VOICE(掲示板)
高齢出産VOICE

高齢出産の悩みや心配事、そして生んでよかったこと。

【不妊】卵子提供　夫に説得されて・・
史恵 -- 2011年06月12日 17:44:01

４０歳になります。結婚からかれこれ１０年以上治療をしてきましたが結果が出ず、子どものない夫婦です。

最近、夫が本気で卵子提供を受けたいと言い出しました。
野田聖子さんの報道から、色々調べていたようです。これまで費やしてきたお金を思えば、卵子提供を一度受けるための出費も厭わない。そして、「やはり、どうしても子どもを持ちたい」とのこと。

でも、私はどうしても厭なんです。
「生理的に厭」という言葉は、全ての議論を封じてしまうようで、普段は使わないようにしていますが、こればかりは生理的に厭です。
そこで、「私は他人の子どもを体外受精までして産みたくない」「他人と夫の子を、母親として育てて行くことはできない」と言いましたが、夫は私の同意を得て何とか提供を受けたいと思っているようです。

何度目かの話し合いで、夫がぽろっと「史恵も我執を捨てて・・」と言いました。
その途端、私は爆発してしまいました。
「卵子提供などという不自然なことをしてまで、他人の子を産みたくないという私の気持ちが”我執”なら、厭がる妻に卵子提供までさせても自分の子を持ちたいというあなたの気持ちは我執ではないのか！」「夫婦双方の血を引かない”養子”ではなく、あえて妻に無理強いして、卵子提供で自分だけの血を引く子を得ようとする気持ちは”我執”ではないのか？」と。

夫が、挙児のために私と離婚せず、手段はどうあれ私と夫婦でいながら子を得ようとしてくれることに感謝すべきなのでしょうか。
治療の過程で、仕事を辞めてしまったことも悔やまれます。
本当に悔しいです。

こちらの掲示板は、提供で幸せになられた方が多いようなのですが、提供を諦めた、あるいは諦めさせた方はいらっしゃいませんか？
もしいらしたら、ご経験をお聞かせください・・
（提供で幸せになった方を不快にさせる気持ちはありません。すみません・・）

この投稿へのコメント：64件
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信念の問題
しゃぴろ -- 2011年06月29日 19:45:44

　 史恵さん

落ち着いてこられたとのこと、よかったです。
お仕事も迅速に行動され、またすぐに決まられて、きっと前職での評価も高かったのでしょうね。
婚家のご家族も皆、冷静で思いやりのある方々で、よかったです。

お書きになられた内容を読みながら、きっとご主人は「史恵ちゃん、史恵ちゃん、こんないいことがあるよ〜」って史恵さんに提供のお話しされたのかなぁ、とのんきで楽天的なご様子を勝手ながら想像してしまい、なんだか勝手にホロリとしてしまいました。

きっとご主人は史恵さんのことをとても大切に思われていて、頼りにもされているのだと思います。
あせらず、時間をかけてゆっくり、じっくりお話合いになってくださいね。
きっとお二人の納得のいく道がみつかると信じています。

ご自分の気持ちをいつわりなくしっかりとお伝えになり、また相手のお気持ちも真摯にお受け止めになり、お互いに納得のいくまでお話し合いになられて、その結果、万が一、別々に生きる道を選択することになったとしても、コミュニケーションを経た尊重ということがお互いに実感されるなら、そのときにはどのような道筋に進むにせよ、ある種の納得があるのではないでしょうか。
結果や結論にいたるお二人のプロセスこそが大事だと思います。


私が史恵さんの立場だったら、生まれてくる命に対する責任、という点に一番フォーカスすると思います。

「子が事実を知った時、子はどう思うだろうか、「母」として責任が負えるだろうか？」
とおっしゃっていましたね。

私が史恵さんの立場だったならその点をよくよく考え、ご主人と話し合うと思います。
生まれてくる命に対する説明責任は、ご主人と史恵さんとの双方が負うもので、ご主人もよくよく考えるべきものだと思うからです。

提供に進むか否か、それは、夫婦が子を欲する「切望度」の問題ではないはずです。
子を欲する人ほど提供に進むのが当然で、提供に進まない人は熱意の低い人なのでしょうか。
提供はエゴを超えられた人に開かれる道で、提供に進まない人はエゴを超えられない人なのでしょうか。
夫や妻への愛情ゆえに譲歩すべきものなのでしょうか。

こうした観点に重点を置きすぎることは、むしろ問題の本質を曇らせてしまうのではないか、と私は思っています。

提供がある種人為的な営みであることは、賛否にかかわらず、論をまちません。
提供に進むか否かというときに真に考えるべきことは、その人為を正しい道筋と自分自身が信じられるかどうか、全てはこの点にかかっているのではないでしょうか。

他人がなんと言おうと、ともかく自分自身が提供に対する信念をもてるかどうか、生まれてくる命のあるべき道筋と思えるかどうかが、一番大切で重要な分岐点ではないかと思います。
そしてその信念は、その人の熱意の問題ではなくて、当事者個人個人の倫理観、世界観の問題のはずです。

ご自身の倫理観に照らしてみたときに、提供という手段を真の福音として子に伝えられるのか。
提供は生まれてくる命にとって正当な道筋であると心から思えるか。
子にとっての幸福につながる道だと心から信じられるか。
ご主人はいかにお考えでしょう。

ご主人との着地点を見いだせますように。

順番がおかしくなってしまいました
史恵 -- 2011年06月27日 07:05:41

　 「ぱんだ様」の前に「皆様、ありがとうございます」を投稿したつもりだったのですが、順番がおかしくなってしまいました。

「皆様、ありがとうございます」は、「ぱんだ様」の前にある投稿だと思ってお読みいただけますと幸いです。
申し訳ありません。

皆様、ありがとうございます。
史恵 -- 2011年06月26日 20:51:37

　 なかなか書き込めないでいる間に、様々なお返事をいただきました。ご自身の体験に基づく、とても温かなものや、私の個人的な悩みを、女性の自己決定権という視点からとらえ直してくださったもの、医学的な面から夫の説得材料を提供してくださったもの・・・。
どちらのお返事も、私だけが受け取るにはあまりにも勿体ない、貴重なものでした。
こちらの掲示板はやはり凄かった、と改めて感謝しております。

そして、私が言うのもおかしいのですが、皆様が貴重なお時間を割いて書き込んで下さった返信が、沢山の方の目に触れてほしい、と願っています。卵子提供を受ける、受けないと言った問題に関わらず、多くの示唆が得られると思うからです。

今、私は、怒りに任せてスレッドを作った当初より、ずっと穏やかな、落ち着いた気持ちでいます。
本当は、お一人お一人にきちんとお返事をしなければいけないと思い、試みたのですがうまく書けません。
一週間もスレッドを寝かせておいて本当に申し訳ないのですが・・。

とりあえず、先週私がしたことをご報告？します。
前の職場の方とお会いしました。前の職場も、ご多分に漏れず職員の非正規化が進んでいるため、「非常勤の働き口ならあるのでは？」と尋ねてみたところ、「年度末の定年退職者の後任は非常勤を採用する予定だから、史恵さんが手を挙げてくれるならそのまま決めるよ！」と言っていただけました。
収入は正規職員時代の半額（！）になりますが、仮に離婚になっても、女一人なら何とか生きて行く目処が経ちました。
正式な回答は、来年当初で良いとのことなので、半年程度の猶予があります。
この半年で、皆様のご助言をもとに、自分の気持ち、夫の気持ちを今一度見つめ直して、夫婦の今後を考えて行きたいと思います。

これから、拙い文章ですが、是非お礼を申し上げたい方々への返信をさせていただきたいと思います。
順番は投稿していただいた順にならないかもしれません・・。
一度に書き込めないので、少しずつ書かせていただきます。
本当に申し訳ありません・・。

しゃぴろ　様
史恵 -- 2011年06月26日 20:20:13

　 しゃぴろさん

いきなりミーハーなことで恐縮なのですが・・。
勝手に「凄い方だ！」と尊敬していたしゃぴろさんからお返事をいただけて、実は私、とても嬉しいです・・。

しゃぴろさんは、女性として私の気持ちに寄り添って、夫を「お叱りしたい」と言ってくださる一方で、お子さんを切望されたご経験を持つ方として、夫の気持ちも理解してくださっているのですね。
こうした方のお声をこの掲示板で聞きたい、というのもスレッドを立てた時の目的の一つだったので、本当にありがたく読ませていただきました。

