ出すと思います。

赤ちゃんの場合は、大人にスプーンを取り上げられ、全く自由に食べられず、最終的には「自分で食べること」をあきらめてしまいます。その習慣が続くと3歳になっても自分で食べられません。

これは私の子育ての経験からですが、上の息子のときは、離乳食でテーブルや息子を汚したくなくて、私が丁寧にスプーンで食べさせていました。するといつになっても自分から手を出さなくなり、食事のときもテレビを見ながら食べて、食事に集中しません。成長期の小学校5年生ごろまで、おいしそうにガツガツ食べることはありませんでした。食が細いという体質もありますが、もう少し「食」に興味が出るように子育てすればよかったと思っています。

私の講座にお母さんに連れられてやって来るお子さんの中にも、5歳になっても自分で食べられず、お母さんに食べさせてもらい、食べたい物があるときは、手を出さずに「あれちょうだい」と顎で食べ物を指している子がいました。食事に手を使うことを知らないように見えて、少しかわいそうでした。

離乳食アイコン-babycomPoint レッスン3のポイント

1.赤ちゃんが「ちょうだい」と出した手を払わない。
2.赤ちゃんが食べ物で汚しても、じっと我慢しよう。
3.どうしてもお母さんが食べさせたいときは、2人羽織のようにして与えよう。
4.薄味を付ける。

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