義姉の件ですが、先週電話してみたところ、具体的な話は夫から聞いていないとのことです。義姉自身も子どものない方で、私たちが高度不妊治療に踏み切ることを報告した頃、冗談めかして「治療で双子が生まれたら、一人ちょうだい！」と言ったことを受けて夫が勝手に考えたことのようです。
義姉とは、頻繁に交流がある訳ではありませんが、会えば結構気が合うので、「この際だ。言っちゃえ！」と思い、卵子提供で意見が対立している話をしてしまいました。
義姉は驚き、「私、そんな話（卵子提供）の片棒担がないよ」とキッパリ仰っていました。
義父母も、跡取りに拘る人達ではないと思うので、婚家が一丸となって卵子提供を望んでいる訳ではなさそうです。
（ただ、これはたまたま私がそうだっただけで、イエ意識の強いお家のお嫁さんが卵子提供を求められたら、徳さん、竹さんが言われるように人権侵害ですよね・・。）

夫は、万事に楽天的で、若干独善的なところもある人なので、今回はその性格が悪い方に出たのかな・・と思っています。
（夫がまたこの掲示板を見る可能性も多少あるのですが、まあ・・いいや！書いてしまいました。）

私は、交渉、説得というものが極端に苦手です。
夫に対しても、交渉めいた雰囲気になると逃げてしまったり、理屈で捩じ伏せようと試みる傾向があります（そんな訳で当初の投稿になりました）。
しゃぴろさんのアドバイスを読み、今回は交渉から逃げてはいけないのだ、と再認識しました。

夫の気持ち、自分の気持ちをよくよく見つめ、解きほぐすこと、少し時間を置いてクールダウンすること、第三者の力を借りること、試みてみたいと思います。

縁あって夫婦になった二人ですから、仕事の目処がついたからといって「ハイさようなら」とはしたくありません。
ただ、「離婚ではなく卵子提供」という夫の拘りが、無職になった私への気遣いから来ているものであれば、夫の方では早々に結論を出してしまうかもしれませんね。
でも、それならばなおさら、私は職に就き、夫の思考を自由にしなければいけないのでしょうね。

しゃぴろさん、本当にありがとうございました。治療に疲れた私を労ってくださったこと、私の視界をクリアにしてくださったこと、とても感謝しています。
しゃぴろさんのもとにお子さんが授かることを祈っております。

ぱんだ　様
史恵 -- 2011年06月26日 19:34:25

　 ぱんださん

優しい言葉で返信してくださり、ありがとうございました。
「労ってもらいたい」と言っていただけて、とても嬉しく温かな気持ちになりました。
恐らく、私自身の卵子による治療はこのまま終わってしまいそうなのですが、提供の話が出てきたために、夫婦双方、労うどころではなくなっていました。

「人の生死は誰にも選ぶことは出来ないのだと学びました。選べないこからこそ、子を望み育てる親は子どもの人生について真剣に考え、（自分も含め）生まれてきた子は生を全うしなくてはならないのだな、と思います。」
この部分、何度も何度も読みました。どういう形であれ、私のもとに「命」が来てくれるなら、その時から、私は死ぬまで「親」なのですよね。
この十年、ともすれば子どもを「授かる」ではなく「作る」という感覚になることもありましたが、「命」を授かることの重さを改めて思いました。

お祖母様は、是非ぱんださんご夫妻に最期の言葉を伝えたかったのでしょうね。
ご夫婦にとってはとても大切な思い出ですよね。それを私のために書き込んでくださったことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

今年は手術を受けられるのですね。どうか十分にご自愛ください。
そして、ご夫婦仲良く、末長く歩んでいかれることを祈っております。本当にありがとうございました。

精子ドナー
califroll -- 2011年06月26日 17:58:37

　 お気持ちすごくわかります。
旦那さんがそこまで卵子提供をやりたいというのなら、
条件として、精子は精子ドナーのものを使って平等にするならいいと提案してみて、旦那さんの心を確かめてみたらどうでしょうか。
アメリカでは旦那さんの精子を使わなくてはいけない法律はありません。
旦那さんがどうして卵子提供をしてまで子供がほしい理由がなんなのか。
１．旦那さんの自分自身の子孫を残したい。
２．自分の子孫に関係なく、二人で子供を育てたい。

もし答えが２だとしたら、私だったら卵子提供を考えてもいいかなとおもいますが、もし答えが１だったら、しないです。

横ですみません　卵子提供の安全性
umi -- 2011年06月26日 13:37:09

　 史恵さん　横ですみません。

竹さんの示された資料ですが、卵子提供を考えている人にとっては、大変気になる内容です。

「生殖補助医療はどうあるべきか」も全文読ませていただきました。
その中で、

●生殖技術の規制のあり方は、欧州型、アメリカ型、日本型という三極があり、欧州もアメリカもキリスト教的な価値観との調停という面が強く、欧州では生殖技術規制法を作る場合が多い。
一方で、われわれがまとめようとしている報告書では、代理懐胎は未知で科学的に不確実な面があるから、これを認めない理由のひとつにしようとしている。

という記載がありました。
日本ではこれまで実施されてこなかったため、十分なデータがないというのはわかるのですが、アメリカでは20年以上前から、一般的な不妊治療として、卵子提供が行われてきたといいます。
そうであるなら、数十年単位の長期データはないにしても、ある程度のデータは蓄積されているのではないかという疑問があります。

欧州やアメリカで安全性がそれほど問題視されていないとするなら、それはなぜでしょうか？
海外の事情に詳しい方がいらっしゃったら、教えていただけないでしょうか。


最後です
竹 -- 2011年06月25日 14:24:35

　 　史恵さん、ややこしいことになってすみません。
これで、最後にします。

　先に引用した
「生殖補助医療はどうあるべきか」は、

日本学術会議主催公開講演会
「生殖補助医療のいま−社会的合意を求めて−」
2008年１月31日（木曜日）
の、パネルディスカッション
「生殖補助医療はどうあるべきか」
?（医療・生命科学等の視点から）
コーディネータ
五十嵐 隆（東京大学大学院医学系研究科教授）
米本 昌平（東京大学先端科学技術研究センター特任教授）

パネリスト
久具 宏司（東京大学大学院医学系研究科講師）
水田 �賃紂紛綵Ｂ膤愽賊”賊…后Χ擬�）
室伏 きみ子（お茶の水女子大学理学部教授）
吉村 泰典（慶應義塾大学医学部産婦人科教授）


?（人文社会科学等の視点から）
コーディネータ
水野 紀子（東北大学大学院法学研究科教授）
米本 昌平（東京大学先端科学技術研究センター特任教授）

パネリスト
加藤 尚武（東京大学大学院医学系研究科特任教授）
櫻田 嘉章（京都大学大学院法学研究科教授）
辻村 みよ子（東北大学大学院法学研究科教授）
西 希代子（上智大学法学部准教授）

の、要約原稿が『学術の動向』に掲載されたものです。その一部を引用しました。関心がある方は、簡単に検索できますので、全文をご参照ください。

趣旨
　生殖補助医療の在り方や生殖補助医療で生まれた子供の法律上の扱いについては、これまでも多くの議論がされていますが、最近は、明確な方向付けをするべきという声が高まっていると指摘されています。日本学術会議は、こうした状況の中、代理懐胎を中心に生殖補助医療をめぐる様々な問題について、生殖補助医療の在り方検討委員会で審議を行っています。
　本講演会は、委員会で行ってきた検討の状況を広く説明するとともに、参加者の方々との議論を委員会における審議に反映することを目的としています。

後援
法務省、厚生労働省、日本弁護士連合会、日本医師会、日本産婦人科医会、日本医事法学会、日本生命倫理学会、日本産科婦人科学会、日本小児科学会、日本小児外科学会、日本医歯薬アカデミー

となっています。

「発達障害２」
でご紹介した鴨下 重彦氏は、「生殖補助医療の在り方検討委員会委員長」というお立場にある方です。
素人のいい加減な報告ではありません。

　結局のところ、懸念される、危惧されるという程度のことしか、現時点では言えないのでしょう。
　しかし、遺伝上の母親でない女性が懐胎することが、本当に母子の心身の健康を脅かすものではないと、言い切れるのでしょうか。

　私は、卵子提供を受けてお子さんを授かった方々の幸福を、心から願うものです。お子さんたちが、幸せにすくすくと育ってくれることを祈っています。

　けれども、それと、法整備され、卵子提供という生殖技術を安心して安価に利用できるようになってほしいということとは、まったく別のことです。

　子どもがほしい女性の願い、必死の願いだけに焦点を絞れば、それが叶えられることが、その方の幸福ということになるでしょう。社会に認められて子どもを愛して育てることができるようにと願われることも当然のことだと思います。

　しかし、このスレッドで明らかになったように、夫や義家族の強い要望により、卵子提供を受けて子どもを生まざるを得なくなる人は、出てきます。「卵子にこだわるなんて、母性がない」などというとんでもない理屈を押し付けられて。女性は、50歳になっても不妊治療からおりられなくなってしまいました。

　卵子提供ならば、母親は少なくとも生みの母なのだから、子どもは悩まなくてもすむのではないかというご意見もありましたが、私は、母が分離するということが、いかに子どもを難しい状況に追い込むことになるかと危惧いたします。

　結局、すべては想像にすぎません。いくら精子提供で生まれたお子さんが苦しい胸の内をさらけだされても、それは卵子提供を受けた方ご自身のお子さんではないのですから。もちろん、ご自分のお子さんは、そういうことに苦しむこともなく親を受け入れてくれる可能性もあります。

　でも、苦しむ可能性は、その確率は、どの程度でしょう。そんな心に踏み込むような統計を取ることなどできるはずもなく、数値化されることなどないでしょうが、確率は、そんなに低いですか。
　カウンセリングを受ければ大丈夫、本当にそうでしょうか。

　すべて分かりません。分からないとしか言いようがありません。子どもの心身の発達に、どのような影響が出るのかも、専門家でも分からない。何かが分かってくるのは、数十年後なのでしょう。
　それぞれが自分自身で判断し、それに責任をもっていくしかないのでしょう。


　史恵さん、重なるご質問があったため、何度も返信することになり、申し訳ございませんでした。これで、本当に最後にいたします。

　史恵さんが、こんなに批判されるとは、私には驚きでした。私は、史恵さんに養子が育てられないとは思いません。愛情がないなどとは思いません。
　卵子提供を拒否するような人間に究極の他人である養子が育てられるはずがないなどという方もいらして、これもまた驚きました。

　血縁のない他人を十分に愛せる人でも、卵子提供を拒否することはあります。子どもは授かるものであって、つくるものではないという確信を持っている人にとって、卵子提供はあまりにも不自然な手段なのです。
　そういう人は、養子を「授かった」と思うことができれば、そういうプロセスを経て養子を迎えることができたならば、きっと実子と同じように愛されるだろうと、私は思います。

　史恵さんのご主人は、誤解されているのだと思います。自分に都合のいい情報だけを信じて、女性というものは自ら出産すれば子どもに愛情を感じられると思い込んでおられるのでしょう。まったく悪気はないのかもしれません。たぶん、悪気はないのでしょう。

　史恵さんが選ばれたご主人ですもの、きちんと向き合って説得されれば、分かってくれると思います。諦めずに戦うのも、愛ではないでしょうか。史恵さんのお幸せを、心からお祈りいたします。

一体験談
とくとく -- 2011年06月25日 13:37:24

　 皆様、医学的に解釈、考察されてすごいですね。
正直、私は難しいことを理解する能力に欠けるので、あまりよく分かりません。みなさながそれだけ知識を持っている事がすごいなあと感心して読ませて頂いています。

よく、ここに出て来るk大学y教授は、私が妊娠〜出産時の主治医でした。
外来は「出産はここでいい？はい。いいですよ〜」と。。あまりにもあっさりk大での出産が決まって拍子抜けしたくらいです。そんなに死亡するかもしれない患者なら、引き受けたくないものですよね。

入院中も、y先生が主治医ということになってはいましたが、お偉い方なので他の先生が主に見てくださいました。
出血について尋ねましたが「そもそも出産自体が出血するものです」「双子なので１人の場合よりは多いでしょう」「妊娠すること自体が母体に問題となる年齢になってまで妊娠する事が問題」ということでした。入院時の手術説明は３分程で終わりました。ただ、５０代での出産で死亡した例はあるそうです。これは提供というより年齢によるものだということでした。


教授回診にはY教授は、私の所には入院中一度も見えませんでした。ナースに尋ねたところ、「とくに問題ない人のところには来ませんよ。」と、いうことでした。ちなみに要観察から外れるからからなのかナースステーションから、と〜〜ても遠い病室でした。
同じ病室の方も提供を受けた方でした。私も彼女も、とくに問題ない人、要観察から外れている患者という扱いを感じました。私も医療者ですが、死亡するかもしれない、子宮を摘出かもしれない患者の扱いではありませんでした。

今も同室の方とはママ友になっています。お互い、子供も健康で元気ですよ。
一体験談でした。

私が医者に聞いたところでは。
私も匿名で -- 2011年06月25日 05:12:26

　 アメリカに住んでいる者です。
私が医者に聞いたところでは、体外受精による障害をもった子供が産まれる確率にかんしては少し昔に騒がれていたみたいですが、今ではそれは体外受精によるものではないと分かっているとこのことです。他の匿名さんがおっしゃっているように母体が高齢である為かもしれません。

誤解があるのでは
葉子 -- 2011年06月24日 22:48:07

　 史恵さま、ヨコですみません。

私は卵子提供を推奨する立場のものではありませんが、
竹様が引用された内容を、以前に別の方が引用された時から、気になっていたことを書きます。

大変失礼ながら
エピジェネティクスの意味や免疫学に誤解があるように思います。

「DNAの配列の変化を伴わないような遺伝情報の変化をきたす。これをエピジェネティックな変異という。こういうことが妊娠中に通常の妊娠でも普通に起こっているだろう。このようなエピジェネティック変異は、生まれた子供の機能異常、生殖毒性、発生異常などにつながるし、もっと長い目で見ると、長期的な効果として癌化、生活習慣病、さまざまな精神疾患の原因になるといったことも、最近研究が進んできている。」とあります。
　これは、大体正しいですが、エピジェネティックな変化というものには、良い変化も悪い変化もあります。エピジェネティック変化イコール健康障害を意味するわけではありません。
　また、代理懐胎の場合は、DNAの親ではない女性の影響を受けるのが深刻な問題だという主張のようですが、
ということは、
　卵子提供で産まれた子は、他人の卵子であっても、お腹にいる間に母親の影響をたくさん受けているということです。
　さらにエピジェネティックな変化は、生後環境でも起こるので、赤の他人を養子にすれば、だんだん養父母に似てくる可能性があります。不謹慎なたとえで申し訳ないですが、犬やネコでさえ飼い主に似ています。

　免疫については、「実の親子はDNAが共通しているから免疫寛容が起こるが、卵子提供だとDNAが違うから排除されやすい」って、本当かな？
　免疫をよく知らない人のコメントじゃないかと疑います。普通の妊娠では、子どものDNAの半分は夫由来ですが、DNAが半分違うと、免疫的には全くの異物も同然です。
　卵子提供の妊娠でも免疫寛容は起こっています。そうでなければ、全例が早期流産して、誰ひとり出産には至らないはずです。

発達障害について２
竹 -- 2011年06月24日 17:44:47

　 　史恵さん、しつこくてすみません。
　気にされている方が多いようでしたので、卵子提供＝代理懐胎（自分のものではない卵子を使って妊娠した。遺伝的母親と妊娠出産する女性が別人であるという意味で同じです）と発達障害についてはっきり言及しているものはないかと探していました。

2008年８月『学術の動向』に掲載されている
「生殖補助医療をどう考えるか」の
パネルディスカッション?「人文社会科学の観点から」
に、次のような発言がありました。

鴨下 重彦（生殖補助医療の在り方検討委員会委員長、東京大学 名誉教授）

ついでに言うと、やはり生まれる子どもについて、もっと大きく深く考えなければいけないのではないか。私は小児科医なので産科の吉村委員とは多少意見も違うのだが、いやだいたい一緒だが、これまでやはり子ども、これは生殖医療の問題だけではなく、現在の日本の社会は子どものことを軽視し過ぎていると思う。そういう意味でやはり代理懐胎については子どもの将来、これは10年とか20年、フォローアップしないとその子どもがどうなるか分からないと思う。今日エピジェネティックの話が出たが、これはここ数年来、広がっている研究領域で、恐らく今後色々な新しいことが分かってくるに違いないと思う。今日話は出なかったが、精神疾患、自閉症とか統合失調症などがその可能性が疑われるという論文が出始めているので、そういった点も、もし代理懐胎によってそういう子が生まれたとすればその発症がずいぶん遅いので一体どういうことなのか見極めた上でゴーサインを出すべきではないか。


また、自閉症と生殖補助医療の関係に触れたものとして、次のような論文を見付けました。


保健医療科学　2010 Vol.59 No.4 p.330 −337
特集：子どもの健康と環境に関するエビデンス
＜総説＞
自閉症の環境要因
藤原武男，高松育子
（独）国立成育医療研究センター研究所　成育社会医学研究部

9.　生殖補助医療による妊娠
Hvidtjorn らは，1995 年1 月から2003 年12 月までの期
間にデンマークで生まれた新生児588,967 人を調査し，そ
のうち生殖補助医療（体外受精（IVF）または排卵誘発（OI））
による妊娠で生まれた子ども33,139 人における自閉症ス
ペクトラム障害（ASD）の発症率を生殖補助医療を用い
ずに妊娠し生まれた子どもにおける発症率と比較した59）．
その結果，母体の年齢，教育レベル，出産回数，喫煙の有
無など他の交絡因子を調整しても，生殖補助医療による妊
娠で出産した場合にASD と診断を受けるリスクが高まる
ことが分かった（オッズ比1.13，95% 信頼区間：0.97 − 1.31）．
ただ，この結果については卵胞刺激ホルモンの投与との関
連性も指摘されており，更なる研究が必要と考えられる．


海外の文献を渉猟すれば、いろいろ見つけることができるのでしょうが、一応、そういう議論があるということだけはご理解いただけたでしょうか。

　史恵さんが、ご主人と話し合われる際に、多少でもお役に立てればと願います。

　まだまだ40歳。お子さんを諦めるような年齢ではないと思います。治療をやめたら授かったという話もよく聞きます。
リラックスして、おいしいものを食べて、ご主人と仲良くしてみたら、もしかしたら嬉しい結果が出ることもあるのではないでしょうか。
　心より応援いたします。

発達障害について
竹 -- 2011年06月24日 12:45:34

　 　史恵さん、何度もお邪魔してすみません。
発達障害について、ご質問がありましたので、参考資料をご紹介したいと思います。史恵さんのご主人への説得材料になればよいのですが。

　まず、生殖補助医療全般にかかわることですが、低体重児が生まれる確率が高いことは、ご存じのことと思います。低体重児には発達障害が起こる確率が高いので、このことからも発達障害の問題を指摘することができます。
　低体重児の発達障害について、例えば次の論文に書かれています。

ベビーサイエンス ターゲット論文
「早産・低出生体重児のより良い発達を支援するために」
木原秀樹1) 中野尚子2)
1)長野県立こども病院リハビリテーション科
2)杏林大学保健学部理学療法学科

簡単に検索できますから、関心がある方はそちらを見ていただければよいのですが、次の箇所だけご紹介しておきます。

「低出生体重児の発達予後として、精神遅滞と脳性麻痺以外の発達障害も発生率が高いことがわかってきた。代表的な発達障害には、広汎性発達障害（自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群）、注意欠陥/多動性障害、学習障害などがある」


　卵子提供＝代理懐胎に関係する発達上の障害について、
2008年8月『学術の動向』にあるシンポジウムの要約記事をご紹介いたします。「生殖補助医療はどうあるべきか」で検索していただければ簡単に見つけることができます。
　母体へのリスク、子どもの肉体的障害の可能性なども記載されていますが、特に子どもの発達に関するところだけ次に引用いたします。
　たしかに、卵子提供、代理懐胎の歴史は浅く、結論のようなものは出ていません。ただ、こういう問題について議論されており、危惧されることがあるということだけのご紹介です。
　一部引用するだけですので、関心がある方は、全文を読んでください。


久具宏司（東京大学大学院医学系研究科講師）

「もう1つの大きな論点は生まれた子供への影響である。生まれた子供が元気に生まれたかとか、そのときの出生時の体重はどうか、そういったことに関するデータはいくらかある。しかし、今問題にしているのは、その子供が長期に渡ってどういう影響を受けるかということであり、それが非常に重要な論点なのである。これを検討した研究はない。なぜこれが重要かということを考えるとき、懐胎中のエピジェネティック変異について述べたい。懐胎中にさまざまな化学物質が細胞に作用して、その細胞にDNAの配列の変化を伴わないような遺伝情報の変化をきたす。これをエピジェネティックな変異という。こういうことが妊娠中に通常の妊娠でも普通に起こっているだろう。このようなエピジェネティック変異は、生まれた子供の機能異常、生殖毒性、発生異常などにつながるし、もっと長い目で見ると、長期的な効果として癌化、生活習慣病、さまざまな精神疾患の原因になるといったことも、最近研究が進んできている。代理懐胎では、懐胎している女性が胎児の本来の遺伝的親、遺伝子上の親ではないのに、その女性から胎児は直接的に、しかも逃れることのできない状況で影響を受けてしまうのである。そういう状態でエピジェネティック変異が起こること、つまり他者からの影響として受けることの問題点、これが考慮されるべき論点であろうかと思う」。


水田示羊代（九州大学病院長・教授）

「代理懐胎の医学的問題については、産科の先生の報告にもあったように、まだ分からないことが多い。懐胎者への影響、胎児、子に及ぼす影響に関する医学的な問題や、妊娠のリスクを他人に押し付けることが許されるのかという問題、本来の母親ではない母体の子宮内の環境が、胎児のその後の精神的発達に与える影響など、解決されるべき課題は多い」。


室伏きみ子（お茶の水女子大学理学部教授）

「胎児は母体にとって異物であるから、拒絶反応が起こる可能性がある。胎児と母体は胎盤によって隔離されているから、大丈夫だと言う方もいるが、現実には、妊婦の血中には胎児由来の細胞が見出されることがあり、お互いの間である程度の交換がある。こうしてみると本来胎児は、母体から拒絶され、排除されても仕方ない存在であると考えてよい。しかし実際には、受精卵に由来する胎盤が母と子の間の免疫を抑制する、いわゆる免疫寛容というシステムが作られている。これは胎児を守るために大変重要なことだが、まだ、胎児・母体間の免疫寛容については、詳細は分かっていない。この母と子の免疫寛容は、非常に微妙なバランスの上に立った調節機構が働いて成り立っているものなので、もしこの免疫機構に破綻が生じると、いわゆる習慣性流産、妊娠中毒症などを引き起こす原因にもなるといわれている。自然懐胎、自然分娩においても、こういったことが起こり得るので、懐胎者と胎児が全く他人同士である場合には、免疫機構上、排除されるべき対象となってしまう可能性が非常に高い。つまり、代理懐胎というケースの場合には、この免疫機構の破綻が起こりやすくなるのではないかという心配がある。この点について、研究者たちから多くの懸念が示されている」。

「久具先生の話にも出てきたが、胎児が子宮の中で成長している間に、様々な遺伝子発現が変化するということが分かってきている。これはあくまでも動物実験の結果だが、少し紹介させていただく。胎児が成長するときには、ヒトの場合でも同様に、整然とプログラムされた遺伝子の指示にしたがって進行していくが、環境が変化すると、遺伝子の指示が修正されるということが起こる。遺伝子は万能と考えられていたときには、遺伝子の中にすべてのことが書き込まれているので、後は何をしても変化しないという考え方があったが、近年の研究から、環境の変化が遺伝子の発現に変化を与える、遺伝子の指示を修正してしまうということが分かってきている。例えば、胎児に何らかの危険なシグナルが与えられると、自分を守るために修正を働かせて、そのときに本来なされるはずの遺伝子発現とは異なる遺伝子発現を誘導するということが分かってきている。こういった環境の影響は、胎児の場合にはすべて母親を通して伝わるものである。したがって、正常な妊娠においても母親からの様々なシグナルが胎児に影響を与えて、遺伝子発現を変化させてしまうわけであるから、本来あるべき環境と異なる環境で生育した場合には、問題が生じる可能性は高くなるのではないかと考えられる。先ほどの久具委員の話にもあったように、最近の研究から、遺伝子の塩基配列には変化はないが、遺伝子の発現が変化させられてしまう『エピジェネティック変異』が多数知られるようになってきた。ネイチャーレビュースジェネティックスで昨年、今年と特集があったが、この中でも様々な動物実験の例が示されている。このエピジェネティック変異というのは、従来の遺伝的変異と同様に、次世代に伝えられてしまうということも起こる。環境変化によって本来の遺伝子の働きとは違ったことが起こったときに、それが次世代にまで持ち越されるという可能性も否定できない。こういった変異が、将来生活習慣病などを引き起こす可能性も指摘されているし、癌をもたらすとも指摘されている」。


「今はまだ子どもに何が起こるかが分からない現状であり、動物実験では何か起こりそうだということが示されている状況である。その程度の危険性なら良いのではないかと考える方も当然いらっしゃると思う。そのくらいの未知の危険性だったら社会的価値、判断の上では、無視しても構わないと言う方もいらっしゃると思うが、私は生物がこの後どのように地球上で生きて行くかという問題とも関連して、自然の摂理に逆らったかたちで、危険性を全く顧みずに技術を推し進めたときに、大変怖いことが起こるのではないかという危惧を抱いている」。

横ですみません。竹さんへ
私も匿名で -- 2011年06月23日 23:48:52

　 2回目の投稿読ませて頂きましたが、｢発達障害｣については触れられていませんでした。
他に触れられている内容は、卵子提供自体の問題なのか超高齢出産の問題なのか曖昧な点もありますが、今までも耳にしたことがあります。ですが、発達障害と卵子提供の関わりは聞いたことがありません。｢発達障害についても問題になっています。｣と発言されていますが、もし本当ならとても気になります。
｢胎児発育遅延｣との誤りでしょうか？非常に重大な内容ですので、できるだけ詳しく教えて下さい。気になっている方も多いと思いますので、よろしくお願いします。

皆様、ありがとうございます。
史恵 -- 2011年06月23日 21:05:36

　 なかなか書き込めずにいて申し訳ありません。
ここ数日、とても親身で温かなご意見をいくつもいただき、嬉しい気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。
遅くなってしまうのですが、週末、お礼を書き込ませていただきます。申し訳ありません・・。

重大な人権侵害です
竹 -- 2011年06月23日 19:38:39

　 　史恵さん、話がややこしくなってきて、ご迷惑をおかけしているでしょうか。
　それでも、どうしても一言いわずにはおれませんでした。徳さんがおっしゃったように、これは史恵さんお一人の問題ではなく、重大な人権問題だと、私も思っています。

　もし、子どもができないからといって、愛人とのあいだにできた子どもを養育しろと夫が言っているとなれば、人権問題だと捉える人は多いでしょう。それが、卵子提供を受けることを求められるとなると、それを望む人も多いため、問題の根の深さが分からなくなってしまいます。

　卵子提供を受けることが認められるとしても、それは子どもを生む女性自らが熱望した場合だけでしょう。
　想像してみてください。望まないのに、夫の精子と見知らぬ女性の卵子による受精卵を移植されることを。耐えがたい屈辱です。恐怖すら覚えます。

　ところが、このサイトのように、望んで妊娠した人たちの意見ばかり目にしていると、男の人は、そんなものなのかと誤解してしまうのでしょう。

　史恵さんのように、自分の感覚に素直になれる人、ちゃんと反論し抵抗できる人は、多くはないように思います。夫や舅姑の強い要望に屈する人は少なくないでしょう。怖いことです。

　ところで、卵子提供の母体への影響ですが、それについては、こちらで既に紹介されています。

　例えばお徳さんが、次のように述べておられます。（すみません、今はアクセスできなくなっているので引用させてください）

毎日jpに掲載されていた、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会の理事長を務める吉村泰典慶応大教授のコメントをお読みになっていますか？

>同大病院では第三者から卵子提供を受けた妊婦を受け入れたケースも複数あるが、吉村教授は「３人に１人は大量出血が原因で輸血をしたり、子宮を摘出している」と話す。

同じ毎日jpの2010年10月18日の記事ではこのようにコメントされていました。

>妊娠・出産は生殖医療のゴールではない。
>３０年間生殖医療に携わってきたが、果たして良いことをしてきたのだろうかと思うこともある。
>一回、立ち止まって考えた方がいいのではないかと。


メディカル・ニュース(YOMIURI ONLINE)には、

閉経後に米国で卵子提供を受けた５０歳前後の妊婦の約８割が、切迫早産などの重い合併症で入院が必要になったことが、東京日立病院（文京区）の合阪幸三・産婦人科医長の調査でわかった。
（中略）
多胎妊娠に比べリスクの低い２７人の合併症の発生は、妊娠高血圧が９人（３３・３％）と最も多く、卵子提供のない通常の出産よりも約６倍頻度が高かった。妊娠糖尿病も８人（２９・６％）で約２・５倍、切迫早産も１２人（４４・４％）で約３倍だった。
これらの合併症の治療のため、２７人のうち２２人が入院した。双子を妊娠した４人は全員、切迫早産のために入院した。また、母乳の分泌は、１か月検診時では、３１人中１７人が良好だったが、３か月検診時には３人に激減した。

ほかにも、
医療・医学ニュース（asahi.com）

海外で他人から提供された卵子と夫の精子を使った体外受精によって妊娠した４０〜５０代の女性で、帰国後の出産時に大量出血や子宮摘出など重大なトラブルが起きていることが分かった。学会や専門誌で報告された。
卵子提供は卵子が若く妊娠しやすいとされるが、高齢の母体で子宮などが対応できていないことも考えられ、医師らは注意を呼びかけている。
日本産科婦人科学会は卵子提供を認めていない。海外で受ける人が増えていると見られるが、実態は分かっていない。
慶応大の久慈直昭講師（産婦人科）らは、米国での卵子提供で双子を妊娠した４１歳の女性で、帝王切開後の異常出血が止まらず、７リットルを超える大量輸血が必要になったと報告した。
慶応大病院では過去４人の妊婦から米国で卵子提供を受けたと申告があった。３人が出産に至ったが、やはり双子を妊娠した５０歳の女性も帝王切開手術の後で子宮からの出血が止まらず、子宮を摘出せざるを得なくなった。出血が著しかった２人に妊娠高血圧症などの合併症はなく、普通の妊娠・出産では考えられない出血だったという。
一方、日赤医療センター（東京都渋谷区）は、閉経後に米国で卵子提供を受けた５７歳の帝王切開で８リットルを超える出血を経験。女性は集中治療室で１週間の治療を受けたのち退院したと報告した。
米生殖医学会は指針で卵子提供者は２１〜３４歳が望ましいとしており、日本のあっせん業者もインターネットなどで「提供者は２０代」と紹介する例が多い。
久慈さんは「子宮と卵子の年齢差が予想外の合併症を起こしているのかも知れない。他人の卵子と精子による受精卵への免疫反応が原因との説もある。卵子提供は、医師に隠さず伝えてほしい」と言う。
また日赤医療センターの杉本充弘・産科部長は「一般的な出産の出血は０．５リットル。中小規模の病院では８リットルを超す輸血は間に合わない。５０代以降の妊娠は技術的には可能でも、生命にかかわる事態となり得ることをよく考えるべきだ」と言っている。

とあります。

「代理出産を問い直す会」　2011年２月21日　には、次のような報告があります。

卵子提供を受けた高齢女性の調査

卵提供を用いた妊娠のリスクについては、この記事とか、慶応大学の吉村先生の記事が有名だけど、明確に数字を示す日本語の文献を見たことがない。いったいどうなっているのかと思い、英語の医学文献を自分でさがしてみた。その中から見つけた、高齢女性が卵提供を受けた場合のリスクについて述べた論文がこれ。メモ的にここに残しておく。
The aged uterus: multifetal pregnancy outcome after ovum donation in older women（Human reproduction､Vol.24(10)pp2500-2503,2009）
高齢の卵提供妊娠そのものというより、多胎の危険を述べるもの。イスラエルの調査。高齢女性が提供卵で双子を妊娠すると、妊婦・子供ともに危険が増加することを示している。
調査対象は1999年〜2008年に提供卵で妊娠・出産した高齢女性の例、125件。うち83件は単胎、42件が双胎。双胎のうち1件は妊娠中に胎児のうち一人が死亡。そのため双胎で生まれた子は全部で83名。対照群は、卵提供を受けていない女性の双胎妊娠。
卵提供をうけた高齢女性は、双子かそうでないかに関わらず、糖尿病と高血圧の発症率が上昇。さまざまな症状により入院を必要とし、殆どが帝王切開で出産。表にすると下記の通り。（ここに記した数字は概要だけです。詳細は原典を参照してください）。

　　　　提供卵・双子・高齢　　提供卵・1人・高齢　　普通の双子（対象群）
生んた女性　　　　42人　　　　　　　　83人　　　　　　417人
母の平均年齢　　49.2歳　　　　　　　49.3歳　　　　 　31.6歳
糖尿病　　　　　 31％　　　　　　　　29％　　　　 　　7.3％
高血圧　　　　　 50％ 　　　　　　　 42％ 　　　　 9.1％
妊娠中の入院　　 69％　　　　　　　　47％　　　　　　13.9％
帝王切開　　　　 98％　　　　　　　　89％　　　　　　65.5％

子どもについて。生まれるまでの妊娠期間に大きな違いはないものの、体重に差異が生じる。高齢で提供卵の双子は低出生体重児になりやすい。同様に子宮内胎児発育遅延の率も高まる。結論として、高齢女性に提供卵で生殖技術を実施する際には、質のいい胚を一つだけ用いた方がいい、と。

この程度の危険性は、子どもを熱望する人には、どうということもないものでしょうが、それを望まない人には、抵抗のための資料となるかと思い、ご紹介させていただきました。

第三者案は、私もよいと思いました
しゃぴろ -- 2011年06月23日 18:18:18

　 史恵さん、

■　たてつづけにレスしてすみませんが、
徳さんのおっしゃっている第三者（専門家）に入ってもらったら、という案はとてもよいのでは、と私も思いました。

同じ言葉でも第三者に語ってもらうことで心に入ってくるということ、確かにありますよね。
何より、ご主人にとっては、ご自分の気持ちや意向、真に欲していることは何か、を客観的にとらえなおしていただく良い機会と拝察されます。史恵さんもいろいろな思考を再度整理するきっかけになるかもしれません。

私も、ご主人は少々行きすぎの感を受けます。
一言お叱りしたいくらいの気分ですが、ただ、ご主人も、史恵さんの合意があることを前提に望んでいらっしゃるのですから、少なくとも表層的には「無理強いすることなく」と思っていらっしゃるのだと思います。

ご主人の「行きすぎ」思考が、子どもを切望するあまりなのか、義両親（家を継ぐ）のプレッシャーからなのか、ご自分に都合よく考えがちなご性向だからなのか、その辺は分かりませんが、そうした思考の根をときほぐし、ご主人自身に、自分はなぜ子が欲しいのか、今一度見つめ直してもらいつつ、少し冷静になって自分と周囲の関係、史恵さんに対する愛情や生まれてくる命に対する責任についてもう一度冷静に思いを巡らしてもらいつつ、ご自分の「行きすぎ＝短絡的思考回路の非」に「自分で気づいてもらう」ことができるとよいですよね。

第三者が入ることで、史恵さんからの「説得」という形でなく、ご主人が「自分で」自分の行きすぎに気づきつつ、その「反省」にたって二人の行く末を考える方向に進んでもらえるなら、最大のグッド・ポイントだと思います。

また、私は史恵さんご自身も、ご自身についての気持ちをもう一回、見つめ直す機会があってもいいのではないか、と思いますが、どうでしょう。
目下の頭を悩ましている提供ということからいったん離れて、そもそも今後どうしていきたいか、ということをじっくり考えてみてもよいかもしれません。

いけるところまで、自己卵でトライしてみたいのか。
あるいは、血の継承はこだわらなくとも、ともかく子を育て、家族を迎えてみたい気持ちが強いのか。
それよりも、史恵さんご自身としては、本当は今後は夫婦お二人でのんびり生きていくことが望ましいのか。

そうしたことを今一度、ご主人とは切り離して、ご自身の心に問いかけてご自分を見つめ直す中で、もう一度、ご主人に史恵さんの気持ちや立場を伝える言葉を見出していくことができるかもしれません。
また、第三者が介在することで、そうした言葉を無理なくご主人に伝えることができる場が醸成される可能性があると思います。

ご主人は、そうしたカウンセリングに積極的に参加してもらえる雰囲気ですか。
もし難しい場合は、まずは史恵さんお一人でもかかられてみて、ご主人にうまくカウンセリングに入ってもらう知恵もまた授けてもらったらいかがでしょうか。
また、ご主人の参加はむずかしく、もし史恵さんだけだとしても、きっといろいろ有益なお話が聞けるのではないでしょうか。

いずれにせよ、無理はなさいませんように。


■　ところで、徳さんのレスを拝見して、念のため、まさかとは思いますが、いきなり出てくるお姉さんご夫婦ですが、お姉さんはすでにご主人の非現実的枠組み案を認識、ひいては許諾していらっしゃるのですか。
これがもし単にご主人の独りよがりの思いつきや妄想ではなく、義家総がかりの話なのだとすると、一連の話はちょっとよく考えなおす必要があるかもしれませんが…、その辺は見極められそうですか？
いずれにせよ、ご自身を大切にすることを第一とすることは、絶対に忘れないでください。

たてつづけに投稿してしまってごめんなさい。
返信のために焦る必要はないです。
ご自身のために、ゆっくり、お考えになってくださいね。

専門家の力を借りてみてはいかがでしょう
徳 -- 2011年06月22日 17:16:56

　 史恵さん　こんにちは。

史恵さんの哀しいお気持ち、ご主人に対するやりきれなさが伝わってきます。
卵子提供推進派もしくは経験者の方からの陰険な攻撃にも動じることなく、冷静にお返事をなさっている史恵さんは本当に聡明な方だと感じます。
ご主人の方にも苦しみがあるということは理解できますが、その言葉からは何かにとり付かれた状態というよりはむしろ都合の良い情報だけにとらわれた深慮のない思考回路に陥っていると思います。
だからこそ、二人の間には話し合いが成り立たないのではないかと感じました。

ここまでの流れから、ご主人は生物的な本能として切実に子を望んでいる、ご夫婦のあり方の問題である、時間をかけて話し合うことが必要と、様々なご意見が出ているようですが、私はこの問題は単にご夫婦の枠の中に納まる問題ではなく、もっと社会的に非常に難しい側面をはらんでいると感じています。

現に、今回のご主人の言葉の背景には野田聖子さんの言動や報道による大きな影響があり、またこのサイトでの経験者の方による（ほぼメリットのみに偏った）やりとりがあってのことなのですよね。
野田聖子さんのスレッドでも、今後野田さんの影響によって家族やパートナーから不当な強要を受けるのではないか、という危惧をされていた方がいらっしゃいましたね。
史恵さんやさえさんのレスを読んで、やはりそういう被害者を生んでしまうのだなと強い憤りを覚えました。
野田さんは「私は強い」「私は幸せ」というアピールをメディアを利用してこれでもかと発信しつづけておられるようですが、そのクローズアップによって身近な圧力に責められ、人生を狂わされかねない方が少なからず生まれている。その社会的責任は大きいと思います。

そしてなにより、夫婦である以前に史恵さんの女性としての権利がパートナーによって踏みにじられていると思います。
ご主人の、野田聖子さんの言葉を借りた「史恵も我執を捨てて・・」という言ってはならない発言、さらには「史恵が厭なら、産んだ後姉夫婦に預けても良い・・」産む機械ですか。
以前大問題となった、妻をだましてインドで代理出産を強行した男性医師の例を思い出しました。
女性の身体は子孫を残すための道具でも少子化を抑える調整弁でもありません。そして何より大切な産まれる命の尊厳を全く考えていない発想ではありませんか。

それでも史恵さんは、なんとかお互いに誠意を尽くして話し合うことで、これからも夫婦としてやっていきたいと望んでいらっしゃるからこそ、ここでこうしてお話をされたのですよね。
お二人は10年以上もの間長くつらい治療に向き合ってこられたご夫婦なのですから、もつれた糸を少しずつほぐして光を見いだすことは、きっと可能だと思うのです。
しかし、このように非常に特殊かつおのおのの倫理観と命の尊厳にかかわる問題のベクトルが180度違っている状態では、通常の話し合いや時間で解決するものでもないと思います。
ですから私はぜひ、第3者の力を借りることをお勧めしたいと思います。夫婦の間には時には適切な通訳が必要な場合もあります。
適切な代弁者を介してお互いの思いを伝え合うことで相手の思いに気付き理解しあえるかもしれません。なにより史恵さん自身が問題を整理し解決するために援助を受けることは、スパイラルから抜ける第一歩となるかもしれません。

参考までに情報をお伝えしておきます。もうご存知のことでしたらすみません。

●女性としてのからだの権利を考えている「SOSHIREN・女(わたし)のからだから」というグループがあります。
●不妊関連では有名なＮＰＯ法人のFineでも勉強会やカウンセリングを行っています。

●以前にも名前が出たこともあると思いますが、「生殖心理カウンセリング研究所」というところが行っているカウンセリングというのもこの問題に直面している方の助けとなるのではないかと思います。

●このサイトに関わっておられる白井千晶さんの企画によるリプロダクション研究会（第14回）が7月に行われるようです。

●関西ですが、女性ライフサイクル研究所の安田裕子さんという方が生殖補助医療の当事者の方、あるいは子どもに恵まれなかった人の心理を研究されており、カウンセリングなどの援助も行っておられるようです。


大変差し出がましいレスで申し訳ありませんが、史恵さんだけでなく、いろいろな立ち位置で戸惑っておられる方にとっても少しでもお役にたてればとの思いで投稿させていただきます。

まずはお二人のお話がかみ合って、光の道を見いだされますようお祈りしています。

AIDと卵子提供
今回は匿名で -- 2011年06月22日 17:00:19

　 横ですみません。
少し疑問に思っていることがありまして、他の方のご投稿の引用等もありますので、こちらに書かせていただきました。

匿名さん、
> このサイト内に、米国にて卵子提供で生まれ、
> 現在20才以上になっている子どもたちへのインタビュー記事が
> 掲載されていますが、
とのことですが、見つけられませんでした。
すみません、どこを見れば良いのか、教えていただけますか？
（もしかしたら、AIDで生まれたお子さんのインタビューのことでしょうか？）

また、竹さんがおっしゃる
> お子さん自身が苦しむことも、当然考えられます。
> 愛情があれば大丈夫とおっしゃる方も多いですが、
> 出自が分からない苦しみについて、
> 精子提供で生まれた方々が語っておられます。
についてですが、それは卵子提供で生まれた方々についても必ず当てはまるものなのでしょうか？

私は、AIDで生まれた方と、卵子提供で生まれた方が持つ（かもしれない）
苦しみ、というのは、果たして同じものなのだろうか…？と
最近、思いをめぐらせています。
もちろん、当事者ではないので「何て甘っちょろいことを」と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、もし自分だったら、と置き換えてみたときに、
卵子提供の場合は「お腹で育て、生んでくれたのは目の前にいる母」であるなら、
AIDの場合で感じることが多いという不安感や喪失感とは
また違ったものでは…？と思うのです。

（AIDや卵子提供によって生まれた子供に「どのようにテリングするのか」について書かれた本も読みましたが、実際にはAIDの方向けの内容が殆どで、
卵子提供の場合には何となく当てはまらないような…という印象を受けました。）

実際に卵子提供で生まれた方が大人になってからの思いを知ることができるのなら、ぜひとも伺ってみたいです。海外でならそういったサイトがあるのでしょうか？

また、出自については、このスレの中で「（卵子提供では）提供者は分かるようになっている」という情報があったことを、大変興味深く読ませていただきました。
もしそれが本当なら、「卵子提供、イコール、出自が分からない」という定義（？）は崩れることになると思うのですが、なぜこの情報は他では見当たらないのでしょうか？

二人のベクトル…
しゃぴろ -- 2011年06月21日 22:55:48

　 史恵さん、こんにちは。

いきなり自分の話で恐縮ですが、私はずっと一緒にやっていくつもりだったパートナー（同棲相手）との間で子作りの同意がえられず、結局別れて別の相手と結婚しましたが（今の夫）、今度は不妊治療に理解が得られず開始にこぎつけるまで数年、と、相方の説得に３０代を終えてしまった者です。
こういうていたらくなので、説得方法をひと様にアドバイスできることなど何もありませんが、この種のストレスは骨身にしみており…、さぞお苦しかろうと思います。

私はフェミニスト論者というわけではありませんが、妊娠・出産・不妊治療は両性の合意を前提としつつも、実際に妊娠し、出産する主体が女性である以上、主体である女性自身が望まない妊娠、望まない出産、望まない治療、というのはあってはならないと思っています。
まして提供医療というのはまだまだ特殊性の強いものでもあり、通常の育児以上に夫婦が一致協力していくことが求められてくると思います。
ご夫婦それぞれが心から納得し、心から望む状況にいたらない限り、夫婦どちらにせよ押し切られて進む、という方向は色々な意味で好ましいと思えません。

ところで、ここで多くの方もおっしゃっていますが、ご主人はとてもお子さんを望んでいらっしゃるのでしょう。
私も立場的にはご主人の位置に近い時間が長かったので、ご主人の気持ちもよく分かる気がします。
妊娠も出産も自分でやりたくてもやれないのが男性ですから、もどかしいお気持ちはひときわおありでしょう。
もどかしさのあまり、気持ちが昂じるあまり、治療・妊娠・出産の諸プロセスも、その先の育児のあれこれも飛び越えてしまって、ともかく僕の子どもが欲しい、が際立ってしまって、お願い！作って！みたいな、デパートで買ってきて！（と、私が子どもの頃、母に弟妹が欲しいとせがんだそうですが）に近いような、少々短絡的な思考回路に入ってしまわれているのでは、という気もします。
陶芸作品か何かなら、「できた作品は君の目に触れないようにテラダ倉庫にでも預けるから」と言うのはありそうですが、「子どもをともかく生んでくれ、あとは姉夫婦に預けるから」は、ちょっといくらなんでもそれはないよね、という感じですね…。

治療も１０年もされてきたんですね。
史恵さんご自身、本当にがんばってこられて、きっとたくさんの言葉に尽くせぬ辛い思いもされてきたことでしょう。
私も経験してますが、ともかく不妊治療というのは気持ちを憔悴、先鋭化させます…。
もしかするとご主人が今そうした追い詰められた気持ちの隘路にいらっしゃるのかな、と思うといたたまれないですね。

この問題に、正解はないですね。
誰の考えが正しいということもないし、それぞれの考えがある。

ただ、この問題が本当に難しいのは、この問題だけは、両性が必要であるがゆえに、自分の努力だけではどうにもならないからでしょうか。
自分一人ががんばればよいのだったら、こんなに悩まない。
あるいは相手ががんばるのを応援してればいいだけだったら、こんなに悩まない。

一つ、私が自分の経験から思うことは、結婚は、自分の人生だけでなく、相手の人生もまた丸ごと引き受ける営みだ、ということでしょうか。

ご主人は、自分の命を次世代に引き継ぎたい。
史恵さんは史恵さんの倫理観があり、しかも生まれてくる命は史恵さん自身の生の本質にかかわる倫理観なのであって、そこに抵触することはどうしても受け入れられない。

一見、ベクトルが真逆なわけですが、そのベクトルをいかにあわせていくか。

時には説得の技術を駆使し、緻密な論理も構築する。
時には相手の言葉を真摯に聞き、相手の真意を虚心坦懐に受け止め、寄り添ってみる。
時には自分の心を素直にみつめ、感情を認識し、自分の気持ちを言葉にしてみる。
あるいは、意図的に時間を置いて、クールダウンをはかってみる。

そうした積み重ねしかないのでしょうが…
ただ、そのときに、お二人双方が、「自分は相手の人生にもまた責任を負っているのだ」、ということを今一度、自覚をもって確認しあってみることが大切なのではないかと思うのです。

相手に申し訳なく思うべきだ、ということではないのです。
そうではなく、自分の願望や選択は相手や相手の人生をも左右するし、相手の願望や選択は自分や自分の人生を左右するのだ、ということを、お互いがもう一度、再確認し分かち合ってみる。
長い結婚生活の間に、もしかしたら置き忘れてしまっているかもしれないところから、もう一度始められたら、と思います。

人生の夢（と仮に言いますが）として子どもが欲しいという気持ちがあり、その夢がかなえられないままにいること。
一方、１０年の時間をささげる不妊治療は、女性にとって本当に骨身を削るような努力と誠意なしになしえないこと。
そうしたことの痛みを、二人で、ともに分かち合い、認め合っていくことから、お二人自身のベクトルを探していけたらいいですね。
結論にいたる道は、お二人でしか探すことはできないですものね。

提供については、結論を急いで出さず、まず、お二人で広く一緒に勉強してみる、ということから始められてみたらどうでしょうか。
たとえば、同じ本を読んでみるとか、ＡＩＤ関連の講演を聞きに行く、とか、養子や里子についても調べてみる、など…
そうして、自分がどうしたいか、相手がどうしたいか、二人の一致点、二人の相違点、二人の人生にとって何がメリットで、何が問題か、提供による育児について求められる覚悟とは、などなどを色々話す中で、少しずつすりあわせていくことができたらいいなぁ、と思いますが…

役にも立たないことを長々と書いてしまいごめんなさい。
お二人の納得のいく道に進めるといいですね。
お幸せをお祈りしています。

祖母の遺言
ぱんだ -- 2011年06月21日 20:18:40

　 　史恵さん、こんにちは。もうすぐ40歳、不妊の ぱんだ と申します。
　まげさんがおっしゃられるように、史恵さんご夫婦の問題が熟成されてご納得のゆく答えが導かれるようお祈りしております。
　子どもを授かるのは前提に夫婦があってのこと。長い間治療をされ心身ともにお疲れのことと思います。話し合いも大切ですが、今はその時間以上に旦那様には史恵さんのこれまでのご努力を大いに労って頂きたい、と女性の立場から願います（余計なことを申してすみません）。
　私達夫婦は３年検討した末これから体外受精を受ける予定にしていますが子宮に色々な疾患があるため結果を出すのは難しかもしれません（夫は少し楽天的ですが）。子宮に問題があり経済的理由からも、卵子提供という選択肢はないと考えています。数度のIVFを経て結果が出なかった時、夫婦２人の道や義祖母の遺言について話し合おうと考えています。
　義祖母の生前の遺言とは、養子を育ててみては、という提案です。認知症が進み死期が近づいていた義祖母は私たちに「（子どもが出来ない産めない）さだめの人も居る。だけど育てることは出来る。」と話してくれました。義祖母の姪に養子がいる事や大正時代に卵子提供は無かったことから、自然な提案だと受け止めています。そして１０年間可愛がってもらった義祖母の死に様をそばで見させてもらい、人の生死は誰にも選ぶことは出来ないのだと学びました。選べないこからこそ、子を望み育てる親は子どもの人生について真剣に考え、（自分も含め）生まれてきた子は生を全うしなくてはならないのだな、と思います。史恵さんは今この只中にいらっしゃるのですね。
　私自身、今年は子宮の手術があるため大半はお休み期間で、子どもを授かることについてゆっくり想いをめぐらせています。自然妊娠はもとより養子であれ他のかたちであれ夫婦が望んで来てくれる子とめぐり合える時、それが＜子を授かる＞という事なのかな、、とぼんやり考えています。
　とりとめのない長文で失礼いたしました。
　
　

教えてくださいさんに続きます。竹さんへ
とくめい -- 2011年06月21日 20:14:09

　 私も知りたいです。
提供卵がゆえにおきる発達障害というのがあるのでしょうか？
私も詳しく知りたいです。具体的に教えて頂けないでしょうか？
どおいったものでしょうか？それはどこからの情報でしょうか？
教えてください。よろしくお願いします。

横ですが
雪見大福 -- 2011年06月21日 18:39:30

　 横ですみません。
もしかして「発達障害」ではなくて「子宮内胎児発育遅延」のことでしょうか？
違っていたらごめんなさい。

史恵さん、続きも読ませていただきました。
たしかに説得するのは大変そうなだんなさんですね・・・
お二人にとってよき道を見出されることを遠くからお祈りしています。

横ですが、竹さんへ
教えてください -- 2011年06月21日 14:37:33

　 すみません、不勉強なので大変恐縮なのですが
発達障害のデータについてもう少し詳しく教えていただけませんか？
発達障害は成長過程において見えてくるものなので、提供を受けた方の追跡調査でわかったものなのでしょうか？
積極的に公開されていない情報なのでしょうか、
母体の危険よりもこちらの方がずっと気になります。

また、こちらの情報をなんの根拠もないと言い切られる方は逆にその根拠を教えてくだされば有り難いです。

心苦しいのですが
めい -- 2011年06月21日 13:15:56

　
卵子提供を決めた時にバックアップ病院の医師から説明をうけました。

子宮が萎縮している方は、（加齢、閉経などの理由）出産後、子宮がうまく収縮できないことが多く、大量出血する可能性が高く子宮摘出を覚悟して下さいと説明をうけています。また、前置胎盤や早産の可能性が高いと。

卑劣で残酷なバッシング
匿名で No.3 -- 2011年06月21日 12:18:51

　 卵子提供に対する肯定・否定、選択する・選択しない、は自由です。

しかし、誤情報を確信的に流すのは問題です。

竹さん、あたかも、卵子提供が母体や子に医学的リスクが高く、それを信頼できる医学データが実証している、と書かれていますが、ミスリードも甚だしいです。

まず、日本の学会で信頼できるデータがあるわけがない。日本人医師はそもそも基本的にやっていないですから、結論を出せるようなサンプル数がないですし、あるとすれば意図的に選ばれた極少数のサンプルを元に出した結果です。「学会」という言葉を出せば人が信じると思っているのでしょうか。

それとも、海外にあるのですか？
英語のものでも問題ないと思いますよ。あるのなら、出所を示すべきです。

それと、野田議員のお子さんのことを鬼の首を取ったような風に書かない方が良いと思います。貴女が残酷な心の持ち主のように見えてしまいます。

御主人と幸せに過ごす為に
とくめい -- 2011年06月20日 19:46:46

　 こんにちは。

文章から、いかに卵子提供が生理的に受けつけないかよく分かりました。何度もおっしゃってるので、気持ちも相当に固まっていると誰もが分かります。もうこれ以上生理的にうけつけない理由を並べてどうなるのでしょうか？

視点をかえて、どう御主人と上手くやっていくか？ということを考えられた方が建設的です。先に並べた、受けつけない理由と同じくらい、御主人とどう共に過ごせばより幸せであるかを具体的に考えてはどうですか？
考えてますか？身近かなことからでも実行していますか？
私は毎日考え、毎日実行していますよ。

そうして話し合いのしやすい心境をお互いにつくったらよいと思います。

何もおかしくないです
竹 -- 2011年06月20日 18:14:04

　 　史恵さんのおっしゃることは、ごもっともです。何もおかしいことはありません。生命を不自然な方法で生み出すことに畏れを感じるというのは、当然のことです。

　御主人は、野田聖子さんが「我執を捨てたから子どもが持てた」という言葉を参考にされているのでしょうが、ご存じのこととは思いますが、野田さんのお子さんは重度の障害をお持ちです。それは、卵子提供で心配されている障害です。また、野田さんは出血がひどくて、子宮を摘出されています。これも、卵子提供の場合には、よく起こることとして心配されていることです。

　お子さん自身が苦しむことも、当然考えられます。愛情があれば大丈夫とおっしゃる方も多いですが、出自が分からない苦しみについて、精子提供で生まれた方々が語っておられます。

　お子さんを生み出す原動力となるのは、ご主人の我執だけです。自分の子どもがほしいという願いだけです。
　ご主人は、どんな障害があっても子どもを守る強い意志をお持ちでしょうか。思春期の子どもがどれほど強く親を責めたてても、それを受け止める準備をされているでしょうか。

　生理的な嫌悪感などについていくら言ってもご主人は、「我執」を乗り越えるべきだとしか思われないでしょう。

　実際に、子どもさんが障害を得る確率が低くないこと、母体に危険が及ぶこと、生まれた子供が成人になってから苦しむこと、この三点について、学会報告など確かな資料を集め、ご主人を説得されてはいかがでしょうか。発達障害も問題になっています。

　感情的な問題はひとまずおいて、お二人で、きちんと事実を見据えて話合われてはいかがでしょうか。
　

話し合いに行き詰ったとき。
まげ -- 2011年06月20日 15:12:41

　 史恵様

ワタクシなどが申し上げるまでもなく、夫婦間の自我が衝突したとき、あるいは多くの人間関係においても、問題解決能力を十分おもちの方とご拝察申し上げます。

夫婦を続ける限り、お互いの人格および様々の差異を超えて、一つの結論を出さねばならない時がありますね。

史恵様の現在直面していらっしゃる問題は、その中でも大変大きな難問だと分かります。

きっと、理性的にお話合いをお続けになることと存じますが、解決点が即座に見つかることは、多分お気づきでしょうが稀だと思います。

意見がまとまらない時、アイデアがまとまらない時、そんな時は、しばらくその問題を放置して｢熟成させる｣ことは一つの手です。

熟成は余分な感情は排除し、問題の本質を見やすくしてくれる作用があり、時には行きがけの駄賃ともいうべき、想像もしなかったアイデアが出たり、結論がひらめく時があります。

もちろん、時間の制限もお気になるところでしょうが、1か月でも半年でも、あるいは１０日でもいい。お互いに熟慮し、問題点や譲れない点、可能性としての二人の未来を考えてみると、思わぬ着地点が訪れるやも。

御投稿の趣旨に限定したことではなく一般論として、相手を説得する、または合意点を見つける努力を続けることそのものが、史恵様御自身やお二人の御関係にとっても、悔いのない豊かな未来を導くカギであると存じます。

御賢明な方ですかあら、きっと結論に辿りつかれることと存じます。そして、その結果はどのようであれ、史恵様や御主人にとりまして不幸なことではないような気がします。

お気持ちに合致しないレスポンスでしたら、本当にごめんなさい。

人の気持ちは変るもの
ローズ -- 2011年06月20日 09:28:41

　 興味深くこちらの皆様のご意見を拝見しておりました。
私は、もうすぐ卵子提供を受けるため渡米するものです。
もう気持ちは堅く決まっていて、史恵さんのお立場とはもうだいぶ違っていますが・・・、そんな風に考えていたときもあったなぁと思い、少し書かせていただきます。

私は、結婚が早かったので本当に長い間不妊治療をしました。
25年ほどです。
最初は、夫の男性不妊で人工授精の繰り返し。
次は、体外（顕微）授精です。
ステップアップするごとに、戸惑いがあり、そこまでして・・・と躊躇しつつも、その治療に望みを掛けるしかなかったときのことを思い出します。
けれど、顕微授精でもできないとなると、年数を重ねるごとに卵子の質が悪いからということになり　年齢的なこともあり、5年ほど前にキッパリと治療をやめました。
その時、病院の先生に卵子提供をすすめられ、高額な値段と人から卵子をもらってまで・・ということに対して絶対に無理、嫌悪さえ覚えたのをはっきりと覚えています。同じように生理的に嫌だと思いました。

それから、私達は子供のいない人生を歩むと決め、好きなことをしてきました。
でも、どんなに好きなことをしても何か満たされない部分がくすぶっていたような気がします。
どうしても、ふつふつとこみ上げてくるものがあるのです。
ペットを可愛がっても、旅行をしても、私は完全に諦め切れていませんでした。
これは、経験した人にしかわからないものかもしれません。
そして、そんな風に思わず、楽しく暮らしていける方もいらっしゃるのかもしれません。

そして、去年決断し、あれだけ考えることも出来なかった卵子提供にかけることにしました。
今、強く思うことは、もっと早く卵子提供に踏み切っていたらよかった、と思うのです。
夫も私も歳をとりました（笑）5年前ならもっと違っていた。

史恵さんの今の気持ちもすごくわかるので、どういっていいのかわからないのですが、私の一経験を書かせていただきました。
人の気持ちは変るものです。

夫婦の温度差は、同じなら良いのですが、
私の場合は、卵子提供を決めた時には、夫がそこまでして・・という感じで、消極的でした。
でも、今は同じ方向を向いて頑張っています。
長い間説得したというわけではありません。頑張って準備を進めている私を見て、自然と夫も寄り添ってくれるようになりました。

そして、こちらのご意見の中に、他人の子を宿して愛せるのか？みたいな発言もありますが、私は想像だけでも、卵子が誰のものであれ自分のお腹に宿った命が愛おしくてたまりません。
どうして愛せないのか？の方が不思議です。
なので、やっぱり人は色々。。。
子供が欲しい、家族が欲しいをどれだけ強く望んでいるか・・という気持ちの強さしかないのかな・・と思います。
卵子提供に対して色々意見がありますが、それに尽きると思います。

長々書きました。
こちらで意見を書くのも初めてです。
史恵さんのお答えになっていないかもしれませんね、ごめんなさい。
どのような答えを出すにしろ、悔いのない人生を歩まれることをお祈りしています。


 
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